眼鏡のフレームやアクセサリなどで度々見かけるべっ甲。これが何からつくられるか、先日の長崎旅行で知った。年配の人や長崎出身の人ならともかく、大学生で知っているという人は少ないのではないだろうか。
ウミガメの甲羅からできるべっ甲
長崎旅行に行った際、オランダ坂付近のべっ甲屋「江崎べっ甲店」に立ち寄り、べっ甲の原材料の話になった。実はべっ甲は、ウミガメの甲羅から作られているそうだ。
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“鼈甲(べっこう)は、熱帯棲のウミガメの1種タイマイの甲羅の加工品で、背と腹の甲を構成する最外層の角質からなる鱗板を10枚程度に剥がして得られる。色は半透明で、赤みを帯びた黄色に濃褐色の斑点がある。黄色の部分が多いほど価値が高い。”
引用元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BC%88%E7%94%B2|Wikipedia
べっ甲を”鼈甲”と漢字で書くと、いかにもといった印象。べっこう飴の印象が強かったので、木の樹液かなんかが固まってできた琥珀のようなものかと思っていた。
べっ甲の原材料になるタイマイの画像。
引用元:http://www.unesco-kids.com/pc/dictionary/detail190
店の人が裏から持ってきたべっ甲。甲羅というよりはエイヒレのような。画像の甲羅に貼られているシールは「本べっ甲」といって、100%天然のべっ甲を表すもの。100%本べっ甲でつくられている細工物は非常に値が高い。
100%本べっ甲製のブローチ。たて5.5㎝×よこ6㎝ で 129,600円だ。引用元:http://www.ezaki-bekko-ten.co.jp/publics/index/11/detail=1/c_id=28/page28=22#page11_28_23
また、一部のみ本べっ甲を使用し、そのほかの箇所を人口樹脂であしらった「本甲張」は安価。たて4.3㎝×よこ5.0㎝で1890円だ。引用元:http://www.ezaki-bekko-ten.co.jp/publics/index/23/detail=1/c_id=47/page47=17#page23_47_136
べっ甲は中国発祥の技術
今回僕が訪れた「江崎べっ甲店」の公式ページによると、
“べっ甲細工は、もともと中国の技術です。
前漢の武帝が設置した楽浪郡の遺跡から、べっ甲の櫛が出土しており、また万里の長城で名高い秦の始皇帝の王冠の一部がべっ甲で装飾されていたといわれています。”
引用:http://www.ezaki-bekko-ten.co.jp/publics/index/6/
と記載されている。その技術が日本に伝来して、やがて日本でも作られるようになったというわけだ。今でこそ日本製に比べて印象の良くない中国製品だが、どうやって考えたんだこの製法?というような技術は中国から伝来されているものが多いように感じる。べっ甲もその一つだったようだ。
まとめ
僕は今までべっ甲は琥珀のように、自然につくられたものだと思っていた。樹液が石のようになっていて、それを削って細工していると考えていたが、実際は職人が丁寧に一枚一枚貼りあわせて作るのだそう。
店員さんの話を聞いているうちに、高いと思っていたべっ甲が、急にそうでもなく見えてしまう。僕は金銭的な面で購入には至らなかったが、母親が還暦を迎える頃になったらお祝いに何か買ってあげたい。
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