ソニーが大画面スマホ Xperia Z Ultra を発売してから3年が経過した。Xperia Z Ultra のコアなファンは未だに多く、都内でも電車の中でたまに見かけるほど。そしてスマートフォン好きな人なら1台は持っているであろう端末なのだが、僕らが思っているほど一般層にリーチできていないのか、待てど暮らせど後継機が発売されなかった。
実際、Xperia シリーズに “Ultra” を冠する端末は Z Ultra 以降 2機種発売されている( T2 Ultra と C5 Ultra )が、スペック的にはミドルレンジモデルだったりと印象はいまひとつ(過去記事:ソニー Xperia C5 Ultra 発表。カメラが強化された廉価版 Xperia Z Ultra?)。
そして最近『ソニー「Xperia XA Ultra」発表。Xシリーズ初の Ultra 端末のスペックや発売日、価格など』で紹介したように、Xperia XA Ultra が発売となった。まだ発売されていない端末なので当然実機には触れられていないが、机上の空論にはなるが Xperia Z Ultra と勝手に比較して感想を述べたい。
Xperia XA Ultra と Z Ultra を比較してみる
スペックで比較してみる
まずは Xperia XA Ultra と Z Ultra、そして C5 Ultra をスペックで比較してみたい。なお XA Ultra 以前の比較記事として『Xperia Z Ultraから買い替えるなら Xperia C5 Ultra?Huawei P8 max?それともNexus 6か』もどうぞ。
[table id=18 /]スペックはこんな感じ。XA Ultra はカメラに力を入れている印象を受けるが、ディスプレイサイズが 6.4インチから6.0インチとなったことで、随分と実際に使用した際の感覚は変わる。
ちなみに Xperia がカメラをウリにし始めたのは Xperia Z1 以降なので、 Xperia Z Ultra のカメラは低スペックだった。過去記事:【Xperia Z3 VS Xperia Z Ultra】カメラ性能をシーン別に撮り比べてみた。
目玉となる機能やコンセプトで比較
Xperia Z ultra
Xperia Z Ultra の発売当時は、まだスマホ市場が成長期ということもあり、各社が様々なキワモノスマホを発売していた。Xperia Z Ultra もそういった端末のうちのひとつで、当時流行っていた 7インチ級のタブレットに音声通話をのっけてみましたといったファブレット。
普段使いにはちょっと大きい7インチタブレットだが、Xperia Z Ultra は絶妙なサイズ感でポケットにも収納できたのでスマホとしての常用が可能。また、他の端末との違いとして防水かどうかという点も大きなポイント。
公式ページを見ても「大画面」、「薄さ」、「防水」を推しており、カメラはオマケ程度の機能として考えられている。また Xperia Z Ultra は 6.5 mm という薄さを実現していた点も、当時としては衝撃的だった印象が残っている。
Xperia XA Ultra
対する Xperia XA Ultra は、名前が “XA” という X シリーズではミドルレンジクラスの名称が付けられており、Z Ultra のようにフラッグシップ機を大型化しましたということではなく、同じ “Ultra” 端末ながらコンセプトは違う。
Xperia XA Ultra の公式ページを見ると、カメラ機能を推している印象を受ける。Xperia Z Ultra が 800万画素のカメラを積んでいるのに対し、Xperia XA Ultra は 2150万画素のリアカメラ、1600万画素のフロントカメラを搭載。発売時期が違うので一概にスペック比較はできないが、Z Ultra のページよりも明らかにカメラを意識したトップ画像となっていることが分かる。
(画像引用:http://www.sonymobile.com/)
特にセルフィー(自撮り)用のフロントカメラには力を入れているようで、ディスプレイ側にフラッシュを搭載したり、夜など暗い場所でも綺麗に撮影できるような工夫が施されている。画素数やフラッシュに関しては Xシリーズ最上位モデルの Xperia X Performance よりも優れている。
大型の画面を活かしてカメラを楽しもうというコンセプトを Xperia C5 Ultra から感じる。しかし “Ultra” の名を冠しているものの、ディスプレイのサイズは 6インチと今となっては珍しくないサイズなのが個人的には残念な点。
Xperia Z Ultra は完全にフラッグシップ機を大型化した端末だった印象だが、Xperia XA Ultra は “XA” と名前だけを見るとエントリー機の派生版といったところ。国内発売されている Xperia X Performance に備わっている防水性能もない。実機に触れていないのでなんとも言えないが、スペックを見るとあくまでやはりミドルレンジクラスだと考えられる。
Xperia XA Ultra は “買い” か
(画像引用:http://www.sonymobile.com/)
ここまでで Xperia Z Ultra と Xperia XA Ultra をスペックや特徴を見て比較してみた。結論として、Xperia Z Ultra ユーザーからの視点で買いかどうかというのは微妙なところ。
まず画面サイズが 0.4インチ小さくなるだけで、大分使い勝手が変わるというのが大きな理由。いまどき6インチなんてどこでも手に入るし、わざわざ個人で輸入してまで手に入れる端末かと言われればそうでもない。
とは言え、やはり Xperia Z Ultra ユーザーとしては Xperia XA Ultra も気にならざるを得ないというのも正直なところ。カメラの性能もかなりアップしているし、なにより Xperia X シリーズでも “Ultra” の名を冠する端末が(国外ながら)発売されたというのは嬉しい。価格も4万円弱くらいとかなり安いので「冷静に考えたら別に必要ないけど Ultra だしとりあえず欲しい」人は買ってみても良いかもしれない。
『Xperia XA Ultra は台湾で7月発売、価格は約4万円。旅行がてら買いに行くのも良さそう』でも書いたけど台湾だともう売ってます。