航空フォトジャーナリスト チャーリィ古庄さんのカバンの中身

「みんなのカバンの中には、いったいどんなモノが入っているのだろう?」という疑問からスタートしたこの企画。カバンの中身が好きな人に送る「あんなモノ」から「こんなモノ」まで、リアルなユーザーのカバンの中身を紹介しよう。

今回は日本国内に2人しかいないというプロの航空フォトジャーナリストであるチャーリィ古庄さんのカバンの中身を見せてもらった。今回は撮影ではないので持ち物はシンプルだそうだが、普段は何を持ち歩いているのか気になる。

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このカバンの持ち主:チャーリィ古庄さんについて

チャーリィ古庄さんは航空機を専門に撮影するプロの航空フォトジャーナリスト。日本を拠点として、世界を飛び回りながらありとあらゆる飛行機の写真を撮影する。訪れる国は年間で約20ヶ国くらい、年の半分は海外を転々としているそうだ。

年間で200回以上も飛行機に乗るチャーリィさんは、世界で一番多くの航空会社の飛行機に乗ったギネス記録を持っている。TV番組の「マツコの知らない世界」でも登場しており「あ!この人見たことある」という人もいるはず。

元々は外資の航空会社で働いていたというチャーリィさん。20歳で飛行訓練学校に通うべく渡米、その後、外資の航空会社に就職。2001年に米国で起きた同時多発テロをきっかけに、これまで副業的に活動をしていた航空写真家活動に本腰を入れるべく独立し、現在はフォトジャーナリストとして活躍。写真集や本などの出版などを手がける。

チャーリィさんが実際に撮影した写真



チャーリィさんのカバンと持ち物

  1. ポータブル HDD(500GB)
  2. 写真のサンプル
  3. ノート
  4. ペンケース
  5. 手袋
  6. iPhone 7 Plus
  7. 本の原稿

チャーリィさんのカバンの中身はこんな感じ。撮影した日は撮影などは無く、打ち合わせのために都内に訪れていたとのこと。カメラ機材などは持ち歩かず、軽装だった。

 

カバン:ゼロハリバートンのアタッシュケース

チャーリィさんのカバンはゼロハリバートンのアタッシュケース。スパイ映画が好きだというチャーリィさん。アタッシュケースはもちろん、スパイ映画など男心をくすぐるアイテムも持ち歩く。

 

iPhone 7 Plus ケースは防弾仕様


チャーリィさんのスマートフォンは iPhone 7 Plus。スパイ映画に憧れ、防弾仕様の iPhone ケースを装着している。難点は「重いこと」と「デカイこと」だが、防弾仕様という響きには勝てない。

本の原稿

最低でも年間1本の本や写真集を手がけるというチャーリィさん。この日も3月15日に発売の「絶景の空旅」の「ゲラ(校正用の原稿)」とを持ち歩いていた。

初稿ではなく最終稿に近い原稿なのでほとんど校正は無かったものの、一部チェックが入っているのが確認できた。本を出版するには非常に長い時間と多くの人が携わるのだと感じる。

打ち合わせで使う写真などは、すぐチェックできるように印刷して持ち歩く。なおクリアファイルの美しい写真もチャーリィさん自身が撮影したそうだ。

プリント写真をチェックするための手袋

フォトコンテストの審査員も務めるチャーリィさんは、プリントされた写真を評価するために手袋も持ち歩く。写真に指紋が付着しないようにするため。

写真のデータは外付けHDDに保存

チャーリィさんは500GBの外付けのポータブルHDDを持ち歩く。撮影した航空写真をお客さんに見せるのには、やはり大容量の HDD が便利だ。海外ではインターネット回線が細く、クラウドで写真を管理するのは難しい。写真のバックアップなども基本的には HDDで管理する。

ペンケースの中にはサインマーカー

写真集や本を多く出版するチャーリィさんは、地方の講演などの際にサインを求められることもしばしばあるという。そういった時のためにサインペンや太字のマーカーも持ち歩く。

チャーリィさんにいろいろ質問してみた

――なぜ飛行機の写真を撮ろうと思ったのでしょう?

昔から乗り物が好きでした。特に航空機が好きで、航空機の写真は小学生の頃から撮影しています。

――なるほど。経歴を拝見すると航空会社に勤めていますが、最初から写真家を目指す道は考えなかったのでしょうか?

もちろん目指したかったのですが、もっと安定した職に就くべきだと周囲にアドバイスを受け、それならば航空関係の道に進もうと思い、航空会社に勤めました。航空会社なら好きな飛行機の近くで仕事ができますから。

――では何がきっかけでプロの航空写真家になろうと思ったんですか?

色々とありますが、一番の理由は2001年に米国で起きた同時多発テロです。勤めていた会社もそのビルの中にあり、早期退職者を募っていたので、良いきっかけだと思い独立しました。元々副業的に雑誌で連載を持っていたり、職業柄航空会社との繋がりや内部の事情も分かっているので独立してもイケるんじゃないかと。

――そんな背景があったんですね。航空フォトジャーナリストの主な仕事はどんなものがあるのでしょう?

航空会社のカレンダーや広報写真など、オーダーを受けて写真を撮るのがメインです。他には講演や写真集の出版、ストック写真の販売(最近だとトランプジェットや金正男殺害事件が起きた空港の写真など)などもあります。

――なるほど。航空機の写真を撮るうえで大変なことはなんですか?僕も写真をよく撮影するのですが、動く被写体を撮るのって結構難しいと思っています。

航空機写真を撮る際に考えるべきことはさまざまですが、例えば「さくらが咲いていて青空で斜め上に向かって飛び立つ瞬間の写真が欲しい」など、条件の多い写真を撮るのが一番大変ですね。

天気や季節にも左右されますし、風向きなどによっても飛行機が飛ぶ向きも変わるので……。全ての条件がぴたりと満たされた写真を撮るのは根気と運が必要ですね。

まとめ

今回は、航空フォトジャーナリストのチャーリィ古庄さんのカバンの中身を見せてもらった。

“フォトジャーナリスト” と一口に言っても、実際にはどんな人がどういった理由で写真を撮っているのかをよく知らないという人も多かったはず。僕も漠然としたイメージしかなかったのだが、今回こんな風に話しを聞けてとても刺激を受けた。

チャーリィさんのカバンに入っていた原稿の本はすでに 3月14日に出版している。書店やアマゾンなどで購入できる。チャーリィさんいわく「旅行に行った気になってもらえるように写真を撮影している」とのことなので、最近旅行に行けていない人は是非チェックしてみてほしい。