女性 CEO のスタートアップ企業 MIRAHOME(ミラホーム)は、人工知能で睡眠の質を向上させるマットレス「MOORING」のクラウドファンディングを10月19日より「GREEN」で開始した。AI で心拍数や体温を管理し、より睡眠の質を向上させられると謳う。
僕も実際に試してきたので、実際の使用感とともにレポートと MOORING の特徴をお届けしたい。最近不眠症気味のトバログに最適かも。
人工知能マットレス「MOORING」について
「MOORING」は、温度に着目して睡眠の質を向上させるマットレスパッド。
MOORING 開発元のミラホーム CEO の Alice 氏がストレスで睡眠について悩んでいた際睡眠について調べてみると、なんと世界で約19億人が睡眠障害を抱えている事実を知る。その後 5万人の睡眠を研究したところ、睡眠時の温度環境が自分の適温と3度以上の高低差がある場合、睡眠の質が20%も低下するという研究結果に着目。
これかのことからミラホームは「温度に着目した人工知能マットレス」の需要を感じ、MOORING の開発に踏み切ったという。ちなみに “MOORING” は、なにかを繋ぎ止める「係留」という意味。転じて「いつもの場所に戻ってゆっくり休む」という思いを込めて名付けたそうだ。
MOORING が備える7つの機能
MOORING が備える機能は
- 温度コントロール
- 左右別温度管理
- 健康管理
- アプリ連動管理
- 目覚まし機能
- 乾燥機能
- セーフティ機能
の7つ。ウェアラブルデバイスのように装着している人の動きなどを感知して睡眠の状態を記録するほか、心拍数やヴァイブレーションによる目覚まし機能、さらには電気毛布的に温度の変化をつけることができるとしている。
またソフトウェアによるアップデートが可能で、今後さらに機能が充実していく予定。詳しくはクラウドファンディングページを読んでもらうとして、トバログでは特徴的な機能だけを紹介したい。
MOORING が面白いのは「温度調節」で睡眠をコントロールするところ
先にも紹介したが、MOORING は温度に着目して睡眠の質を向上させるマットレスパッド。通常ヒトは眠りにつく際、ノンレム睡眠に向かって体温を下げ、その後、体温を上昇させ起床へと移行する。深眠期の体温が低いほど熟睡しやすく、体温の調節がスムーズなほど快適に寝付けるとのこと。
温度と睡眠の関係に着目し MOORING は、深眠期にはなるべく低く温度を保ち、起きる時間に合わせて徐々に温度を上げる。これにより快適な朝を迎えるためのサポートをする。
通常の電気毛布やホットカーペットのように全体を温めるのではなく、AI で温度状態を監視して身体の冷えやすいところを部分的に調節することができる。これにより、老若男女体格が違っても最適な温度の状態にすることができる。
なお冷却機能はなく、常温〜体温に近い温度の間で調節する。
またダブルサイズでは同時に2人まで別々に温度の調節が可能。特に男女では体温が大きく異なることが多く、僕らが想像を膨らませるほど快適には眠れないことも多いらしい。MOORING ならそれぞれの体温に合わせた温度管理ができるため、このストレスも軽減する。
ちなみに抱き合って寝た場合は、あまりにも密着しすぎると1人としてカウントされる可能性があるため、正確な数値は測れないこともあるという。
余談だが、心理学者のリチャード・ワイズマン教授は、カップルの幸福度と睡眠時の姿勢における相関関係の研究結果によると、1,000人にインタビューした結果、カップルの42%が背中合わせで寝ているとのこと。
抱き合って眠るなんてのは12%程度なのであまり問題はないのかもしれない。
なお温度調節機能の仕組みはこんな感じ。実際に触ってみたところ、普通のマットレスパッドのような感触だったが、実際には極薄のフィルムなどが内蔵されている。
実際にサーモカメラで確認すると、このように左右の温度の違いが分かるようになっている。
僕も実際に寝てみたが、たしかに程よい温かみを感じることができた。なおデータを毎日蓄積していくことでベッドに入る時間帯を学習し「だいたいこのくらいの時間に床に就くだろうな」というのを予想して事前にあたためて置いてくれる機能も備えている。これだけで欲しい。
また温度調節により、人が起きたあとの「乾燥機能」で湿度を 55% 以下に保つことで、ダニなどの繁殖を防ぎ清潔な状態をキープできるそうだ。ハウスダスト対策にも一役買ってくれる。
睡眠の状態はアプリで管理可能
またMOORING には特許監測技術(PP電圧フィルム)が組み込まれており、睡眠の状態をアプリで管理できるのも面白い。アプリ内では浅い眠りと深い眠りの割合をパーセンテージで表示し、記録した健康データをもとに不整脈や無呼吸症候群などの潜在的な病気のリスクを通知する。
このフィルムにより
- 心拍数
- 呼吸・体動
- 寝室環境(室内温度、湿度、光度、騒音)
が計測でき、あらゆる状況下での身体反応をデータ化し、体感温度と適温を導き出すとしている。また MOORING を導入している人たちのデータを集積し、徐々に精度が高くなっていくというのも人工知能マットレスたるゆえん。
アプリでは複数アカウントを登録でき、従来のウェアラブルデバイスのように Bluetooth の通信ではなくネットワークを介する。なので田舎で1人暮らしをする親の睡眠情報を取得することも可能。万が一のことがあったとしてもすぐに異常をアプリ上で確認できる。
ヴァイブレーションで静かに起こす
MOORING には目覚まし機能も備えており、ヴァイブレーションによりパートナーに刺激を与えず起きることも可能。MOORING を実際に試してみたところ、耳元で鳴るヴァイブレーションの音で起きるイメージ。枕があるので振動自体はほとんど感じなかった。
こちらがコントローラー。iPod のように白いホイール部分をなぞったりして操作できる。
昔こち亀で両さんが目覚まし時計のモニターバイトをする回があり、その際振動で起こす枕が登場し「記憶がぶっ飛ぶほどシェイクされる」というのが個人的に印象深かったが、MOORING はその心配は無さそうだ。
なお現時点でスヌーズ機能は備えていないとのことだが、アップデートにより対応予定とのコメントをもらった。
実際に体験した MOORING のサイズ感
178cm の僕が MOORING のダブルサイズに横になるとこんな感じ。シングルの場合はもう少しコンパクトだそうだが、この日は試すことができなかった。感覚的には185cmくらいまでの身長であればすっぽりと MOORING に収まるのではないかと思う。
実際に寝てみた感触としては、よく夏にホームセンターなどで売られている冷感マットのような感じ。触った感じとしては柔らかくさらさらとしている。よく感触を確かめてみるとフィルムが入っているような感じもするが、ちょっと手に取っただけでは分からないと思う。
男女が一緒に寝た場合はこんな感じ。2人であればスペースにはかなり余裕がありそうだ。
[twentytwenty][/twentytwenty]
こちらは特に意味のないカット。せっかく撮影したのでアップしておく。
規格上のサイズはこんな感じ。僕が普段使っているベッドでは問題なく使えそう。
まとめ
手に装着するタイプのウェアラブルデバイスでも睡眠の質は測れるが、自分の特性は測れるものの機器によるアウトプットがなかった。MOORING は温度調節で睡眠の質を向上させられるとのことで、アウトプットがある意味で面白いと思っている。
現時点で最安価の出資受付は行っていないが、記事執筆時点ではまだまだ定価よりも安く購入できるので、気になっている人は今のうちにどうぞ。なお現時点で目標額は達成しており、出荷時期も今年の12月頃とクラウドファンディングにしては早く手に入る。
質問など
水洗いは可能か
→端子部分は非防水なので不可。乾燥機能により清潔に保つため、水洗いは必要ないと考えている。仮に汚れた場合は濡れたタオルなどで拭き取る
天日干しは可能か
→可能
どのように使用するのか
→マットレスの上に MOORING を重ねて、その上からシーツを敷いての使用をオススメ
日本式の敷布団でも使えるのか
→使用可能。マットレスではなくマットレスパッドなので、持ち運びもラク
カラーは一色?
→今のところは1色のみの展開だが、今後カラーバリエーションの展開も考えている
目覚まし機能は音も鳴るのか
→ヴァイブレーションによるアウトプットのみ
発送はいつごろになるのか
→12月末ごろを予定
その他質問はこちら。