僕がまだ小学生だった頃、B5サイズのリングノートに4コマ漫画を書いては、学校に持っていってクラスメイトに読んでもらうのが楽しみだった。自分で考えたキャラクターたちがシュールな笑いを繰り広げるコメディもので、クラスでの反応も良く長編を含めて6冊は描いたと思う。
当時の僕がこだわりを持っていたのが、4コママンガのイラストの上手さやストーリー性ではなく、書き味。当時300円くらいのちょっと高級な白地に罫線の入ったノートに、裏写りや跡が残らずにすらすらと描けるペンが必須だった。
当時の僕が選んだペンは、1835年にドイツのニュールンベルグで生まれた文具メーカー STAEDTLER(ステッドラー)社の『ピグメントライナー』。
文具好きな母と大きな文具店に訪れた際に、持参したノートに店頭に並ぶペンをひたすら試して、最終的に選んだ一本だったことを憶えている。やわらかなペン先と水性顔料系インクで裏写りせず、さまざまな太さからペンを選ぶことができたのが決めてだった。
年を重ねるごとに4コママンガは描かなくなったけれど、今でも必ずペンケースに忍ばせて持ち歩いている。さらさらとペンを走らせるこの感覚は、クリエイティブなアイデアを生み出すためには欠かせない。
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トバログの「モノ語り」について
『トバログ』では、これまでたくさんのモノ・コトを紹介してきた。ただ、ブログというのはどんなによく書けた自慢の記事でも、過去の記事は時間と共に埋もれていってしまう。せっかく良いモノだけを選び抜いて記事を書いているのだから、たくさんの人に目を通してほしいと思い「モノ語り」として連載してみることにした。これまでも数回に渡り、僕の思い出深いモノ・コトについて紹介しているので、良かったらバックナンバーも是非読んでみてほしい。
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