ドイツの文具メーカー『LAMY（ラミー）』の定番ローラーボール『safari（サファリ）』。1980年に誕生して以来、文具好きを中心に世界中で愛されるペンだ。
実は大学時代にもまったく同じローラーボールを所有していたのだが、数週間使った後に紛失。最近になって「サファリでジェットストリームのリフィル（替芯）が使える」という情報を得たので、改めてホワイトモデルを購入している。外観はサファリのままに、書き心地は慣れ親しんだジェットストリームになって、さらさらとメモがしやすく満足している。
ラミーのロングセラー『サファリ』について
サファリの話をする前に、少しだけラミーについておさらいしておこう。ラミーはドイツのハイデルベルクに本社を置く、老舗の文具メーカーだ。
1930年に、Parker（英国の文具メーカー）で営業をしていたカール・ヨーゼフ・ラミー氏が創業。創業当初はパーカー製品のような万年筆を販売していたが、2世代目である息子が他社製品との差別化を図るべく、バウハウスが提唱する「機能によってかたち作られるデザイン」を取り入れたそうだ。
それから「西暦2000年になっても色褪せないデザイン」をコンセプトに1966年に発売した『LAMY 2000』を筆頭に、ラミーは数々の工業デザイナーと共に、いくつもの名作を世に送り出している。LAMY 2000 や safari はもちろん、プロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインした『noto』も人気。
ラミーの定番モデル『safari』は児童向けだった
そんなラミーがサファリを発売したのは1980年。ドイツでは小学校で万年筆を使った授業をするそうで、そんな児童たちのために設計されたモデルだ。例えばペンを握りやすいようにグリップが三角形になっていたり、デスク上で転がらないようにくぼみがあったりと、子どもでも使いやすい工夫が施されている。
サファリを手掛けたのはドイツの工業デザイナーであるウルフギャング・ファンビン氏。現在もラミーでリードデザイナーとして活動しているらしい。
僕が初めて safari の存在を知ったのは、まだ高校生だった頃。人のカバンの中身を覗き見するのが好きで、よく mixi やら Frickr で、他人のクールな持ち物をチェックしていた。その当時はモレスキンのノートブックが日本でも流行り始めた頃で、みんながモレスキンとセットで持ち歩いていたのが、ラミーのサファリだった。
ラミーのサファリとモレスキンは、セットで買うとだいたい6,000円。月5,000円の小遣いでやりくりしていた僕にとっては手が届かない金額だったことを覚えている。そこから大学生、そして社会人となり、今こうして手元にあるのは感慨深い。
という長い前置きはさておき、さっそくローラーボールをジェットストリームに換装していこう。
サファリのローラーボールをジェットストリームに換装する
サファリとジェットストリームはメーカーが異なるため、もちろんそのままで使うことはできず、アダプターをかませることになる。カメラでいうと、ちょうどボディとレンズのマウント違いのようなものだ。
アダプターにはいくつか種類があるが、僕が購入したのは3Dプリンター製のこちら。おそらく個人が制作したモノで、かなり簡素な作りだ。まあアダプターはどうせ隠れてしまうから、通常使用に問題がなければ安い方が良い。
このアダプターで使えるジェットストリームのリフィルは、『XSR-5』『XSR-7』『XSR-10』の3種類。どれもアマゾンで70円ほどで買えるから、アダプターと一緒に購入をおすすめする。
こんな感じでリフィルにアダプターを装着する。ラミー純正のリフィルにはツメがあり、このツメをあわせる。
あとはラミー純正リフィルと同じく、ジェットストリームにリフィルを交換するだけだ。
書き心地はどうか
換装してから簡単な試し書きをしてみた。一番懸念していたところは「押し込んだ際の上下のたわみ」や「執筆中の左右の揺れ」だったが、実際に使った感じだと、これはまったく問題ない。ただしペン先の直径はラミー純正よりも細いため、若干だが左右に強く動かすと、やや遊びがある印象だ。もし気になる人は、ペン先にマスキングテープやセロハンテープを巻いて、太さを出しても良いかもしれない。
まとめ
簡単にではあるが、ラミーのサファリを新調した＆ジェットストリームに換装したブログを書いてみた。もし「サファリが手元にあるけど、書き心地の問題で使っていない」という人は、ぜひこの方法を試してみてほしい。
