細部にこだわって、使いやすいモノを作りたい。
ちょっと前に『革と一緒に旅がしたい! 旅好きが考える革小物、構想中。』という記事を書いていて、今回はその続編。
「革と一緒に旅がしたい! 」をテーマに、PRESSoサイズのL字ファスナーと、SIMカードも収納できるパスポートケースを開発中だ。やっとサンプルが到着し「これはかなり良いアイテムになりそう」ということで、ブログでも紹介しておこう。
こだわりポイントがありすぎて長くなりそうなので、記事ではL字ファスナーとパスポートケースを前後編で分けます。
▽動画でも紹介しています
今回作っているアイテムについて
今回作っているアイテムは、老舗革小物メーカーのプレリーと、PRESSoでお馴染みのドリップと一緒にやっているプロジェクト。
主に旅を目的としたものだが、日常生活でも使えるような工夫を凝らしているので、旅でも使えるし、日常でも使えるアイテムになる予定だ。
「革と一緒に旅がしたい! 」というテーマでいくつか製品を作っているのだけれど、具体的なアイテムは『ミニマルなL字ファスナー PRESSo L(仮)』と『SIMや国際運転免許証が収納できるパスポートケース』の2種類。
今回はL字ファスナーについて「どんなところにこだわっているか」などを紹介しておこう。
ベーシックだけど、よりミニマルに、使いやすく。L字ファスナー PRESSo L(仮)について
こちらがL字ファスナーのサンプル。L字ファスナーのベーシックな外観はそのままに、できるだけ使いやすく、そしてミニマルを意識して作っている。耐久性や使い勝手などまだまだ改良は必要だが、基本的にはこの形状になる予定だ。
外側にはカードホルダーも備えている。
なぜこのL字ファスナーを作ろうと思ったのか
僕は元々 PRESSo 愛用者で、もう1年以上も毎日使っているし、なんなら新品のストックまで持っている。日常生活では満足できるアイテムだが、「小銭ポケットが小さすぎる」「領収書やレシートが保管できない」という悩みもあった。
普段はキャッシュレス決済なので PRESSo はカードケース的に使うアイテムだけれど、地方への仕事や台湾、アジア圏などの「現金支払いがメイン」の地域に訪れる際はどうしても大きめの小銭ポケットが欲しくなる。
また僕はフリーランスとして活動しているため、確定申告の際に必須となる領収書やレシートをもらう必要がある。1日都内で出歩くならば PRESSo でも問題ないが、出張や取材となるともう少し容量が大きい財布が必要だった。
これまでの経験から、収納力とミニマルさを考えると L字ファスナーが最適だろうと考え、「旅先でも PRESSo を使いたいから L字ファスナーで作ったらどうか」 と相談したところ、面白そうだからやってみようということで作ることになった。
【こだわったところ】
- PRESSoを踏襲したミニマルなサイズ感
- 素材とカラーバリエーション
- いつでもアクセスできるカードホルダー
今回のL字ファスナーを開発するにあたり、こだわった点は上記の3つ。それぞれ紹介しておこう。
①:PRESSoを踏襲したミニマルなサイズ感
まず意識したのはサイズ感。L字ファスナーといえば正方形がポピュラーだが、PREESo の文脈である「キャッシュレス時代のミニマルな財布」とは合わない。なのでサイズ感は極力 PRESSo を踏襲しつつ、スマホと一緒に持っても違和感のないサイズ設計とした。
PRESSo よりも厚みは生まれるものの、内部構造をできるだけシンプルにすることで、個人的に許容できるサイズとなっている。
②:素材とカラーバリエーション
そして素材感とカラーバリエーション。ほかの革小物メーカーの場合、通常は主力製品が長財布や二つ折り財布で、L字ファスナーはサブ財布的な扱いの場合が多い。
しかし PRESSo シリーズは「小さな財布だけど素材もカラバリも妥協しない」という点が人気の秘密。今回のL字ファスナーもそこを意識して、PRESSo と同じ熟成レザーをラインナップに加えつつ、僕が大好きなグレーやヌメなんかも作りたいと思っている(この辺はまだどうなるかわからないので調整中)。
とくにグレーに関しては、僕が大好きなグレー系のシュリンクレザーを用いたいと考え中。先日紹介したワイヤレスイヤホンのような素材をイメージしており、実際に革問屋でサンプルも見てきている。
またヌメは「旅をするほど経年変化も楽しみたい」というイメージで、ラインナップに加えられないかを交渉中だ。
③:いつでもアクセスできるカードホルダー
一番のポイントが「よく使うカードを収納しておけるカードホルダー」を外側に設置している点。
PRESSo を1年使っていて「便利だなあ」と思うのが、財布を見ずにクレジットカードを取り出せるところ。メインのカードを定位置に入れておけば、財布を開ききらずにサッと出せるので、会計の際もスムーズだ。
L字ファスナーは収納力はあるものの、いちいちファスナーを開けないとカードにアクセスできない。またポケットが分かれているわけではないので、領収書や小銭も他人に見られたり、落としてしまうリスクもある。
小型のL字ファスナーは他メーカーからもラインナップされているが、意外と外側にカードホルダーが備わっていないことが多い(それもそのはず。このカードホルダーの利便性は PRESSo を使っていて気づいたことだから)。
そういうわけで外側にカードホルダーを備えている。実際にこのサンプルを2ヶ月ほど使っているが、キャッシュレス派にとって、もうこのポケットがない生活には戻れない。
実際にモノを収納してみる
実際にお札や小銭、レシートなどを収納していこう。上記は実際に僕が旅行の際に持ち歩くであろうものをラインナップしてみた。また日常生活においてのラインナップもだいたいこんな感じ。
よく使うカードは外側のカードホルダーに収納し、たまにしか使わないけど持ち歩きたいキャッシュカードや免許証は内側に。そして小銭入れを中央に置いているため、お札と領収書の保管場所を分けられるのも良い点だ。
そして反対側はSDカードやMAMORIOといった紛失防止トラッカーも収納できる。持ち歩くカードの枚数が多い人はカードを収納しても良いし、枚数が最低限の人はこのように小物を収納して持ち歩いても良さそう。
まとめ:発売と金額など
今製作中なのはL字ファスナーとパスポートケースだが、今回はL字ファスナーについて紹介してみた。
L字ファスナーは世の中にたくさん存在するけれど、この PRESSo L(仮)に関しては「見た目はオーソドックスだけど、少しだけエッセンスを加えて使いやすく」という形で送り出したい。
気になる発売時期と価格について。日本の職人さんに依頼をして国内製造しており、発売時期は(こういう状況なので)まだ読めないが、夏前には発売できるようにスケジュールをしている。また価格も構造上PRESSoよりは高くなりそうだが、1万円台で発売できれば良いなあという感じ。
この記事を読んで「グレーのL字ファスナーが欲しかった」「いきなりPRESSoは敷居が高いのでL字から始めてみたい」と思ってくれた人は、もう少しだけ待ってもらえたら嬉しい。
前回の記事:革と一緒に旅がしたい! 旅好きが考える革小物、構想中。