ガジェットと持ち歩くキャッシュレス時代の面白い財布。
交通系ICカードをはじめ、QRコード決済やおサイフケータイなど、スマートフォンだけをポケットに入れて出かけても不便を感じることは少なくなった。大きな財布にたくさんの現金やカードを持ち歩く必要がなくなり、財布はあくまで身分証明書やクレジットカード、いざという時の現金を収納するサブ的な要素となりつつある。
去年僕が北欧を旅した際、印象的だったのが街ゆく人のほとんどが名刺入れのような、カードケースを財布として持ち歩いているとのことだった。聞くと「もうほとんど現金は使わないからカードケースにID(身分証明書)やクレジットカードを入れているのさ」とのこと。銀行ですら大きなところでしか現金を扱っていないとのことだった。
さて日本はというと、ここ最近はキャッシュレス化が大きく進み、まさに過渡期といったところ。現金がなくても生活はできるが、まだまだ少しの現金やカード類がないと不便を感じるのが現実だ。今回はそんな僕たちにとって使いやすいガジェット要素のある財布を3点紹介しよう。
ガジェット要素を感じるコンパクト財布3選
今回トバログで紹介するアイテムはこの3つのアイテム。一般的な財布のイメージよりも、どちらかというとカードケースや名刺入れに近いサイズ感だ。詳しくは東急ハンズの特設ページでもチェックできるが、今回トバログでは実際に手に触れて紹介していきたい。
1.アルミ防水ウォレット|OGON(オゴン)
- アタッシュケースのようなシンプルなデザインのカードケース
- IPX4相当の生活防水で少しくらいなら濡れても大丈夫
- スキミング防止機能でセキュリティ面も安心
まずはこちら。OGONというフランスの小物メーカーが展開する『アルミ防水ウォレット』。どことなくジュラルミン製のアタッシュケースのような外観がクールで、個人的にはかなりツボにくるデザインだ。
今回紹介しているカラーはシルバーだが、ほかにもプラチナムやブラック、カーボンなど複数カラーを展開している。価格は6,380円(税込)とサブ的な財布としても購入しやすい。
OGONについて
オゴンは、2000年初頭にスウェーデンで創業し、現在はフランスからスタイリッシュなメタリック製品を送り出すブランド。 アルミニウム素材によりスキミング防止の機能を兼ね備えた蛇腹状のカードケースをはじめ洗練されたアイテムを展開しています。
表面素材にはアルミニウムを用いており、金属ならではの鈍い光沢感が美しく、革財布よりもガジェットと合わせたときの統一感が感じられる。横幅もスマートフォンほどなので、一緒に持ち歩く際も重ねて持ち歩きやすい。
片手で掴んでボタンを押してパカッと開くと、日本の折り紙を参考にしたという蛇腹のカードホルダーが備わっている。6箇所あるホルダーがそれぞれ距離感覚を置いて開くため、パッと見で出したいカードがすぐ取り出せるのも嬉しい点だ。
素材自体はプラスチックなので無理は禁物だが、僕が実際に使った感覚だと1つのホルダーに対して、カードは2枚ほど収納できそうだ(公式によると最大10枚収納できる)。なお筐体自体が金属のため、必然的にカードスキミング防止機能が備わっている点も魅力的。
日本国内においてスキミングはそこまで重要視されないかもしれないが、軽犯罪の多いヨーロッパだとスキミングはスリの次に怖い。OGON の生まれたフランスでも珍しくはないため、こうした形状が人気の一つなのかもしれない。
カード以外も収納できる
カードホルダーにはマチがあり比較的自由度も高いため、意外にも紙幣や硬貨も収納できた。また外側は金属なので、硬貨を収納しても膨らない点も嬉しい(逆にいえば大量の収納は難しいが)。
カードホルダー自体は自由度の高い使い勝手なので、紙幣や硬貨以外にもSDカードや予備のSIMカードを収納しても良さそうだ。
財布なのに生活防水
財布というと水に弱いイメージも強いが、アルミ防水ウォレットはその名前の通り、IPX4相当の防水機能を搭載している。上画像の通りシーリングが施されており、さすがに水に沈めるのはNGだが、ちょっと強めの雨でも安心だ。
2.イタリアンレザー アルミニウムカードホルダー|GORBE
- スライド式の小気味よいカードホルダー
- レザーと金属の調和がガジェット的
- スキミング防止機能
次に紹介するアイテムは GORBE(ゴルベ)の『イタリアンレザー アルミニウムカードホルダー』。一見すると普通のコンパクト財布のようだが、オランダ発の金属製カードケース『c-secure』を搭載しており、ノブをスライドするとカードが出てくる面白ギミックがある。
カラーはブラックやブラウン、ネイビーといった定番色からバーガンディ(ワインレッド系)やターコイズブルーなど5色展開。価格はそれぞれ8,800円(税込)だ。
GORBEについて
GORBE(ゴルベ)は2016年に東京で誕生したレザー雑貨ブランド。デザイン、素材、機能にこだわったオリジナリティ溢れるアイテムをプロデュース。単なる本革ではなく、原皮の種類やなめし方法、染色や加工においてタナリーが情熱を持って生み出した希少な革を使用。
留め具を外すと札入れや別途カードポケットが備わっており、紙幣を収納したりよく使う交通系ICカードを収納するのに適している。レザーは光沢感のあるイタリア産ベジタブルタンニングレザーを使用。使い込むうちに艶感が自然になってくる。
またかなりコンパクトではあるが、ファスナータイプの小銭ポケットも備わっている。大量の小銭は収まらないものの、日常使いには必要十分な小銭ポケットだ。
スライド式の小気味よいカードケース
この財布の面白い点はなんといってもこのカードケース。財布を閉じたままでアクセスできるレバーをスライドすれば、最大7枚のカードが階段状に出現する。マチが決まっているため最小で4枚程度のカードを入れておく必要はあるが、使いたいカードにすぐアクセスできる点は嬉しい。
スキミング防止機能
また c-secure のカードホルダーにはスキミング防止機能も備わっているため、セキュリティ面も安全だ。ただ「Suicaは財布から取り出さずに使いたい! 」という人は、c-secure の外側にあるシークレットポケットに収納すれば読み込める(財布を開く必要はあるが)。
クレジットカードはカードホルダー内、低額決済の交通系ICカードはシークレットポケットなど、使い分けができる点も嬉しい。
3.スマートウォレット|SHELLY
- 小銭ポケット付きのミニマルな3つ折り革財布
- 磁気防止シート内蔵で裏と表で別々の交通系ICカードを使える
- スキミング防止機能などセキュリティ面も万全
そして最後がSHELLY(シェリー)の『スマートウォレット』。一見するとシンプルな3つ折り革財布だが、同社が長年開発を続けてきた磁気防止、スキミング防止、交通系ICカードの切り分けといった機能が盛り込まれたガジェット的な財布だ。
カラーはブラックやネイビー、グレー、グリーンの4色展開。価格は9,900円(税込)。
SHELLYについて
2004年にスキミング防止カードや磁気シールドカードを開発したSHELLY。カード情報を守るための技術を開発している企業で、キャッシュカードや通帳を磁気から守る技術は現在120の金融機関が採用している。
上記はSHELLYが製品化している3種類のセキュリティ系アイテム(特許取得済み)。このスマートウォレットにはこれらすべてを内蔵しており、開発には2年を要したという。
デザイン性はそこまで珍しくない3つ折り財布だが、セキュリティや性能面でのこだわりが感じられるアイテムだ。海外旅行によさそう。
コンパクトながらも収納面にこだわりあり
開くと札入れが備わっており、自分で折りたたむ必要なくそのまま収納することができる。また小さいながらも小銭ポケットが備わっており、ランチやラーメン店、駐車料金といった細かい小銭も収納しやすい。
2枚の交通系ICカードを使い分け
個人的に面白いと感じたのが「2枚の交通系ICカードを使い分け」できる機能。電車やバスなど通勤通学や、会社用やプライベート用など複数枚のICカードを持ち歩く人も少なくないはず。
スマートウォレットは改札エラーを防止するための『アイクレバーカード』を搭載することで、財布に入れたまま裏表を使い分けて改札を難なく通り抜けられる。
磁気防止やスキミング防止機能も安心
ガジェット系財布には必ず備わっているといっても過言ではない、スキミング防止機能も搭載(交通系ICカードとは別ポケットなので改札は通り抜けられる)。外観はシンプルな革財布なのに、こういった機能面にも妥協がない点は、さすがは老舗セキュリティ系アイテムを作る企業といったところ。
また他メーカーとの違いとして面白いのが「磁気シールド」を搭載している点。クレジットカードやキャッシュカードなどは、強い磁気に近づけると正しく情報が読み取れなくなり、使いたいときにエラーになってしまうことがある(大量のガジェットを持ち歩く僕もキャッシュカードで数回経験済み)。
最近ではスマートフォン側に磁気が埋められていることもあり、スマホと財布を重ねて持ち歩く人はとくに注意が必要だ。この財布には磁気シールドが備わっているため、そのような心配も減るというのは嬉しいポイントだ。
まとめ
こんな感じでガジェット的な要素を持つ面白い財布を3点紹介してみた。決済系のサービスが発展し、現金を大量に持ち歩く必要性が減っている昨今。僕らが持ち歩くべき財布の形状もどんどん変わっている印象がある。
実は僕も財布をプロデュースする立場ではあるが、今回紹介した3アイテムにはそれぞれ特色のある面白いギミックが備わっていて、実際に触れてみて面白いと感じた。
「そろそろ本格的にスマホ決済を導入しようかな」と考えている人は、こうしたギミックを搭載した財布も検討しても良い頃なのかもしれない。