キングジムがポメラ DM100 の後継機の、ディスプレイが大きくなって Wi-Fi 通信機能が備わった「DM200」を発表。10月21日発売で価格は 4万9,800円(税抜)。
ちょっと欲しい!となったのだが、なかなか手が出ないお値段となっているので記事で紹介したい。
追記:詳しいレビューは「『ポメラ DM200』レビュー。実際に使った感想、iPhone や Mac とのメモ同期について」をどうぞ。
ポメラについて
ポメラはキングジムが発売した折りたたみ式キーボードを搭載した議事録やメモツール。2008年に初期モデル「DM10」を発売し、電池式で長時間駆動する点や、軽くて小さいという点で人気を集めた。
その後何世代かは折りたたみ式キーボードを搭載するポメラが発売され、2011年に折りたたまないキーボード&バックライト搭載の「DM100」が発売。今回発表された DM200 はその DM100 の後継機にあたる。
ちなみにポメラ系統の製品として、今年の2月には Windows 10 を搭載した変形するラップトップ「ポータブック XMC10」が発売された。
ポメラ DM200のスペックなど
こちらが DM200。DM100とDM200は、外観こそよく似通っているものの、性能などは大きくアップデートされている。DM100 との変更点は次の項目で紹介している。
こちらが公式動画。わかりやすく DM200 の特徴について紹介されている。
DM200 のスペック
- ディスプレイ:7.0インチTFT液晶、WSVGA(1024×600ドット)、バックライト搭載
- サイズ:263 x 120 x 18 mm
- 重量:580g
- キーボード:JIS配列キーボード、キーピッチ17mm
- バッテリー:約18時間
- インターフェイス:USB 2.0(micro USBポート)、SDカード(32GBまで)
- 搭載辞書:「角川類語新辞典.S」「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」
DM100 と DM 200 の変更点を比較
簡単に DM100 と DM200 の違いを箇条書きにしておくと
- 電源が電池からリチウムバッテリーに変更
- ディスプレイが5.7インチから7インチに変更
- Wi-Fi 通信機能搭載でよりシームレスに文章のやりとりが可能に
- ATOK Professional を搭載し従来の3倍の語彙数に
といったところ。地味なところだが使い勝手が大幅に向上しているようだ。
電源が電池か充電式のバッテリーへ
ポメラがウリだった「電源が確保できない場所でもどこでも調達できる電池で使える」を撤廃した。
この点については賛否両論あるかと思うが、おそらく「多くの人がモバイルバッテリーを所有している」、「バッテリーの性能が上がって小さくても長時間駆動する」という点から今回リチウムイオンバッテリーを採用したと考える。
実際 DM200 の公式ページでもモバイルバッテリーの使用を推奨しているし、micro USB 端子からの給電なので問題はなさそうだ。
Wi-Fi でメモの同期やクラウドへのアップロードが手軽に
一番の変更点はやはり Wi-Fi 通信機能が備わった点。従来は画面に映し出された QRコードをスマホで読み取ったり、Bluetooth でテキストデータを送っていた。
DM200 では Wi-Fi通信機能が搭載され、作成したテキストデータを「メールで送信」や「クラウドにアップロード」といった機能でスマホや PC にポメラ単体で送れるようになった。
また「ポメラSnyc」という機能の追加で、iPhone や iPad、Mac 純正のメモとインタラクティブに同期ができるようになった。同時編集はできないものの、Apple 製品ばかり使用しているユーザーにとっては便利だろう。
余談だが、SDカード挿入部に FlashAirという Wi-Fi 内蔵 SDカードを挿入することで、テキストデータをエバーノートに送るといったことは従来のDM100でもできた。
ATOK for Pomera [Professional] を搭載し従来機の3倍の語彙数に
日本ではあまりにも有名な日本語入力システム「ATOK」の PC と同程度の処理エンジンを搭載し、DM100 と比べて3倍の語彙数になったと謳う。
日本語変換は物書き専用ツールのソフトウェア部分の要だと思うので、この変更点はポメラを愛用している人にとってはビッグニュースなのかもしれない。
僕自身はそこまで難しい文章を入力しないし、短文で変換してしまうのでそこまでの恩恵を受けたことはないが、これだけでも買う価値がある!と考えるプロのライターや小説家もいるのかもしれない。
あとフォントもモリサワ「UD新ゴR」と「UD黎ミンR」が今回新しく採用されている。
職業が物書きじゃない僕にとっては DM200 の5万円オーバーはちょっと高い
ここまでの機能のアップデートを見るとかなり嬉しい進化かもしれないが、税込みで5万円オーバーはちょっと割高な印象。これでは同じくらいの重さで ATOK の PC 版が入る、テキスト入力程度には十分な Windows 搭載タブレットが手に入ってしまう。
執筆専用ツールでありながら重さも580gと、従来機より 100g ~ 120g 重くなっているのも気になった点( DM100は電池抜きで公称値 399g )。DM100でもちょっと重いかな?という印象だったのに、それよりも iPhone 7 約1台分(138g)重くなっているというのは厳しい。
文章を書くことを生業としている人にとっては大事な仕事道具なので金額や筐体の重さはこだわらないかもしれないが、ただ趣味でブログを運営している僕にとっては「ブログの下書き用に買ってみるか!」という気にはなれなかった(欲しいは欲しいけど)。
まとめ
DM200 は外観こそ DM100 と大きく変わらないものの、機能的には大幅なアップデートがあり、より使いやすくなった印象。とは言えブロガーは画像やリンクなどの処理もする必要があり、単純な物書きツールに 5万円はちょっと厳しいかな…というのが、今回 DM200 を見た感想だった(欲しいけど)。もう少し安くなったら買ってレビューしてみたい。
関連記事:最近ポメラが気になるが、僕にはポメラを買う理由が見つからない。気になるけど
DM200 はアマゾンで既に予約を受付している。
↓まだポメラを使ったことのない人は、アマゾンで2万円くらいになってる DM100 と FlashAir の組み合わせで様子を見てみるのが得策かも。
参考、画像引用:キングジム(http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm200/)