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僕が『Oculus Quest(オキュラス  クエスト)』を手放した理由|手放したモノ Vol.5

僕が『Oculus Quest(オキュラス  クエスト)』を手放した理由|手放したモノ Vol.5


欲しい理由があって買ったモノも、実際に手に入れてみると「ちょっと違った」なんてことは誰にでもあるはず。

トバログではこれまでさまざまなモノやガジェットをレビューしてきたけれど、時代の流れや自分のスタイルに合わないというモノも少なくない。始めから終わりまでレビューするために、不定期連載として「僕が手放したモノ」をスタートした。

第5回となる今回は『Oculus Quest(オキュラス  クエスト)』。PCへの接続が必要ないスタンドアローン型の VR機器で、初めて装着したときは感動したのだけれど、それから使わなくなり手放してしまった。

追記:「明確な目的もないのに買うな」「VRはコミュニケーションツールだと思って買う方が間違い」「自分が合わなかっただけなのに言い訳を並べるな」など、VR界隈の先輩方からたくさんのコメントをいただくので追記しておく。

まずこの記事の意図として、VR や Oculus Quest 自体での体験自体を否定するものではなく、あくまで「僕自身が使いこなせなかったから」手放している(記事でも後述しているが……)。そのため悪いのは Oculus Quest ではなく、僕だ。

VR空間での体験は本当に素晴らしいし、とにかく面白い。おそらく僕自身にVRのコミュニティに踏み入れる勇気があれば、また変わっていたかもしれない。またこの「手放したモノ」シリースは、僕がそれぞれの機器を使いこなせなかった言い訳を、完全主観で並べているだけだ。それを踏まえたうえでこの記事を読んでほしい。

■好きだった点

  • 体験としては新しく楽しい
  • 「モノを掴む」「投げる」など身体を使う体験がリアル
  • VR空間で過ごす時間がとにかく楽しい

 

■残念だった点

  • 周りにユーザーが居らずコミュニティがVR空間に置き換わらなかった
  • 最低でも 2m x 2m の何もない空間が必要(都内暮らしだとそんなスペースない)
  • まだまだ楽しみ方の基本はゲームをプレイする程度

 

 

『Oculus Quest』とは


『Oculus Quest』は、VR 業界ではよく知られる Facebook 傘下の Oculus(オキュラス)社が手がけるスタンドアロン型のVR機器(公式はVR用オールインワン型ゲーミングシステムと謳う)。

昨年に2万円台で販売された Oculus Go の上位互換にあたり、プロセッサーやディスプレイの解像度が向上し、更に高度なポジショントラッキング(6DoF=X軸・Y軸・Z軸の回転だけでなく、動きも検知できる)が可能とのこと。

これにより、Oculus Quest 単体で「(スペースがあれば)部屋の中を歩き回ることで VR空間でも動く」ことができるため、より VR の仮想空間をリアルに体験できるようになっているそうだ。

価格は 64GB モデルで4万9,800円、128GB モデルで6万2,800円とまだちょっとだけ高め。値崩れもしていないので、僕はメルカリで4万8,000円で売却した(送料と手数料を考えると手戻りで4万3,000円ほど)。

 

なぜ『Oculus Quest』を買ったのか

時代はブロックチェーンだ、VR・AR だと叫ばれて久しいが、実は僕自身、実際に VR機器を所有したことがなかった(使ったことはもちろんあったけど)。気になってはいたけど、やはりスペックの高い PC が必要だったり、VR導入に伴い発生するコストも大きいと感じていた。

そんなふうに思っていたときに新発売となったのが『Oculus Quest』だった。約5万円と安価で、しかもスタンドアローンで使えるという点がとにかく魅力的。これをきっかけに VR デビューしようと考えたのだった。

ゲームはもちろん、VRチャットのようにコミュニケーションが楽しそうだし、そのうち自分だけの空間が作れたら面白いだろうなあと(どうぶつの森みたいに)。

 

『Oculus Quest』を手放した理由

  • 周りにユーザーが居らずコミュニティがVR空間に置き換わらなかった
  • 最低でも 2m x 2m の何もない空間が必要(都内暮らしだとそんなスペースない)
  • まだまだ楽しみ方の基本はゲームをプレイする程度

 

周りにユーザーが居らずコミュニティがVR空間に置き換わらなかった


一番の理由が「僕は買ったけど周りに使っている人がいない」だった。『Oculus Quest』の体験は新しく、とにかく面白いのだけれど、友人や知人など周りに使っている人がいない限りは、その面白さは半減、いや8割減といえる。

わかりやすく置き換えてみると、LINE の友達が0人なのにインストールしたようなものだ。周りに Oculus Quest を持っている人が多ければ楽しいと思うが、0人だとけっこうツラいところがある。

そして大半の若者は「新しい技術」よりも「手軽さ」「安さ」を選ぶ。(現状普及している)スマホだけで完結するなら良いのだけれど、VR空間の場合、5万円程度の機器を買わなければ VR 空間には飛び込めない。そのハードルは意外にも高い。

 

最低でも 2m x 2m の何もない空間が必要(都内暮らしだとそんなスペースない)


そして次の悩みが部屋の広さ。VR空間でモノを投げたり、腕を振ったりするので 2m x 2m の空間の確保が推奨される。一見するとハードルは低いようにも思えるが、基本的に都内在住者の場合、よっぽど部屋が広いかモノが少なくない限り、このスペースを確保するのはけっこう難しい。

とくに同世代の場合、6畳(だいたい10平米)1K の部屋に住んでいるので、ベッドとテレビ、その他や棚を置いたら足の踏み場もない。そんな状態で VR をプレイするのは難しく、実際メルカリなどで Oculus Quest を出品している人のコメントを見ると、場所がないという理由で売却していることも少なくない。

そして Oculus Quest 最大のウリは VR空間を歩き回れることなのだが、現状は体育館でも借りない限りは危なっかしくて遊べない。「体育館を貸し切ってみんなでプレイ! 」が理想だが、Oculus Quest を持っている友人もいないし、コミュ障な僕は知らない人をネットで募ってオフラインで会うのも面倒なので、それに至らなかった。

 

まだまだ楽しみ方の基本はゲームをプレイする程度


音ゲーやスポーツなど面白いゲームはけっこうあるけれど、まだまだ実用性のあるアプリやゲームは少なく、結局のところはゲームプレイがメインの楽しみ方。スタンドアローンで楽しめる Oculus Go や Quest の登場以降、やや盛り上がっている印象はあるものの、それでもごく一部だ。

iOS 初期のゲームがメインだった頃を思い出す(「Tap Tap Tap」とかやってたなあ)。これが LINE や Twitter のようにコミュニケーションメインのキラーアプリが登場すれば、またちょっとずつ変わってくるのかもしれない。

 

まとめ:正直めっちゃ面白い体験ができるけど、みんなで広い場所で楽しみたい


上記のような理由から一旦は手放してしまった Oculus Quest だが、現状だと Oculus Quest に非があるのではなく、僕のライフスタイルやコミュニティにマッチしなかったという感じ。

体験自体はとても素晴らしく、「これ解像度と処理能力が上がれば、もはや自分のリアル空間に部屋とか要らないのでは……!」「VR空間なら100型級のディスプレイを3枚くらい置けるので、解像度さえあれば物理的なディスプレイとかプロジェクターが必要なくなるのでは……!」と感じるほど。

VR仲間がいる人達は夜な夜な集まってオンライン集会を楽しんでいるし、みんなでゲームをプレイしてとにかく楽しそうな印象だし、また何か盛り上がりを見せたときに買い直したいと思う。