ちょっと出社が憂鬱になる、木曜日の朝――。
都心でサラリーマンをしていると、毎朝決まった時間の満員電車に乗り込む。週の中盤も過ぎると徐々に疲れが溜まってくるし、辟易しながら出社することだろう。
少し気分をリフレッシュしようと思いカメラを持って家を出た。ここは都心の中でもビジネスマンが多い「虎ノ門」。いわゆるビジネス街なのだけれど、ちょっと歩けば日常に溶け込んだ春の風景も見えてくる。
最近は暖かくなった。街路樹として植えられている桜が、ちょうど満開に近い。道端の木々もちゃんと見れば新しい芽が出ている。オフィス街でも、余裕を持って周りを見渡せば、ちゃんと春があるのだなあと感じる。
ほとんど使うことの無くなった公衆電話。こんなところに公衆電話あったんだ。
通勤のために毎日通っているのに気が付かない風景の一つだ。今でもよく見渡せば街の至るところにあるのに、どこか懐かしい気分になる。
皆、駅を降りると列をなして自分の勤める会社へと向かう。暖かい日差しと爽やかな風を感じながらも、数十、数百人が同じ方向を向いて一斉にオフィスビルへと歩く姿は、どこかロボットのようで殺伐とした雰囲気を感じる。
だが、彼らがこの日本を動かしているは間違いない。
忘れかけていたが、僕もその群のひとり。
定時である 9時を迎える前に、オフィスのあるビルへと歩く。今の時間はちょうど 8:30。コンビニのカフェスペースでアイスカフェラテを飲みながら、あさんぽの余韻に浸る。
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今日のカメラ:Leica D-LUX(Typ109)
▷毎日持ち歩きたくなる。Leica(ライカ)のデジカメ『D-LUX Typ 109』で撮った日常