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Leica SL2-Sを買いました。買った理由と作例を紹介

Leica SL2-Sを買いました。買った理由と作例を紹介

うっかり手が滑ってしまった……。

気づいたら憧れのライカを手にしていた』から始まり、Leica T、Leica M10と買い集め、この数年でずるずるとライカの沼にハマっている。SL2-S 発売当時は買うつもりなんてなかったのだけれど、仕事的に使うカメラもライカで撮れたら……と妄想しているうちにこんなことに。

この記事では実際に撮影した作例を紹介しつつ、ファーストインプレッション的に触れていきたい。

重いけどシンプルでめっちゃかっこいい……! 動画も写真も妥協しないLeica SL2-S

おお……ずしりとした重量感はありつつも、シンプルで無駄のないミニマルなデザインがクール。もちろん機能面でも妥協がない点が、”完全に俺好みのモノ” といったところ。

Leica SL2-Sは、2020年12月にドイツの光学機器メーカーであるライカ社が発売したフルサイズミラーレス一眼だ。前に紹介した兄弟機の Leica SL2 とよく似ているが、ライカ社が “Two worlds. One choice.” と謳うとおり、SL2-S はより動画撮影に特化したモデル。国内価格は60万円(税抜)。

2400万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、C4K 60P や 10bit 撮影、Log での収録が可能。SL2とは異なり動画撮影の30分制限もなく、より暗所に強くなっている。また画像処理エンジン『LEICA MAESTRO III(ライカ・マエストロ・スリー)』と4GBバッファメモリーを搭載したことで、ストレージに空きがある限り9コマ/秒で無制限にシャッターが切れるそうだ(JPEG)。また2021年春にはより SL2 との差別化を図るファームウェアアップデートを予定している。

ファームウェアアップデートの内容
新しいオートフォーカスアルゴリズム瞳/頭部/胴体認識およびフォーカストラッキングを改善。
HEVC動画圧縮H.265コーデック、60p/50p、10bitで内蔵メモリーに4K録画が可能。
Long GOP150 – 200 MB/s 、10bitコーデックで録画。
All-Intra方式と同じ画質で、データ容量が半分未満になります。
動画のセグメント化データの損失を避けるため、記録した動画を1分単位のセグメントに分割します。
個別ビューイングLUT個々のルックアップテーブル(LUT)をアップロードする機能
ライブビューの強化ライブビューの画像を改善し、光量が少ない画像の構図をコントロールしやすくなります。
画像のオーバレイ表示撮影済みの画像をEVF内またはLCD上に透過モードで表示し、カメラの位置やアングルを調整することができます。
追尾オートフォーカスの強化動画撮影中に自動的に焦点追従を行うためのフォーカスポイントを、3点登録できます。
波形モニター映像信号の露出を評価するためのプロ用機能です。
カラーバー撮影後の編集作業でカラーグレーディングとサウンドコントロールを正しく行うことができます。
タリーモード動画撮影中は本体のLCDに赤色の枠が表示されます。
参照:ライカ公式サイト

サイズは約146 x 107 x 83mmで、重量は約931g(バッテリー込み)。IP54レベルの防塵・防滴性能を持ち合わせる点も Leica SL2 と同じ。

上部にディスプレイを搭載し各種設定を確認できる
マイク入力やヘッドホン出力はもちろんHDMI Type-Aポートを搭載する。またUSB Type-C での充電にも対応
デュアルSDカードスロット。DNGとJPEGを分けて記録できるほか、同じデータを記録してバックアップしたり、1から2へ順番に記録もできる
底面にはマルチファンクショングリップ用の端子やバッテリー、1/4ネジ穴が備わっている

Leica SL2 との主な違い

  • ボディ前面のロゴが黒い
  • 2400万画素の裏面照射型CMOSセンサー(SL2は4730万画素CMOSセンサー)
  • 動画撮影時の30分制限の撤廃
  • センサーが裏面照射型でより高感度に
  • 動画用のファームウェアアップデートがある
  • 価格が税抜きで60万円(SL2は税抜き81万円)

ボディのサイズや重さは同じだが、やはり大きな違いはセンサー。SL2 が4730万画素のCMOSセンサーを搭載するのに対し、SL2-S はソニーのα7シリーズと同じく裏面照射型を採用している。心臓部が異なるため SL2 とは色味も変わってくるだろうが、暗所に強くなっている。

なぜ買ったのか?Leica SL2-S を購入した理由

  • 実用性が高くLeica M10との使い分けも明確
  • 4K 10bitでの動画撮影対応(色が弄りやすい)
  • プロファイル内蔵でMマウントレンズ資産も活かせる
  • それでいて(ライカにしては)安価

ざっと購入に至った理由はこんな感じ。まあ大前提として「欲しかったから」ではあるが、それでは記事が成り立たないため、僕が購入した際に自分を納得させるための言い訳をつらつら並べておこう。

実用性が高くLeica M10と明確に使い分けできる

Leica M10 をすでに所持している僕としては、Leica SL2-S の魅力は「実用性が高いライカ」ところ。Leica M10 で撮れる写真は息を呑むくらい好みなのだけど、動画撮影ができず AFも効かないため、これ1台ですべてをこなすのは難しい。MTのスポーツカーを乗っているような感覚だ。

そのためこれまでは α7ⅲ を仕事のメイン機として使ってきたが「動画も写真もライカで撮れたらな……」という思いもあり、そんなタイミングで Leica SL2-S が発売となった。SL2-S なら動画も撮れるしAFも効く、ズームレンズも揃っているから、仕事で使うカメラとして Leica M10 との棲み分けがスムーズだ。MTのスポーツカーとSUVの2台持ちをするイメージ。

こう書くと「実用性をとるならソニーでしょ」という意見をいただきそうだが、やはり自分にとっては手にしたときの高揚感やボディデザインの好みがライカの方が上なので、その気持ちに妥協するくらいなら「SL2-S でどこまでできるのか」を知りたかった。

4K 10bit対応のミラーレス一眼を買おうとすると「意外とアリ」な選択肢だった

静止画と動画で設定を完全に分けられる点も便利

また Leica SL2-S は写真にしても動画にしても意外と(といったらアレだけど)スペックが高い。α7Sⅲや LUMIX S1H と同じく4K 10bit(4:2:2)に対応しており、春のアップデートではより圧縮率の高い HEVC や Long GOP に対応予定。しかもライカがL-Log用に LUT を2種類配布しているため、これならば YouTuber 的な動画撮影でも問題なく使えそうだ。

そんなことをネットで調べていたら、以下の動画がヒットし心を奪われてしまった。10bit で収録したいがために42万円を支払ってα7Sⅲを買うなら、プラスで10万円払ってモチベーションがあがるならSL2-S にしてもいいんじゃないかと考えた(海外から輸入すると50万円以下で買える)。

なお Leica SL2 も同じく 10bit で動画撮影は可能だが、この記事を見る限りでは高感度性能が大きく異なるし、インタビューでは30分以上動画を回すことも多いため、動画取材目的で使う僕にとっては Leica SL2-S の方が良さそうだった。

購入したレンズと作例

Leica SL2-S と合わせるならやはりライカ純正でしょ! とは思ったものの、価格や大きさなど現実的に考えてすぐに購入するのは難しい。僕の場合はとりあえず動画撮影時に使いやすい(しかもAFもよく効く)『LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.』と、Mマウントアダプターを購入した。

参考になるかどうか分からないが、簡単に作例を掲載しておきたい。

Leica SL2-S + LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. の組み合わせ

まずは LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. との組み合わせ。このレンズは LUMIX S1 のキットレンズではあるものの、24-105mmと広域をカバーし、なおかつ接写(ハーフマクロ)できるオールラウンダー的な点が気に入った。動画撮影時のAFも速く、レンズ内手ブレ補正が備わっている点も嬉しい。

Lマウントレンズでいうと『ライカ バリオ・エルマリート SL F2.8–4/24–90mm ASPH.』や『Sigma Art 24-70mm F2.8 DG DN』、『LUMIX S PRO 24-70mm F2.8』あたりも候補としてあったが、価格やAF性能、重さを考えるとこのレンズが動画撮影用としてはちょうど良かった。

ちなみにライカ純正レンズはボディとほぼ同じ値段なうえに、とにかく大きくて重たいためジンバルに乗せたときに安定しづらい。また動画撮影時のAF性能もパナソニック製レンズの方が強力だと感じた。F4 と暗いレンズではあるものの、Leica SL2-S の手ブレ補正でシャッタースピードを下げられるから、そこでカバーしている。

なお以下の写真はすべてRAWデータを露出やシャドーのみを編集しJPEGに書き出している。画像は圧縮しているので、色の雰囲気などを参考にしてもらえたら嬉しい。

露出補正+1.3くらい。暖色がパナライカに近い雰囲気
肌の質感やトーンも自然な感じ
ズームレンズながらこの質感。良い
この風合いが出るのが嬉しい
文字と背景のフリンジもなくパリッとした風合いに仕上がる。本当にキットレンズ?
夕暮れになると行きたくなる海。M10だともう少し黄色っぽいので、比較するとパナライカに近い印象(多分ボディ的に)
このデータだと分かりづらいけどシャドーの質感も良い
80mm F4 で SS 1/4の手持ち
暗い夜道で歩道を撮影。0.8秒を手持ちでまったくブレない

Leica M10 だと AWB がピーキーな色(蛍光灯が極端にシアン寄りなるなど)だったが、Leica SL2-S は素直な色味というか、前に紹介した『Leica D-LUX Typ109』的な色に近い気がする。まだ枚数を撮り貯めてないので浅い感想だが、個人的には好きな色。

Leica SL2-S + Mマウントレンズの組み合わせ

Leica SL2-S 用の単焦点レンズはそのうちシグマの『65mm F2 DG DN』を買おうと思っているが、今は手元に Mマウントレンズも豊富にあるため、取り急ぎ純正のMマウントアダプターを購入。

アダプターに5万円はどうかと思うが、純正だと6bit端子が備わっており対応レンズならば EXIF情報をデータに記録できるほか、自動でレンズのプロファイリングもしてくれる。あとはシルバーもラインナップされている点が良かった。

Nokton F1.2 で撮影。湿度を感じるような質感が好き
Summicron 35mm ASPH. で撮影
こちらは Nokton 50mm F1.2。F8まで絞っている
半逆光で撮影
こちらもNoktonでF8。流木の質感がきれい
こちらもNokton 50mm F1.2。ガラスの質感も良い感じ
Summicron 35mm ASPH. で手持ち1秒!ブレない

レンジファインダーとは違い EVF でピント調整や画角を決められるので、Mマウントレンズを装着しても楽しい。写真の質感はレンズによって決まるので(色味はボディ)、M型ほどではないものの立体感が楽しめる。

とにかく驚いたのは手ブレ補正の性能。Leica M10 だと 1/60 は欲しいところだが、なんと手持ちで1秒のシャッターが切れるのは本当に驚いた。これは M10 と2台持ちが確定だな(筋トレしないと)。

動画の撮影に関して

所感としては「意外とAFがちゃんと効いてくれる」「L-logでの収録は現状圧縮率の高いHEVCなどに対応していないため、データ量が大きすぎて長時間撮影は厳しい(256GBのストレージでも40分しか撮れない)」という感じ。詳しくは上記の動画を見てもらえたらと思う。

トバログのYouTubeをチェックする

まとめ

こんな感じで Leica SL2-S を購入した理由と作例などを紹介してみた。ざっと1週間ほど触れた印象だと、たしかにずしりとくる重さは感じるものの、グリップ感もあり意外と重さは感じにくい。

色味に関しては言葉にするのが難しいが、オレンジやブルーの表現が D-LUX に近い気がする。またセンサーの違いからかDNGデータのダイナミックレンジは Leica M10 に軍配は上がるものの(とくに暗部の粘りは比較的弱い)、AWBが優秀なためか M10 と比較しても自然な色味(やや暖色系)に仕上がることが多く、撮影前にEVFである程度補正しておけば問題ない。

そして個人的に驚いたのは手ぶれ補正の性能。内蔵のプロファイルを適用すれば、オールドレンズでもかなりの手ぶれ補正を発揮してくれた。また動画撮影時には135mmレンズを手持ちで撮影することも問題ない。色々と書いてみたが、続きはもっと使い込んでからブログに書いてみたい。