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Leica M10のレザーを自分で貼り替えしてみた

Leica M10のレザーを自分で貼り替えしてみた


Leica M10 を使い始めてから約2年。シルバークロームのクールな M10 が好きでずっと愛用してきたが、数ヶ月に1回ペースで発売される色違いの限定モデルを見ていると「いつか違うカラーも欲しい……! 」という欲が沸々と湧いてくる。

とくに昨年発売となった『ライカM10-P “Ghost” Edition for HODINKEE』は、とにかくすごい。口座残高と入金される予定額、そしてクレジットカードの分割払い枠を確認するほど欲しいと感じた。

しかし価格は税別で165万円と、下手をしたら実家の近くの中古戸建てが買えてしまう。手元には清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した Leica M10 もあるし、「ただあの色が欲しい」という理由だけで “Ghost” Edition を手に入れる勇気はなかった。

そんなとき「ん? 待てよ? レザーくらいだったらカスタムカラーに貼り替えられるのでは? 」と検索したところ、韓国の革工房『Arte di mano(アルテ・ディ・マーノ)』が革を販売しているのを発見。最終的にはこの革工房からシュランケンカーフのレザーを輸入し、自分でレザーの貼り替えを行ったので、一応経緯などを紹介しておこう。

 

※注意

この方法はライカ社が推奨する行為ではなく、無料保証が失われるため、危険性の高いカスタムだ。また僕自身はカメラに関して素人で、しかもレザーの貼り替えは初めてなので、おそらく我流で間違えだらけ。結果として問題はなかったが危険な行為であることは変わりないので、あくまでエンタメとして楽しんでほしい。

 

Leica M10のレザーを貼り替える


僕が購入したのは『シュランケンカーフ』というドイツのタンナーの貼り替え用の革だ。カラーはライトグレーで、価格は送料と器具類を合わせて3万円($285)ほど。革の材料費などを考えるとやや高価だが、デジタルライカ用のレザーはほかに選択肢もなさそうなので、やむを得ない。

なお今回実行に至ったのは、国内で前例となる記事があったから。デジカメWatchの『リアルレザーの貼り革ドレスアップ』と Fuya Photo というブログの『Leica M10 レザー張替え』の2つの記事が無ければ、チキンな僕は実行できていなかったと思う。著者さんありがとうございました。

 

『Arte di mano(アルテディマーノ)』とは


冒頭でも紹介したが、今回僕が貼り替え用のレザーを購入したのは『Arte di mano(アルテ・ディ・マーノ)』という韓国・ソウルにある革工房。本当は年初に革を見るため工房に訪れる予定だったが、海外には行きづらい状況なので断念。

アルテディマーノでは Leica M10 用の革だけでなく Leica Q や Leica CL など他のデジタルライカや、M4 や M6 などの貼り替え用レザーも販売されている。

 

画像引用:https://artedimano.com/Leicaskin/?idx=144

またレザーの種類も豊富で、12種類の革素材からそれぞれ数色ずつが選べるので、カメラを自分だけのカラーにドレスアップしたいという人におすすめ。なお受注制作のため、納期は依頼から2週間ほど。僕の場合は3日ほどで発送された。支払い方法はいくつかあるが、僕は安心感があるという意味で PayPal で支払った。

 

実際に貼り替えていく

さて、前置きはこの辺にして、実際にレザーを貼り替えていこう。さすがに2年使ったからといはいえ、こうして改造を施していくのは勇気がいるが、あとはやるだけなのでエイヤで進める。

 

使った道具類

  • ヘラ
  • ピンセット
  • フレームセレクターを外す器具
  • 精密ドライバー
  • 天然ゴムのクリーナー

今回使った道具は5点。ヘラは付属するが、フレームセレクターを外す器具やドライバー、天然ゴムクリーナーなどは自分で用意する必要がある。とくにクリーナーはどこを探しても売っておらず、いくつかの靴屋さんを巡ってやっと購入。

レザーを注文したと同時にアマゾンで購入することをおすすめしたい。

 

まずはパーツを分解していく

まずはパーツを分解していく作業。フレームセレクターやマウント部分の器具があると革を貼り替えられないので、この工程は必須。ちなみにここが一番緊張する。

 

最初はフレームセレクターの取り外し方が分からなかったのだが、左方向に力を入れながら回したら取れた。

 

マウント部分はプラスドライバーを用いる。6bitコードを読み取る部品が出っ張っているため、取り外す際はちょっとだけ怖い。ネジをカメラの内部に落とさないように注意。

 

革を剥がしていく

器具を取り外したら、あとは革を剥がしていく作業。2年間使い続けても、まったく劣化せずに使えていた貼り革を剥がすのは心が痛む。

 

全部剥がすとこんな感じ。糊はボディから剥がれないため、まずは革部分だけをこうして剥がすことに。ここからはボディの糊をきれいに除去する作業だ。

 

ボディに付着した糊を除去していく

ここからはクリーナーでボディに付着する糊を剥がしていく。ゴムの摩擦で糊がくるくると剥がれていくのが心地よい。面積の広い部分は豪快に、細かいところはじっくりと剥がしていく。

またそれぞれのボタンの下に糊が入り込んでいるため、僕はドライバーを使い除去した。ただボディに傷が付く可能性もあるので推奨はしない。

 

半分除去したところ。シルバークロームのボディは黒く塗装されているのが意外だった。もし上部と同じ素材だったら、しばらく革を貼り替えずに使いたかったところ。

 

丁寧に除去した結果がこちら。細かいところをやっていくと意外に時間がかかり、糊を剥がす工程だけでも30分以上掛かった。ここは動画でもノーカットで紹介しているが、さすがに長過ぎるので30倍速で編集している。

 

革を貼り替える

ここからは革を貼り替える作業。ドイツのヴェッツラーで作られた Leica M10 と、同じくドイツ国内で鞣されているペリンガー社製シュランケンカーフの融合。

もうワクワクが止まらない。

 

――

無事に貼り替えが完了。かなり自分好みのカラーリングになった気がする。

貼り替える作業は簡単かと思いきや、なかなか角度や位置が決まらずもたついてしまった。貼り革自体も寸分違わずカットされているため、角度が少しずれてもアウト。

思ったよりもシビアなので意外と難しいと感じた(しかもボディが約100万、革が3万という価格なので緊張する)。

 

器具を取り付けていく

あとは最初と同じようにこうして器具を取り付けていけば完成。そんなに部品の数が多いわけではないので、革を貼り替えたあとは気持ち的にかなり軽い。

 

Leica M10 “Tobalog Edition” が完成!

というわけで Leica M10 の Tobalog Edition が完成!シルバークロームのボディとライトグレーの革の調和が美しい。

これは Leica M10 の限定品ラインナップを探しても見つからないため、事実上世界に1つだけのカラーということになる(もしかしたら同じ色でやってるかもだけど)。

 

ちょっとだけ色が異なるが、グレーのロープっぽいストラップを合わせてみた。アマゾンで1,300円で買ったモノではあるが、雰囲気がある。

 

 

まとめ

こんな感じで Leica M10 の革を貼り替えてみたという記事を書いた。革の貼り替えは初めてだったので緊張したが、こうしてきれいに貼り替えることができた。

また1回貼り替えたことにより、飽きた場合や劣化した際にはまた アルテディマーノ で別の革を買って貼り替えるハードルも下がる。

無料保証が解消となるので貼り替えはおすすめできないが、ディスプレイが割れた場合などは有償での対応もしてくれるそうだ(サポートに電話した)。革の貼り替えにトライしたい人は、自己責任で行ってみるのも面白いかもしれない。

 

 

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