GWの長い連休が明け、気持ちは早くも夏休みに向けて動いているのではないだろうか。6月にはボーナスがある人もいるだろうし、そうなると友人らとのキャンプに向けてカヌーの購入を検討している人や、伊豆の海で子どもたちと過ごすための宿探しをしている時期かもしれない。
昼間のアクティビティはばっちり準備できている人もいるとは思うけれど、実はちょっと持て余しがちな夏の夜。今年の夏は、夜もより楽しく過ごすために、Wi-Fi やバッテリーを内蔵しているBenQ(ベンキュー)の軽量小型なプロジェクター『GV1』の購入を検討してみてはどうだろう。
コーヒータンブラーのようにコンパクトながら、100インチ級で壁などに投影できる点が魅力で、Android OS を搭載しているから単体で YouTube や Netflix を楽しむこともできる。
夏休み前だけれど、トバログでも実際に借りて1ヶ月ほど使用してみたので、簡単に「こう使える! 」という視点でレビューしていこう。
■GV1のココが良い!
- なんといっても持ち運べるサイズ感
- Wi-Fi や Bluetooth でスマホとミラーリング可能
- AndroidベースのOSで YouTube や Netflix も単体で楽しめる
■GV1のココが残念
- WVGA(854×480)なので小さい文字は潰れがち
- 200ルーメンなので昼間や明るい場所での投影には向かない
- HDMI 端子が備わっていない点はちょっと不便
BenQの小型プロジェクター『GV1』のある一日
いつもは自宅で作業詰めの僕だけれど、今日は仲間と仕事のミーティングをしたり、ちょっとした外出が多い日。今日は小型プロジェクターの GV1 を持って出かけてみることにした。
GV1 は700g と軽量で、ちょっとプロジェクターが必要なシーンでも気軽に持ち運べるのが嬉しい。今日は機内持ち込みができるスーツケースに、カメラと一緒にプロジェクターも持ち歩いてみる。
仕事仲間とプレゼン資料のチェック
ブロガーの仲間と営業先で使うための資料をチェック。この日は iPhone に入れていた資料を GV1 で投影し「ここはこうした方が良い」とか「こっちの画像の方が良くない? 」なんてあれこれ話す。僕らはコワーキングスペースでのミーティングが多いので、複数名での画面共有は課題だった。
GV1 があればサッとカバンから取り出して、Wi-Fi 経由で PC やスマートフォンとワイヤレスで接続できるのが嬉しい。
オフィスで作業しながら Bluetooth スピーカーとしても活用
週1回は必ず訪れる友人のオフィスをちょっと借りて作業。気の利いたミュージックビデオの BGM を流しながら作業をすれば、ちょっとしたバーのような雰囲気に。
コンパクトな GV1 だけれど、実は 5W のパワフルなスピーカーを搭載している。別途スピーカーなどを用意せず、また PC や スマートフォンよりもパワフルでクリアが音質が楽しめるのが良い点だ。
プロジェクターとしてだけでなく、Bluetoothスピーカーとしても活用できるので、ちょっとしたホームパーティーに持ち込むのも良いかもしれない。
生配信の打ち合わせ。ゲストの動画を見ながらトークテーマを考える
今日は YouTube の生配信の日。ゲストを迎えてトークをするのだけれど、彼の動画をみんなでチェックしながらトーク内容を決めていく。大画面を共有しながら話せるのは面白いし「プロジェクターがあると、意外に便利だね! 」なんていいながら話を進める。
一人で映画を楽しむのも良いけれど、GV1 のように小型で持ち運びやすいプロジェクターなら、機動性が高く頼もしい。
家に帰ってきたら映画を流しながら作業
自室に帰ってきたら、まったりと雑誌を読んだりブログを書いたり趣味の時間。PC で別の作業をしながら、GV1 で気になっていた映画を流しながら作業をする。
TVを置いていない書斎でも、このプロジェクターがあれば単体で Netflix が観られるのが便利だ。次の日のブログ記事の下書きを書きながら、映画を楽しんだ。
タンブラーサイズに全部入り。BenQの小型プロジェクター『GV1』レビュー
こちらが今回の記事で登場した BenQ のモバイルプロジェクター『GV1』。バッテリーや Wi-Fi を内蔵した小型のプロジェクターで、コーヒータンブラーのように気軽に持ち運べる点が特徴だ。
約700g と軽量小型ながら30~100インチ級で投影することができ、内蔵バッテリーで約3時間も単体で駆動する点もポイント。854×480(WVGA)という解像度なのでやや物足りなさを感じるが、最大200ルーメンで投影できるので、同じようなコンセプトのLED光源タイププロジェクターよりもやや明るい。
また Wi-Fi で iPhone や Android スマートフォン、PC をミラーリングして壁に投影したり、Bluetooth スピーカーとして Spotify を流しっぱなしにしておくことも可能だ。
特筆すべきは Android 7.1 をベースのOSとして搭載している点。YouTube や Netflix といったアプリをダウンロードし、プロジェクター単体(とWi-Fi環境)でコンテンツを楽しめるのも便利。価格も4万円ほどとリーズナブルなので、これまでトバログで紹介したプロジェクターよりも、導入するハードルがぐっと低くなった。
GV1の筐体レビュー
筐体はこんな感じ。こういったコンパクトなプロジェクターはデザインが残念なモノが多い印象だけれど、GV1 は全体的にシルバーカラーでまとまっていて、シンプルで美しいと感じる。
上部にはプロジェクター本体とファンが備わっている。
イエローの部分はチルトヒンジとなっており、角度を15度程度傾けることが可能。比較的至近距離だったり、床に置いた状態でも大きいサイズで投影することができる。
GV1 を上からみるとこんな感じ。電源や音量など簡単な操作はここから可能だけれど、基本的にはリモコンを用いて操作することになる。
電源のオンオフからキーボードでの文字入力まで、基本的な操作はこのリモコンで行える。こちらも筐体と同様にシンプルな形状だ。ただアマゾンの Fire TV と「戻る」ボタンが逆なので、ときどき押し間違えることも。
物理的なインターフェイスはこんな感じ。USB Type-C 端子は USB メモリやPC の映像を投影する際に用いる。DC IN端子は主に給電用だ。
個人的には USB Type-C で充電ができると便利だと感じるのだけれど、こちらはデータ転送用とのこと。ここで充電できたら荷物が減るのになあ。
個人的に「良い! 」と感じたのが、三脚穴が備わっている点。プロジェクターで壁に投影する場合、ある程度の高さから投影しなければ画面の位置が下すぎてしまう。
とはいえ固定で使うのではなく持ち運びを前提としたプロジェクターなので、置く場所にはある程度柔軟性が必要だ。そんなシーンで三脚が使えるというのはかなり良い。グランピングにもちょうど良さそう。
同梱物は電源アダプタやリモコンなど
なお同梱物は電源アダプタやリモコン、そして本体を保護するためのケースが付属している。付属品はかなりシンプルだが、専用のポーチも付属しているのも嬉しい。
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GV1 についてざっと紹介したところで「実際どんなところが魅力なの? 」「使ってみてどうだった? 」という点を、トバログ的な視点から紹介しておこう。
BenQの小型プロジェクター『GV1』特徴と実際に使ってみた感想
- 700g台と小型で軽量なので持ち運んで使える
- 明るさは室内 or 夜間なら十分
- プロジェクターに直接 YouTube や Netflix アプリがインストールできる!
- HDMI端子に対応していない点はやや不便
- PCやスマホのミラーリングも可能
- バッテリー内蔵で最大3時間駆動
僕が1ヶ月ほど実際に使ってみて感じた点を箇条書きにしてみた。長期レビューというほどでもないけれど、一通り遊んでみたので「良い点」と「残念な点」について、ある程度は詳しくレビューできるはずだ。
700g台と軽量小型。持ち運びにも便利だし自宅での保管も楽ちん
まずはなんといってもコレ。GV1 は小型軽量でコーヒータンブラーやちょっとしたカメラレンズくらいのサイズと重量。毎日持ち歩くというわけではないけれど、こんなふうにカメラケースに入れて運べるのが便利。
以前レビューした 4K 対応のプロジェクター TK800 は、自宅で使う分には快適だったが持ち運びという点においては、やはり GV1 のようなサイズ感が丁度良いと感じる。
また自宅での保管もラク。普段はこんなふうに DIY で自作した棚に置いている。縦置きできるしデザインもスタイリッシュなので、わざわざ収納せずに置きっぱなしでも映える。
明るさは室内 or 夜間なら十分。ただ昼間の外で使うのは厳しいかも
GV1 はこのサイズの LEDプロジェクターにもかかわらず、200ルーメンとけっこうな明るさ(同様の価格帯やコンセプトのモノよりも 1.5倍〜2倍ほど明るい)。
さすがに数千ルーメンある据え置き型のプロジェクターの明るさには敵わないので日中の屋外での使用は厳しいけれど、室内や薄暗い部屋では、十分な明るさで映像を投影できる点が嬉しい。
部屋の広さや明るさを考えると、5~60型程度で投影するのがちょうど良さそう。このくらいなら200ルーメンでも十分だ(GV1 の場合バッテリー駆動時には明るさはやや落ちるが)。
PCやスマホのミラーリングもラクラク可能
単体でアプリがダウンロードと記述したけれど、選べるアプリはまだまだ限られている。「このアプリを使いたい! 」というシーンは iPhone や iPad、Android スマートフォンなどからミラーリングが可能だ。
GV1 は『Apple AirPlay』と『Google Cast』の両方に対応する点も魅力的。プロジェクターによってはどちらか一方にしか対応しない(もしくは対応していない)という場合も少なくないので、これはけっこう嬉しい。
iPhone の場合だと、まず Wi-Fi で GV1 に接続し、コントロールパネルから GV1 を選択するとすぐにミラーリングできるようになっていた。
「ミラーリングってどう使うの? 」という疑問はあるかと思うが、例えばミーティングで使う資料を投影してみたり、Twitter の実況やライブ中継なんかをする際、配信しながら壁に映像を投影してみたりと、使い方は無限大。
さすがにちょっとラグがあるので音ゲーを投影して遊んだり、外部ディスプレイのように投影した映像を見ながらの作業には向かないが、面白い使い方が色々とできそうだ。
プロジェクターに直接 YouTube や Netflix アプリがインストールできる!
あとこれがものすごく便利。GV1 には「Aptoide TV ストア(ポルトガルのAndroid TVアプリ向けサードパーティストア)」がインストールされているので、ゲームやビジネス系アプリだけでなく、Netflix や YouTube アプリも使える。つまり、スマホのミラーリングをせずに単体でコンテンツが楽しめるということ。
Netflix などは、著作権保護の観点からコンテンツによってはスマホでミラーリングができず「せっかくのプロジェクターなのに Netflix が見られない! 」ということもあった。しかしGV1 なら Wi-Fi に接続すれば、なんの煩わしさも感じずにコンテンツが楽しめる。
コレ、めっちゃ便利。
HDMI端子に対応していないのはやや不便
個人的にちょっと不便だなと感じるのが HDMI 入力に対応していない点。GV1 は USB Type-C 端子経由で映像やコンテンツを読み込むことが可能なのだけれど、HDMI 入力には対応していない。
そのため、みんなで大乱闘スマッシュブラザーズSPを投影しながら遊んだり、Fire TV Stick 経由で Amazonビデオを楽しむことは(現状では)難しい。
ただ USB Type-C の変換アダプタから HDMI 端子を物理的に接続することはできるので、アップデートに期待したいところ。
バッテリー内蔵で最大3時間駆動。電源がない場所でも気軽に使える
バッテリーを内蔵している点も特徴的。公称最大3時間駆動するとしており、電源環境のない場所でも映画1本くらいは見られるバッテリー持ちだ。
ただし輝度はやや落ちるので注意が必要なのと、USB Type-C ではなく専用の DC端子からのみ給電が可能なので、ACアダプタは持ち歩きたいところ。
またバッテリー駆動だとやや輝度が落ちるが、これだけの光量でバッテリーのみで投影し続けられるのはかなりすごい。電源がない場所でも使えるシームレスさは良いなあと感じられる。
まとめ:実際に1ヶ月ほど使ってみて
BenQ から借りてこの1ヶ月間使ってみた感想や「どんなシーンで使えそうか」について紹介してみた。これまでは大きなプロジェクターのレビューが多く、用途は自室内などに限られていたのだけれど、GV1 は小型で持ち運びのしやすいプロジェクター。
実際に友人たちと会う先々で持っていくと「これキャンプで使いたい! 」「あんまりプロジェクターって使うイメージなかったけど、4万円くらいなら安いし家にあっても便利そう」という声も多かった。
HDMI 接続ができない点や USB Type-C での給電が難しい点など、ここはもう少し改良して欲しい!という点はありつつも、GV1単体で Netflix を観たり音楽を聴いたりとマルチに活用できるのは便利そう。すでに夏のアクティビティが決まっている人は、持ち運べるプロジェクター GV1 をぜひチェックしてみてほしい。