前に書いた『カメラと旅と、函館。北海道新幹線に揺られて函館まで』の続き。新幹線で東京から北海道の函館まで訪れるようすを書いたけれど、今日は函館の街を散策してみる。
人生で初めての函館への旅だったが、写真が好きな人にとってはたまらないスポットが盛りだくさん。海とノスタルジックな建物が調和するこの街は、フォトウォークをするのには最高の街だ。
フィルムカメラが好きな人なら大量のフィルムを、デジタルならば容量の大きな SDカードと予備のバッテリーは欠かせない一日になるだろう。
風と海とノスタルジー。西洋文化の漂う函館を散策する
函館といったら海鮮……というのは置いておき、西洋文化の漂う港町をちょっと散策してみる。横浜、長崎とともに対外貿易港として開港した函館(当時は箱館)には、赤レンガ倉庫や洋館などレトロな雰囲気の建造物が今も残っている。
北海道といえば広大な土地と農地、牧場を思い浮かべると思うが、函館は意外にもコンパクトな都市だ。函館市街地から観光地の多くは徒歩でも行ける距離にある。また市電やバスなど交通の便も良く、車がなくても散策しやすい。
一直線に風が通り抜ける心地よさ。八幡坂(はちまんざか)に訪れる
函館市街地から歩いて約20分のところにある八幡坂(はちまんざか)。夜景で有名な函館山の麓付近に位置する坂で、CMやアニメ(ラブライブ)に登場するなど、人気の観光スポットとなっているそうだ。
坂の上から海に向かって一直線にきれいな景色を眺められるので、函館に訪れたら絶対に訪れたい場所だ。後方から通り抜ける風がとにかく心地良い。
八幡坂を単体で撮影しても面白いが、ポートレートの撮影にも絶景だろう。八幡坂自体はまっすぐできれいなのだけれど、周りは普通の住宅地。建物を写さず坂だけを撮影するのであれば、ある程度の望遠レンズがあると良さそうだ。
上記の写真は135mmの望遠レンズ。
周辺にも洋風な建物が多く、ただ散歩をするだけでも楽しいのがこの元町エリア。坂の上に建っているから、この辺に住めば函館の街が一望できるのだろうなあと思う。ちなみに函館、東京と比べると家賃は安く、月3~7万円ほどで2LDKのマンションに住めるようだ。
ちょっと寒いけれど、食事も美味しいし写真スポットもたくさんあるこの街に住んでみるのもありかも。
レトロな喫茶『茶房 菊泉(きくいずみ)』でひと休み
市街地から坂道まで散策して、疲れたので「茶房 菊泉」にてひと休み。八幡坂を登りきった元町地区の大きな通り沿いにいくつかカフェが並んでいるのだけれど、大正時代に建てられたという菊泉はひときわ目立つ。
入り口から奥の部屋まで見通せる雰囲気が良さそうだったので入ってみた。店員さんは気が良くて良い人ばかり。
奥まった場所にある書斎のようなスペースでお茶を濁す。入り口は古民家だけれど、この部屋だけはどことなく異国感があった。
僕が注文したのはあんみつ(750円)。さっぱりしていて美味しい。
クーラーのない古民家ではあるが、風通しがよく涼しいので、とても過ごしやすかった。函館は風もありあまり真夏でもそこまで暑くはならないためか、新築のマンションでもクーラーが設置していないことが多いのだそうだ。
このエリアには有名な観光スポットとして、「函館ハリストス正教会」という大きな大聖堂がある。1800年代にロシア領事館が函館(箱館)に置かれたことで、この大聖堂も建ったらしい。初代は明治時代に函館大火で燃えてしまったそうで、現在は2代目。
写真に撮るのを忘れてしまったので、奥さんの背景越しにちょっとだけ。
余談だけれど、この辺の写真の雰囲気がライカっぽさを感じる。黄色よりの緑の色味と、ボケ感と立体感。こういう写真の雰囲気が好きで、デジタルライカを使ってるんだなあ。
夕暮れ時、赤レンガ倉庫にやってきた
やや日も暮れてきて、やってきたのは「金森赤レンガ倉庫」。市電に乗ってぶらりと旅をしてみた。
昔は倉庫として使われていたのだと思うけれど、現在は観光スポットとしてショッピングモールのようになっている。まあ中身はどこにでもあるような店ばかりなので、外側を散策してみる。
この辺は日本人よりも外国人の観光客が多い印象で、それぞれが夕焼けをバックに写真を撮影していた。函館を中心に展開するハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」もこの辺にあるので、ランチやディナーで訪れても良いかも。
ちなみに毎週金曜日はジョッキの生ビールが300円で楽しめる。お盆などハイシーズンはやっていないようなので、普通の日であればぜひ飲みたいところ。
最後ははこだてビールで一杯
最後は赤レンガ倉庫にある「はこだてビール」に訪れてみた。北海道に来たらサッポロクラシック! ということで、到着してからはサッポロクラシックばかりを飲んでいたのだけれど、たまにはクラフトビールも悪くない。
料理はそれなりの味だけれど、チーズと塩辛じゃがバターが美味しかった。ビールは「五稜の星(ヴァイツェン)や「社員の出世するビール(IPA)」など、数種類を楽しんだ。
まとめ
今日のところはこんな感じでまとめてみた。函館の市街地から元町地区あたりは、徒歩で散策しても十分に回れるくらいの広さ。函館は食文化だけではなく、写真好きにはたまらないスポットが意外にも多い。
さて、次回は函館山から見た函館の夜景を見に出掛けよう。ミシュランガイドにも載っていることでも人気のスポットだが、あまり知られていない裏側なんかにも触れられたらと思う。
今日のカメラとレンズ
- カメラ:Leica M10
- レンズ:カールツァイス Planar T* 50mm F2 ZM、Summicron-M 35mm f/2 ASPH.、Elmarit 135mm/f2.8