メルボルン、クラフトビールがけっこう楽しい。
僕はビールが好きで、いつも海外への旅に出かけたら、その地にあるクラフトビールの醸造所(ブルワリー)でビールを飲むようにしている。これまでドイツやチェコなどのヨーロッパ圏から、台湾やタイなど至るところでクラフトビールを楽しんできた。
その中でも面白いと感じたのが、ここメルボルン。「今メルボルンではクラフトビールが流行っている」とは聞いていたが、市街地から30分以内だけでも、小さなブルワリーが30箇所以上はあるそうだ。
もちろんただのバーではなく、その場でできたてビールが楽しめるのが嬉しいところ。良さそうなところを数店舗巡ったので記事にしておこう。
※この記事企画『カメラと旅と、メルボルン。』は、オーストラリア・ビクトリア州の観光局とカンタス航空のサポートを受けて旅に出ています。
追記:現在オーストラリア全土で、前例のないほど大きな山火事が発生し、僕がこの記事企画で訪れたビクトリア州も非常に苦しんでいます。もしこの記事を読んで「オーストラリア、いいな」と思ってくれた人は、ぜひ災害救助の寄付もしていただけたら嬉しいです。
かつてオーストラリアのブルワリーの中心地だったコリングウッド。個性あふれる『マイクロブルワリー』巡りが楽しい
やってきたのは前回の「カメラと旅と、メルボルン。Leica M10片手に『フィッツロイ』『コリングウッド』など郊外エリアを撮り歩く」でも紹介しているフィッツロイ&コリングウッドエリア。
個人経営の小さなバーや書店が多く、若いアーティストのアトリエやアートギャラリーも密集しているエリアだ。日本だと中目黒に近い雰囲気。建物は古いけれど、若者も多く新しい文化が流れている街。
またこの地はかつて、オーストラリアの醸造の中心地だったそうで、今なおマイクロブルワリーが点在する面白い街。メルボルン市街地からはトラムで約30分。クラフトビール好きなら外せないエリアだ。
コリングウッドに訪れたらまずはここ『THE CRAFT & CO』
このエリアで一際目立っているブルワリーが、ここ『THE CRAFT & CO』。ブルワリーはもちろん、クラフトジンの蒸留所やカフェ&デリとしても楽しめる比較的大きなブルワリー。
Aussie IPA(オーストラリアIPA)や Tropical XPA(IPAに近いビール)など、オーストラリアならではのビールを醸造している。常時10種類前後のオリジナルビールがタップで飲めるほか、ゲストビールとして2~3種類のビールも提供する。1パイントあたり約800円程度。
「日本から来たのね! ようこそ『THE CRAFT & CO』へ」と声をかけてくれた店員さん。おすすめを訊ねると「IPAが好きなら Session IPA がオススメね。フルーティーで美味しいわよ」とのこと。
こちらがセッションIPA。琥珀色をした見た目のわりに苦味も少なく、さっぱりとしていて、ホップの香りが心地よく鼻を抜けていく。度数も4.5%と高くないのではしご酒にも嬉しい。
続いて Tropical XPA(トロピカルXPA)。XPA(Extra Pale Ale)という種類のビールはあまり聞いたことがないが、IPA よりも軽くペールエールよりはホップの量が多いという種類らしい。
トロピカルという名の通り酸味があり、柑橘系の香りを感じることができる。日差しが強くからっとしたメルボルンの気候にマッチした飲み心地だった。
醸造所に人が居たので話かけてみると、なんと彼がここのビールを作っているブルワーとのこと。
OLMOさん「ここで造っているビールを飲めるのはここだけなんだ。今後ろのタンクで醸造してるのは、レモングラスと生姜のビール、ラガー、アメリカンペールエールだよ。レモングラスビールは今週の水曜日には飲めるようになるかな! 日本はビールもウイスキーも美味しいよね。でも僕たちが造るビールも負けてないよ!」
【THE CRAFT & CO】
- 営業時間:12時〜23時(日によって変わる)
- 住所:390 Smith St、Collingwood、VIC 3066、Australia
- 電話:+61 3 9417 4755
- HP:https://www.thecraftandco.com.au/
個人的に一番好きなIPA専門店『Fixation Brewing Co – the incubato』
個人的に一番気に入っているクラフトビールブルワリーが、ここ『Fixation Brewing Company』だ。オープンしてから1年ほどの新しいブルワリーで、IPA だけを専門に提供している。『THE CRAFT & CO』から徒歩3分程度の場所にある。
「IPAに熱狂している人」という名のもとに IPA 好きのブルワーが設立し、2019年にはオーストラリア国際ビール賞で金賞を受賞するほど。
ここの IPA がとにかく爽やかかつアロマティックで美味しく、ついつい4杯ほど楽しんでしまった。
まず飲んだのはセッションIPA(FIXATION OBSESSION)。まだ出来たてで苦味も少なく、とにかくアロマティックで美味しい。それでいてホップの香りも痛烈で、IPA が苦手な人でも楽しめる味わいだ(IBU36)。
これが本当に美味しく、忘れられない味わい。日本でも早く発売してほしい。
そしていくつかの IPA を試飲。「Squish」は比較的酸味を感じるビールで、セッションIPAほどではないが飲みやすい。
また LIFE OF BRINS はかなり酸味が効いたサワーエール系。台湾の『臺虎精釀』というブルワリーでも近い味わいのクラフトビールが飲めるが、暑い時期に楽しめるビールだろう。
Samさん「日本から来たの? わざわざありがとう! ここのブルワリーはまだできて1年くらいだけど、IPAの美味しさには自信があるよ。僕たちの看板メニューの『FIXATION IPA』もぜひ飲んでみてよ。オーソドックスな IPA で、4種類(モザイク、シトラ、シムコー、アマリロ)のホップを混ぜて醸造しているんだ。」
なおここのビールは缶でも飲むことができる。実際に僕も読者プレゼント用にと思って購入したのだが、この味が忘れられなくてつい自分で飲んでしまった(申し訳ない……)。
少数ながら日本市場への展開も考えているそうなので、いつかここの IPA が国内に居ながら飲めるようになるかもしれない。
【Fixation Brewing Company】
- 営業時間:15時〜22時(日によって変わる、月、火定休)
- 住所:414 Smith Street Collingwood VIC 3066
- メール:incubator@fixationbrewing.com.au
- HP:https://www.fixationbrewing.com.au/our-ipas/
メルボルンでも最大級規模の人気クラフトブルワリー『Stomping Ground Brewery Collingwood』
上の2店舗から歩いて30分(交通機関を使えばもっと短い)のところにある『Stomping Ground Brewery Collingwood』。ブルワリーとしてはもちろん、ビアバーとしてもかなりの規模で、僕が訪れたのは平日の18時頃にも関わらずほぼ満員だった。
ディナーもリーズナブルな価格帯で楽しめるし、ビールの種類も最大級。年間60種類以上のビールを醸造しており、なかにはスイカやパッションフルーツといったフレーバービールも提供している。
僕はとりあえずセッションIPAを注文。上記で紹介したブルワリーのビールよりも甘みがある点が特徴的(ただこの日すでに10杯くらい飲んでいるので舌が麻痺しているのかも)。
観光でメルボルンに訪れた際にはややアクセスが難しいが、メルボルンのクラフトビールシーンでは外せないブルワリーなので、ぜひビール好きなら訪れてみてほしい。
【Stomping Ground Brewery Collingwood】
- 営業時間:11時半〜0時(日によって変わる)
- 住所:100 Gipps St, Collingwood VIC 3066 オーストラリア
- 電話:+61 3 9415 1944
- HP:https://www.stompingground.beer/
まとめ
ちょっと長くなってしまったが、メルボルンはビール好きにとっても面白い街。ヨーロッパのビールは麦の甘みを活かしたタイプのビールが多い印象だが、オーストラリアでは IPA や XPA といったホップを活かすタイプのクラフトビールの種類がかなり豊富。
ビールのためだけにメルボルン……というとやや敷居が高いかもしれないが、もしメルボルンに訪れる機会があったらぜひコリングウッドに訪れてみてほしい。
※この記事企画『カメラと旅と、メルボルン。』は、オーストラリア・ビクトリア州の観光局とカンタス航空のサポートを受けて旅に出ています。
追記:現在オーストラリア全土で、前例のないほど大きな山火事が発生し、僕がこの記事企画で訪れたビクトリア州も非常に苦しんでいます。もしこの記事を読んで「オーストラリア、いいな」と思ってくれた人は、ぜひ災害救助の寄付もしていただけたら嬉しいです。
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