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カメラと旅と、メルボルン。変な爺さんに出会って知ったストリートアートの面白さ

カメラと旅と、メルボルン。変な爺さんに出会って知ったストリートアートの面白さ

「そうだ! メルボルンに行くなら絶対ストリートアートは見たほうがいいよ! 」

始めてメルボルンに訪れる際に、オーストラリアにワーキングホリデーをしていた友人が、教えてくれた。メルボルンの見どころを調べていると、なるほど、たしかに僕の想像した街の落書きとは遠く離れたクオリティのスプレーペイントだ。

これは確かに面白い。ストリートアートはあまりよく分からないけれど、これは巡ってみる価値はありそうだと思い、トバログでも紹介してみることに。

 

※この記事企画『カメラと旅と、メルボルン。』は、オーストラリア・ビクトリア州の観光局とカンタス航空のサポートを受けて旅に出ています。

追記:現在オーストラリア全土で、前例のないほど大きな山火事が発生し、僕がこの記事企画で訪れたビクトリア州も非常に苦しんでいます。もしこの記事を読んで「オーストラリア、いいな」と思ってくれた人は、ぜひ災害救助の寄付もしていただけたら嬉しいです。

 

メッセージとアートがストリートアート

メルボルン市街にあるフリンダースストリート駅(Flinders Street Station)からほど近い Hosier Lane という細い路地に入ると、カラフルな光景が目に飛び込んできた。

日本では「若者のよく分からないカルチャー」で片付けられてしまうようなものでも、ここメルボルンではカルチャーの1つとして認識されている。このストリートアートも、その名のとおり “アート” として人気だ。

一見すると単なるカラフルでクールなスプレーペイントだが、読み解いていくと社会風刺や政治、愛などさまざまなメッセージが籠もったストリートアートが描かれている。例えばバンクシー氏は世界的に有名なアーティストの一人だろう。

 

バンクシーが描いた(とされる)作品に出会うこともできた。

 

メルボルンのシティエリアからやや離れた場所で撮影したストリートアート。どうやってこれをペイントしたのだろう。

はじめは「観光スポットだし一応写真に収めるか」程度の興味だったが、気づいたら僕もストリートアートを探し、シャッターを切るようになっていた。

 

ストリートアートの面白さを知る

メルボルンに訪れて数日経った頃。早朝からストリートアートを撮っていると、「俺の撮ったストリートアートを見てくれよ! 」と、オーストラリアに住むという(ちょっと変わった)おじいさんに話しかけられた。

見た目は70代で、キャップを被り赤いジャンパーを羽織っている。iPad でストリートアートの写真を見せてきた。趣味でストリートアートを撮り集めているそうで、これまで数百枚の作品を撮ってきたそうだ。

 

「ストリートアートの何が魅力なの? 」と訊ねると「ストリートアートは数日〜早ければ1日で上書きされてしまう刹那的なアートなんだ。それを分かったうえで、アーティストはメッセージを込めて全力で描くんだよ。最高にクールだろ?」と語ってくれた。

嬉しそうに「このアートはすごいだろう」「これは俺が好きなアーティストなんだ」と語ってくれた。なぜアーティストが分かるのかと聞くと、ストリートアートの多くは Instagram のアカウントがサイン代わりに描かれているという。

彼は好きなアーティストを Instagram でフォローして、新しいストリートアートがアップされるとその場所に訪れるという。なるほどそういう楽しみ方もあるのかと関心した。

 

日本人アーティストとの出会い

印象的な一枚に出会った。左側には「ドブネズミみたいに美しくなりたい」と日本語で描かれ、右側には力士が描かれている大きなストリートアート。前に出会った老人が言っていたように、絵には Instagram のアカウントも描かれている。

さっそく検索すると Momoyoung(@cartoonpunx)という人物のアカウントがヒット。メルボルン在住の日本人漫画家で、ストリートアートを描いているという。

 

 

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右側の力士のアートを描いたアーティストも発見できた。ワーキングホリデーでメルボルンに訪れているそうだ。こうした日本人アーティストも、メルボルンには多く存在する。

こうしてストリートアートを楽しんでいくと、僕が最初に想像していたよりも何倍も面白い世界なのかもしれない。

 

まとめ

治安の悪い地域の象徴として、日本では必ずしも歓迎されないストリートアート。メルボルンでも禁止されている区域はあれど、ペイントも容認されている区画があり、一つのカルチャーとして育っている。

これまでは「単なる観光地」「クールなスプレーペイント」という程度の認識だったが「この絵に隠されているメッセージ」「アーティストを探す楽しみ」など、深堀りしていくと、とにかく奥深いカルチャーだ。

もしもこの記事を読んでいるあなたがメルボルンに訪れる機会があるとしたら、ぜひストリートアートの世界を楽しんでみてほしい。