ちょっと前に「客先のエンジニアが『HHKB Professional BT』の良さを力説していてついポチってしまった話」という記事を書いたように、HHKB Professional BT(以下 HHKB BT)を購入してからというもの、ブログや文章入力作業をする際には必ずといっていいほど HHKB BT を使い、基本的に仕事でも使っているので毎日持ち歩いている。

MacBook のキーストロークが浅いキーボードばかりを使っていた僕は、最初は慣れず「本当にこれ打ちやすく感じるのか?」という疑問を抱きながらカタカタと HHKB BT を叩いていたのだが、いつの間にか手放せない状態になってしまった。

途中で墨モデルから白モデルへ買い換えもしているが、HHKB BT の使用開始から約半年が経過したので、そろそろ「実際のところ HHKB BT ってどうなの?」というところをレビューしておきたい。

 

■良い点

  • 慣れたら打鍵感が最高
  • Bluetooth 接続だが遅延も感じず、ペアリングがラク
  • iPhone でも Mac でも Windows でも打鍵感は変わらないので生産性は変わらない

 

■残念な点

  • 一度慣れたらやめられなくなる
  • 毎日持ち歩くには重い
  • 日本語キーボード配列に無刻印モデルが存在しない
  • 疲労感が軽減されるわけではない

 

HHKB BT ってなに?仕様やスペックなど

HHKB(Happy Hacking Keyboard)は、Scansnap などでお馴染みの PFU が販売する、エンジニアやライターなどのキー入力のプロフェッショナル向けキーボード。深いキーストロークと静電容量無接点方式により、強く押し込まなくてもキー入力が可能

PFU の研究所と東京大学の名誉教授 和田英一氏の共同研究により生まれたキーボードだそうだ。

アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。 馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。 いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。|東京大学 名誉教授 和田英一 氏の談話より

 

僕が購入した HHKB Professional BT はその Bluetooth  版で、MacBook や Surface Pro などのラップトップ PC はもちろん、iPad や iPhone などのスマートフォンやタブレット端末でも使えるのが特徴。いつでもどこでも快適な打鍵を楽しむことができる。

直販価格は2万7,500円(税抜き)。USキーボード配列と JISキーボード配列モデルがあり、USキーボード配列には無刻印モデルも存在する。筐体カラーは「墨(マットブラック)」と「白(従来の業務用キーボードに近いホワイト)」の二色展開。

 


墨モデル、白モデルともにデザインが洗練されていてクール。白モデルは昔のブラウン管 PC に付属しているレガシーなキーボード的なデザインなので、刻印ありモデルを選ぶのであれば墨の方がかっこいいかも。

 

この底面のスイッチ(制御キー)で、キー配列を Mac用、Windows 用などにカスタマイズできる。具体的には Cntl キーや BS、Del などの配置変更が可能。仕様は公式ページを確認してほしい。

 

また底面には「チルト2段階」により、手首の角度を3段階に変えることができる。僕はあまり使っていないが、必要な人には必要だろう。

 

刻印ありの日本語キーボード配列モデルと、無刻印の英字キーボード配列の比較(真ん中のバーを動かして違いを確認できます)。細かい仕様は以下のバーを押すと表示される。

HHKB Professional BT(英語配列キーボード)の仕様
HHKB Professional BT(日本語配列キーボード)の仕様

 

この記事は、そんな HHKB BT を約半年間使ってみた感想をレビューとしてまとめたもの。なお購入にいたった理由については『「客先のエンジニアが『HHKB Professional BT』の良さを力説していてついポチってしまった話」』をどうぞ。

 

HHKB BT レビュー。毎日持ち歩くのには重い!でも快適な打鍵のために必須の身体になってしまったジレンマ


HHKB BT を購入するまで僕は「毎日持ち歩いたり旅行にまで持っていくのが嫌なので外部キーボードは買わない。」というルールを作っていて、これまでは MacBook のパンタグラフキーボードでカタカタ文章を打っていたのだが、取引先のエンジニアに感化されて気づいたら購入していた。

購入した直後はキーストロークが深く、キーの位置も必然的に高くなるため打ちづらくて大変だったが、いつの間にか完全に慣れ、いつの間にか HHKB BT がないとそわそわするまでに。日常の生活はもちろん、旅行の際にも HHKB BT がないとストレスがたまるという理由から、毎回持ち歩くようになっていた。ああ怖い。

ちょっとした旅行の際にも持ち歩くように。完全な中毒である。

 

これは完全に「みんなやってるし一回だけなら大丈夫」の心理。

「具体的に HHKB BT の何が良いの?」と聞かれて明確な回答をするのは難しい。どんな端末でも打鍵感が変わらないとかタイピングが心地よいなどが HHKB BT を愛用する理由として挙げられるが、仕事が終わったあと、無意識に「ビール飲みたい」と思うのに近い気がする。

もちろんこれは僕が感じた意見。感じ取り方は買った人によるため、中には HHKB が身体に合わずに売却したという人も少なくない。ただ僕はこの何とも言えないコトコトとした打鍵感が最高に好きになった。「あ、取りこぼしたかな?」と思っても、確実に拾ってくれている静電容量無接点方式は強い。

 

普段は PC のキーボードの上に乗せて使ってます


外付けキーボードを使う際に感じるのが「キーボードはいいとして別途マウスとかトラックパッド買わないといけなくなるのでは」と思っている人も多いかもしれない。ただ HHKB BT は底面の4隅にゴム足が備わっており、MacBook のキーボードの上に乗せて使うことが可能。ちょっとコツが必要だが、ギリギリキーを押さない位置において使用できる。

もちろん PC によるのだが、僕が試して問題なかった PC は以下。ラップトップのキーボード上に HHKB BT を配置すれば、トラックパッドもそのまま使えるので便利だ。

 

  • 11インチ MacBook Air
  • MacBook Pro 13インチ with Retina(2015年モデル)
  • MacBook Pro 2016(TouchBar モデル)
  • Surface Book(筐体が同じなので新旧対応)

 

 

疲労感は軽減する?むしろラップトップのキーボードに慣れていると疲労を感じやすくなるHHKB BT


HHKB BT を使いたいと感じる人が期待するのが「疲労感は減るのか」というところだろう。僕は約5ヶ月ほど使ってみたが、実際のところ疲労感は感じやすくなり、むしろ肩が凝りやすくなったと感じる

HHKB BT は打鍵は確かに快適だ。ただし、ラップトップのようにキーの角度がなく低い位置にキーボードがあるキーに慣れていると、HHKB BT のように手首に角度をつける必要のあるキーボードは、橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)の緊張状態が続き、疲れる。肩も同様に、ちょっと手首を持ち上げた状態が続くと疲れやすいと感じるようになる。

もちろん人によると思うのだが、普段 MacBook などノート PC のキーボードに慣れている人はこの違和感を感じるようになると思うので注意が必要だ。もちろんこの疲労感を上回るほどに快適な打鍵感なので使い続けるわけだが。

 

ちなみに僕は自宅ではパームレスト(アームレスト、リストレストとも言う)を使い、橈側手根屈筋や肩の筋肉への疲労を軽減している。長時間タイピングをするなら必須だと思う。僕は以下のリンクと同じエレコムの長めのキーボード用のアームレストを購入したが、長さが足りないのでハサミで切って使っている。理由はタイピングをするときは垂直ではなくハの字型に腕を置くため。最初からマウス用の短めのキーボードを購入した方が幸せになれる。

 

 

PC でも iPhone でも。どんな端末でも変わらない打鍵感で入力できる HHKB BT は最高に快適


HHKB BT に限らず、外付けキーボードの欠点は「持ち歩くのが重くてかさばること」だが、最大の利点は「いつどんな端末、環境でも慣れた打鍵感でいつも通り作業ができること」だ

これまで僕は MacBook で主に HHKB を使ってきたが、机が狭すぎて PC を開けないところ(大学の教室や取材会場に多い)や MacBook のバッテリーを節約したいシーンでは、iPhone や iPad と接続している。予測変換が「Capsキー」でできない点や、微妙に配列が異なることもあるのだが、いつも通りの HHKB BT の打鍵感でキーボードをカタカタできるので、別の端末でも快適に作業ができている。

僕はいまメイン PC として Windows OS 搭載の SurfaceBook を使っているのだが、ちょっとカスタマイズすれば MacBook で使用していたときと同じように使える(後日紹介予定)。もちろん別の Bluetooth キーボードでも同じことが言えるのだが、Bluetooth を搭載していない他の HHKB では難しい。この点は HHKB BT を選ぶメリットだと感じる。

 

遅延は感じる?Bluetooth の反応について

結論から言うと、僕は Bluetooth の遅延は気にならず、快適なタイピングができていると感じる。これまで5ヶ月ほど使ってきたが、遅延を感じることはほぼなかった(電池が切れかけのときに「なんか反応悪いな」と感じたくらい)。この辺はさすがプロフェッショナル向けのキーボードだと謳うだけある。

HHKB BT は Bluetooth 4.0 を搭載しており、Apple Wireless Keyboard や Magic Keyboard と比較してもタイピングの速度に遜色ないし、キーボードで飯を食っているエンジニアが好んで使うキーボードなので、問題があったらまずネット上に情報が氾濫するはずだ。

 

ペアリングは切り替えも簡単。自動接続で快適

僕が購入前に気になっていたのは「ペアリングは簡単にできるかどうか」だったのだが、基本的には全く問題ない。MacBook などに一回接続したら、HHKB BT の電源を押して3秒くらいで自動的に接続してくれる。これが毎回接続し直す必要があったら考えものだが、一回ペアリングをしてしまえば、PC の Bluetooth  がオフになっていない限りはしっかりペアリングしてくれる。

時々「今日は iPhone とペアリングして使いたい」という日があるのだが、そんなときは「Fn + Tab」を押せばペアリングモードになるので、最初の端末に接続したときのようにペアリングを進めるだけでいい。煩わしさを感じるのは iPhone や別の端末に接続したあとに PC に接続し直すときくらい。

 

HHKB BT は Bluetooth 接続のみ。有線接続は不可能。


HHKB BT には micro USB ポートが存在するのだが、こちらは有線接続のための端子ではなく給電専用なので注意。HHKB BT は充電式ではなく電池駆動だが、このポートからモバイルバッテリーなどを介して給電しながら使うことができる。

Bluetooth が使えない PC でも USB とかで接続して使えるかな?と気になる人もいるかもしれないが、HHKB BT と USB ケーブルで接続することはできないため、別途 BLuetooth レシーバーが必要となる。Bluetooth 2.0 のレシーバーにも対応するので「そういえば昔使ってたな」という人は、そのレシーバーでも対応している可能性が高い。

 

HHKB BT の電池持ち。毎日8~10時間使って約2ヶ月ほど持ちます。

あまり気にならないかもしれないのでさらっと書いておくと、HHKB BT を実際に使ってみた感じだと、毎日 8~10 時間ほど使って電池の持ちは約2ヶ月といったところ。その間ずっとタイピングをし続けているというわけではなく、調べ物をしたりといった時間も合わせているので、人によっては 1ヶ月でなくなる人もいるかもしれない。

HHKB BT のバッテリーライフの公称値は3ヶ月程度としているので、まあそこまでかけ離れているわけではなさそうだ。自宅では micro USB から給電、外では電池駆動というふうに使い分ければもっと長持ちすると思うが、電池自体がそこまで高価なものではないので、とくに気にする必要はなさそう。

 

まとめ:HHKB BT は “買い” か

買いもなにも、このページをここまで読んでいる時点で「買うとは決めていないけど気になる」のは明確なので、とりあえず買ってみた方がいいに決まっている。

ただ価格も3万円ほどと iPad が買えるほどの金額だし、HHKB BT はオンラインのみでの注文受付なので、実際に店頭で試すことは難しい。購入に悩むのは当たり前といえば当たり前だ。

とはいえ、HHKB BT は人気なので、ヤフオクなどで中古品でもいいから欲しいという人も多い。なので、仮に身体に HHKB BT が合わなくでも、新品価格の 70% 程度で買い手が見つかる。「もしダメでも気軽に売れる」と考えれば、少しはハードルが下がるのではないか(少なくとも僕はそうだった)。買わない理由を並べるより、まずは HHKB BT を買ってみるのが得策だろう。

 

 

「仕事のスピードを道具のせいにしないために、道具は良いモノを揃えるべきだ」

 

 

 

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