【使った】新モデル『HHKB HYBRID Type-S』は何が違うの?前モデルと比較レビュー


HHKB BT が3年半ぶりにアップデート。

客先のエンジニアが『HHKB Professional BT』の良さを力説していてついポチってしまった話」で購入して以来、だいたい3年くらい愛用している。最初は「キーストロークが深すぎて打ちづらい」と感じていたのだけれど、2週間もするとこのストロークの深さが病みつきになり、HHKB BT がないと長文が打てないほどにハマってしまった。

そんな最高な HHKB BT が、なんと3年半ぶりにアップデート。静音化や USB Type-C での有線接続、4台同時ペアリング、キーマップのカスタマイズなど、これまで HHKB BT でちょっと不便に感じていたポイントが一挙に使いやすくなった。

これまでのレビュー記事を読んでくれていた PFU から『HHKB HYBRID Type-S』のサンプルを提供いただいたので、「実際に使ってみてどうか」「前モデルと比較してどう変わったか? 」についてレビューしていこう。

 

■HHKB HYBRID Type-S のココが良い!

  • 軽いキータッチでキーを打つのがとにかく楽しい
  • 前モデルより打鍵音が静かになったのでカフェや職場で気兼ねなく使える
  • HHKB BT と同時ペアリングできるのでセパレート的に使える(非公式)

 

■HHKB HYBRID Type-S のココが残念!

  • 2台接続でセパレートして使った場合にキーの同時打ちができない
  • 日本語配列に無刻印キーがない

 

 

HHKB HYBRID Type-S について


こちらが今回レビューする『HHKB Professional HYBRID Type-S(以下 HHKB HYBRID Type-S)』。

同社が発表した新しい HHKB ラインナップのなかで最もハイエンドなモデルで、Bluetooth 接続で最大4台までの端末と同時ペアリングできるほか、USB Type-C による有線接続、そしてキーマップのカスタマイズ(Windows OS のみ)に対応。また前モデルの HHKB BT よりも打鍵音が静かになっている。

価格は3万2,000円(税別)。カラーは白と墨(ブラック)の2色。それぞれ英語配列と日本語配列がラインナップし、英語配列のみ無刻印モデルが存在する。

 

HHKB Professional HYBRID Type-S のスペックなど
モデル英語配列無刻印日本語配列
型名PD-KB800BSPD-KB800WSPD-KB800BNSPD-KB800WNSPD-KB820BSPD-KB820WS
JANコード493976131066949397613106524939761310683493976131067649397613107064939761310690
インターフェースBluetooth Ver4.2LE Class2、USB Type-C(ケーブルは付属しません)
無線操作距離最大10m
カスタマイズ機能DIPスイッチ、キーマップ変更機能※1
キー数US配列60キーJIS配列69キー
キー仕様静電容量無接点方式、キーストローク3.8mm、押下圧45g
サイズ294(W)×120(D)×40(H)mm キートップ上面まで
質量540g(電池含まず)550g(電池含まず)
電源単3形乾電池×2本、USBコネクターからの給電
動作時間アルカリ乾電池使用時の目安:約3カ月(当社環境でのテスト値であり、保証値ではありません)
サポートOSBluetooth接続Windows 8.1 / Windows 10、macOS 10.14以降※2
Android 4.4以降、iOS 11.4以降、iPadOS 13.0以降
Windows 8.1 / Windows 10、
macOS 10.15以降※2
Android 4.4以降、iOS 11.4以降※3
iPadOS 13.0以降※3
USB接続Windows 7 / Windows 8.1 / Windows 10、macOS 10.12以降

HHKB とは

HHKB(Happy Hacking Keyboard)は、Scansnap などでお馴染みの PFU が販売する、エンジニアやライターなどのキー入力のプロフェッショナル向けキーボード。深いキーストロークと静電容量無接点方式により、強く押し込まなくてもキー入力が可能。PFU の研究所と東京大学の名誉教授 和田英一氏の共同研究により生まれたキーボードだそうだ。

 

今回発表となったモデルについて紹介

今回の発表では、今レビューしている HHKB HYBRID Type-S のほかに、静粛性や高速打鍵に未対応の『HHKB HYBRID』と、有線接続のみの『HHKB Classic』の合計3機種が新たに発表となった。価格は HYBRID が2万7,500円(税別)、Classic が 2万3,000円(税別)。

 

HHKB HYBRID Type-S の細かい仕様を写真でチェック

公称550gとのことだが、電池を入れていない状態の実測値で555gだった。HHKB B T が 540g なのでやや重たくはなっているものの、この辺は誤差レベル。

 

底面は「チルト2段階」で手首の角度を3段階に変えることができる。僕は使ったり使わなかったり。すでに角度が付いているので、個人的にはなくても大丈夫。

 

前モデルと同じく、バッテリーではなく単3乾電池2本で駆動する。バッテリーではない理由は「バッテリーよりもキーボードのほうが長持ちするから」とのこと。たしかに数年は買い替える必要がないキーボードだし、電池もエネループを使えばいいので、この辺は合理的。

 

底面には前モデル同様、スイッチ(制御キー)が備わっている。ここでキー配列を Mac用、Windows 用などにカスタマイズできる。具体的には Cntl キーや BS、Del などの配置変更が可能。仕様は公式ページを確認してほしい。

 

前モデル『HHKB Professional BT』と比較して何が変わったのか? 新旧の違いを紹介

  • これまで1台しかできなかったペアリングが4台に増えた
  • USB Type-C ケーブルでの有線接続に対応
  • 静音化により打鍵音が大幅に小さくなった
  • キーマップのカスタマイズに対応した(Windows OSのみ)

「HHKB の新型が発表されたぞ!」と聞いて、やはり気になるのは「結局前モデルと何が変わったの?」 という点。箇条書きで簡単に紹介すると上記の4点が主な変更点だ。

 

これまで1台しかできなかったペアリングが4台に増えた

前モデルでは別端末ペアリングをする際、一旦ペアリングを解除して接続し直す必要があったが、今モデルからは4台まで同時接続が可能(HHKB HYBRID、HYBRID Type-S)。

「Fn」+「Control」+「1~4の数字キー」を押せば即時に有効となる端末 が変更できる。例えば自宅と職場で 1台の HHKB を使っていた人にとっては嬉しい改良点だと思う。

 

USB Type-C ケーブルでの有線接続に対応

HHKB BT では Bluetooth 接続でのみの使用だったが、今モデルからは Bluetooth 接続に加えて USB Type-C による有線接続に対応した(前モデルにも micro USB 端子が備わっていたものの、給電のみだった)。

「情報漏えい防止のため、会社用PC に Bluetooth 接続できない!」といった悩みを抱える人でも、新しい  HHKB シリーズならもう心配いらない。

 

新しいキー構造により打鍵音が静かになった(Type-S のみ)


個人的に嬉しい点として、Type-S の打鍵音が静かになったこと。前モデルではキーのカチャカチャという音が気になったが、今回は「スコスコ・コトコト」と、まるでマシュマロで文章を書いているかのような質感だ。

僕は従来モデルを外出先でも愛用していたが、お洒落なカフェや静かな環境でキーを叩いていると「カチャカチャ」とキーを叩く音が響き渡ってしまう。

HHKB HYBRID Type-S なら、もうスタバでTOEIC の勉強をしているお兄さんから舌打ちをされたり、会議中に社長から「おめえのキーボードうるせえんだよ! こいつじゃなくて別のやつに議事録取らせろ! 」と怒られる心配もない。

 

キーマップのカスタマイズに対応した(ソフト提供は Windows OSのみ)

こちらはまだ試していないのだけど、専用のソフトを用いることで、キー全般のキーマップをカスタマイズできる。これまでも制御キーを背面のスイッチで切り替えられたが、ソフトを用いれば、文字キーも入れ替えもできるとのこと。

――

基本的に新型HHKB は「HHKB BT でも十分満足だけど、敢えていうならここを改善してくれたら嬉しいな」を実現したキーボードだと感じる。キーボードを叩いて文字を入力するという基本的な使い心地についてはほとんど変更点がないので、どうしても欲しい機能が備わったと感じる人だけが買い換えれば良いと思う。

 

HHKB HYBRID Type-S を実際に使った感想


実際に数日間使ってみたので、簡単にレビューもしておきたい。一応写真をこんな感じに載せているが、外観はほとんど前モデルと同じ。

 

なおサイズは前モデルとほぼ同じなので、「HHKB Professional BT を保護。専用スリーブケース『HHKBスマートケース』レビュー」で紹介したスリーブにも収納できる。

 

打鍵感ってどれくらい違う?


上記したとおり、僕が今レビューしている HHKB HYBRID Type-S は、打鍵音がより静かになり、高速打鍵に対応したスペシャルなモデル。スペック表で比較すると、押下圧は45g のままだけれど、キーストロークが 4.0mm から 3.8mm へと若干浅くなっている。

そのため前モデルの HHKB BT とは打鍵感がけっこう異なり、キータッチが軽く、ストロークも浅い感覚がある。また若干だけまたキーがしっかり固定されているというか、安定感がある気がする(ただ個体差かもしれないが)。

ストロークが 0.2mm 浅くなったことで、ほんの僅かだけキーを叩くときのリズムが変わる。なので最初は「お、ちゃんとキーが拾えない」と打ち損じが発生するが、1日もあれば確実に慣れる。なお個人的には、打鍵音がとにかく小さい HHKB HYBRID Type-S の方が好き。

 

日本語キー配列にも無刻印キーが欲しい!

個人的に残念なのが、日本語配列に無刻印キーが存在しないこと。英語配列には無刻印があるのだけれど、矢印キーがなかったりと、日本語テキストがメインの僕にとってはちょっと使いづらい……。キーキャップだけで良いので販売してほしいと感じる。

ちなみに今は自分でキーを削って無刻印っぽくしてます。

キーボードはファッションだ!『HHKB BT』日本語配列モデルを無刻印に

 

HHKB BT と HHKB HYBRID Type-S を両方とも Bluetooth 接続してセパレート的に使える! ただし問題点も


個人的に良いなと感じたのは、前モデルの HHKB BT と HHKB HYBRID Type-S を両方とも Bluetooth ペアリングし、セパレートキーボード的に使えるという点。

これにより、Bluetooth による無線接続と、静電容量無接点スイッチの打鍵感でセパレート使いができる。たしか HHKB BT では 2台を接続してこの使い方ができなかったと思うので、セパレート派の人にとっては嬉しいかも。

ただ問題なのは「キーボードの同時押しができない」点。例えば左のキーボードで「Shift」や「Command」キーを押しながら、右側のキーボードで大文字を打ったりショートカットをすることは現状できない仕様。まあキーボード右側にも「Shift」や「Command」キーがあるので打てないことはないが、ちょっとだけ不便に感じる。

これは HHKB HYBRID Type-S を有線接続しても難しいので「セパレートで HHKB 使いたい! 」という人は注意が必要だ。

 

まとめ


こんな感じで『HHKB HYBRID Type-S』をレビューしてみた。HHKB BT の時点でかなり完成された製品だったので「いったいどこをアップデートするんだ? 」と思っていたのだけれど、基本的な打鍵の性能などではなく、システム周りのアップデートでかなり使いやすくなっていると感じる。

既存の HHKB BT ユーザーは買い替え必至なほどのアップデートではないけれど、これから HHKB を買おうと思っている人は、HHKB HYBRID シリーズを購入した方が良いだろう。

まだ使い始めて間もないので、また数ヶ月使ってみて改めてレビューできればと思う。

 

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