――ウェアラブルデバイスはこんなところにも。
社会人になってからというもの、仕事やブログで、一日中ラップトップ PC の画面と向き合ってカタカタと作業をする生活を繰り返している。大学時代までは毎日、器械体操をしていて身体中の筋肉を使っていたのだが、就職してからはまったく真逆の生活だ。
そうなると気になるのが、運動不足やラップトップPC を見続けることからくる肩こりや背中の張り。とくに僕は肩から首にかけての肩こりがひどく、週に一回はマッサージなどに通わなければ偏頭痛がひどくなり作業に集中ができないまでに悪化してしまった。
机に向かって集中するとつい前のめりな姿勢になってしまう体質を、さすがになんとかしたいなあと思っていたときに、韓国のヘルスケアスタートアップである NAMU より、姿勢矯正ウェアラブルデバイス『ALEX PLUS(アレックス・プラス)』を提供いただいたので紹介したい。僕のようにデスクワークや立ち仕事など、ひどい肩こりに悩まされる人にとっては気になる製品だろう。
■良い点
- 姿勢が悪くなると振動でお知らせしてくれるので常に姿勢を意識できる
- アプリでレポートとしてまとめてくれるので姿勢の改善できているかを追うことができる
- 軽くて目立たないウェアラブルデバイスなのでオフィスでも装着できる
■残念な点
- 1万6,000円前後とちょっと高い
- カラーバリエーションがブラック一色のみ
首の姿勢の測定・矯正ができるウェアラブルデバイス『ALEX PLUS』
こちらが『ALEX PLUS』。首に装着するタイプのウェアラブルデバイスで、1秒間に10回ほど首の姿勢を測定し、独自のアルゴリズムから姿勢の良し悪しを判断。姿勢が悪いと判断すれば振動アラームでユーザーに知らせてくれるというモノ。元々はクラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」や「Makuake(マクアケ)」にて出資を募っていた。今回紹介する『ALEX PLUS』は、今年9月に同社が発売した後継機だ。
これまでも類似のウェアラブルデバイスはいくつか登場していたが、首の姿勢を測るモノは存在せず、基本的に背中などに装着して身体全体の角度を測るというモノだった。ALEX PLUS は首の角度から姿勢を矯正するため、ストレートネック防止に一役買ってくれる。
NAMU のページでは、”世界中のデスクワーカーの80%以上が猫背、もしくはストレートネック(テキストネック)に苦しんでいる。「悪い姿勢」は、集中力の低下を招くだけでなく、慢性的な頭痛や椎間板ヘルニアなど様々なトラブルの引き金にもなると説明。それを少しでも解消(正しい姿勢に治せるように)できるようにと開発した” と開発理由を語っている。
姿勢矯正デバイス『ALEX PLUS』でできること
- リアルタイムで姿勢の測定
- 正しくない姿勢の場合には振動アラームでお知らせ
- 日別で「デスクに向かった時間」「姿勢が悪かった時間」「アラームが振動した回数(姿勢が悪くなった回数)」を管理できる
- 自分のクセに合わせたトレーニングや改善策の提案
などなど。端末自体はジャイロセンサーを搭載しており、装着すれば、首の角度が一定以上傾くと振動して知らせるといったシンプルなモノだが、iOS / Android アプリとの連携により、毎日の姿勢レポートや、コーチングプログラムが使えるようになっている。
ストレートネックの僕が実際に『ALEX PLUS』を使ってみた
ALEX PLUS の概要が分かったところで、ここ数年、肩こりに悩まされている僕が ALEX PLUS を一週間ほど使ってみたので、その使用感を紹介しておきたい。
ALEX PLUS のサイズ感は、Bluetooth イヤホンのような感じ。軽量なので装着していても、とくに違和感なく着け続けられるのは便利だ。ちなみに初代 ALEX から 8g ほど軽くなっているので、より首にかかる負担は減っているとのこと。
イヤーフック部分の素材はシリコンとなっているため全体的にプラスチック感のあるデバイスとなっていて、ガジェット的なデザインというよりかはヘルスケアのウェアラブルデバイスといった印象を持った。コスト削減や軽量化のためには仕方がないことかもしれないが、個人的にはもう少し素材感にこだわってほしいと思った。
丁度首の後ろ側にセンサーやバッテリーなどを搭載する部分がくるようになっている。充電は micro USB ケーブルで行い、2時間の充電で3日感使い続けられる。電源ボタンは首側に備わっており、ここでペアリングや電源のオンオフを調整する。
体格によってイヤーフック部分は調整できるようになっているため、子どもから大人まで問題なく装着できる。調整の範囲内でも長過ぎる場合は、ハサミでちょっと切ることで調整するようになっている。
重さは実測値で 22g。この辺は首からかけるタイプなので気にならないと思うが、何にせよ軽さは正義だ。
実際に装着してみたところ。スポーティーな Bluetooth イヤホンに見えなくもない外観だが、装着していても目立たないので、職場やカフェでも使いやすい。実際職場で使っていても誰にも触れられなかった。あとこの写真の僕の生え際がちょっと気持ち悪い。
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実際に装着し、首の角度をリアルタイムに計測しているところ。一般的に正しいとされる姿勢の場合は青枠となり、悪い姿勢の場合は赤くなる(中央のバーをスライドで画像が切り替わります)。作業中にバーの色が赤い部分に差し掛かったら、振動して教えてくれるという仕組み。
ALEX PLUS の利用にはアプリ必須なので、事前にストアからアプリをダウンロードしておこう。ダウンロードが完了したら、自分の身長やいつもの姿勢を入力して準備完了。あとは普段、作業をする際に装着すれば良い。
『ALEX PLUS』で僕の姿勢を計測してみた
仕事に行ってからのデスクワークと、仕事が終わってからのブログ執筆の時間を計測してみた。習慣化しておらずしっかりと一日中計測したのは金曜日だけだが、それでもそれっぽい計測ができていると感じた。
例えば僕は、金曜日に8時間ほどデスクワークをしていたが、そのうち悪い姿勢(前傾姿勢)となったのは全体の 15% ほど。振動の通知の回数は1365回にものぼったとのこと。さすがにそこまで通知されたかな?と思ったのだが、トイレや会議などで離席した際にデスクに置くと、自動で電源がオフになるまでは振動していたので、そういったところでけっこうカウントされていたのかもしれない。
スクショでは紹介しきっていないが、その他の日でも計測はしており、通知の回数はだいたい3~400回ほどだった。普段どれだけ自分が変な姿勢で業務をしているのかが分かった気がする。まだ使い始めて一週間程度なので姿勢が良くなったかどうかは不明だが、この調子で毎日続けていれば着実に良い姿勢で業務を遂行できそうだと感じた。
ALEX PLUS を装着した感想
僕はこれまでも「できるだけ良い姿勢でデスクワークしないと将来的に怖い」と思い意識はしていた(例えばこの記事『2万円で自宅にディスプレイ&モニターアーム導入!肩こりが改善し作業も捗る。』など)。
自宅ではモニターアームや良いオフィスチェアなどで解決できるが、会社員の場合はどうしても職場の環境に合わせる必要がある。ALEX PLUS はついつい悪くなりがちなオフィスでの姿勢も「今姿勢悪いよ!」と、周りには聞こえないくらいの小さい振動で教えてくれるので重宝している。ただトイレなどで離席する際には反応しないでほしいので、この辺は時期モデルで改善してもらいたい。
単純なデバイスだが、アプリがなかなか優れているので、ストレートネックや椎間板ヘルニアを防止するためにも、これからも使い続けたい。
こんな人にオススメ
- 成長期だけど机に向かう時間の長い中高生 / 受験生
- ノートPC での作業時間が長い営業マン
- カフェで作業することが多いブロガー
- スマホでメッセージをする機会が多い人