これはサブカメラにほしい。
以前より噂されていたカールツァイスのカメラ『ZEISS ZX1』が、ドイツのケルンで開催中のフォトキナ2018で発表となった。
35mm F2 のレンズを搭載するフルサイズのコンパクトデジタルカメラで、カメラ上で Adobe の Lightroom CC を開いて画像編集などが行えるとしている。SDカードスロットは存在せず、512GBのSSDストレージを内蔵するほか、USB Type-C 端子からデータの転送や充電が行えるそうだ。
フルサイズ搭載のコンデジは、ライカやソニーなどのカメラメーカー参入する分野なので珍しいことではないのだけれど、(おそらく)Android ベースの OS を搭載し Lightroom を操作し、撮影から編集、共有までを1台で行えるというのは魅力的。
2019年上半期ごろに発売予定で、価格は未定とのこと。まだコンセプトモデルの段階だそうだが、個人的に気になるカメラなので、基本情報や気になるポイントを紹介しておこう。
Lightroom内蔵、ツァイスのフルサイズコンデジ『ZX1』
こちらが今回発表となったフルサイズコンデジ『ZX1』の外観。シャッタースピードや ISO感度調節用のダイヤルを搭載する(絞りはレンズ側で物理的に調整可能)が、操作は基本的にタッチパネルのようだ。ボディはアルミ製ということで、どことなく Leica T シリーズを彷彿とさせるシンプルなデザインが非常の好み。
ZEISS ZX1 のディスプレイサイズは 4.3型。iPhone SE が 4.0型なのでそれよりは大きくなるとは思うが、Lightroom CC を操作するのであればちょっと小さい気もしている。
■ZEISS ZX1 のスペック
- センサー:35mmフルサイズ
- レンズ:Distagon T* 2/35(フルサイズ換算35mm F2.0)
- 有効画素数:3740万画素
公式から拾える情報はこのくらいだったが、CNETの記事を読んでみると4K動画の撮影が可能で、重さは800g程度となるようだ。かなり詳しいスペックを記事にしてくれているので、詳しくはこの記事をチェックしてみてほしい。
▷ツァイス、「Lightroom CC」内蔵のフルサイズデジカメ「XZ1」–直接ネットに共有可能
コンセプト動画はこちら。
個人的に気になっているポイント
- Zeiss の単焦点コンデジという点
- カメラ単体で Lightroom が起動できる点
- バッテリー持ちはどうなる?
- OS的にサクサクなのか
個人的に気になるのはこんなところ。フルサイズのコンデジで、しかも Lightroom CC で編集できるというのは嬉しい。
「カメラで撮って PC に送ってスマホでシェア」を1台でできる魅力
これまでは撮影したデータを SDカードリーダーでスマホや PC などに転送し、データの保存と画像編集を行ったうえで SNS にシェアをしていた。ZX1 は、512GBの内臓ストレージと Lightroom CC を搭載するということでこれらの動作を省略して「限りなく完成に近い1枚」を作り上げてからスマホに転送することができる。
実際に使ったわけではないので、どの程度ストレスが減るのかは不明だが、これはカメラに夢見た機能だと感じる。
しかもハードとしてもクオリティが高く、フルサイズセンサー搭載で 35mm F2.0 のレンズを積んでいる点もニッチで良い。期待。
UI デザインから Android ベースの OS を搭載する?
また噂によると Android OS を搭載するようで(公言されていないが映像から見る UI もそれっぽい)、Adobe Creative Cloud を介した編集やデータの共有ができると唄う点は嬉しい。
その場合、Lightroomでの編集は『パシャリ、サクッ。スマホのLightroomからお気に入りのプリセットで加工してインスタグラムにすぐ投稿』で紹介している感じで操作ができそう。その場合はおそらくユーザープリセットを使うこともできそうだ。
仮に Android OS を搭載していたとしても、アマゾンのタブレット端末のように独自UIとなるとは思うが、Fireタブレットのようにハックしてフルの OS として使うことができる可能性も0ではない。
カメラ的にはデメリットのほうが多い気もするが、仮にできた場合はSNS に写真をアップするのはもちろん、SNOW や Tiktok の高画質で撮影することができるはず。女子ウケ間違いなしだ。
Android OS を搭載していた場合、気になるのはバッテリー持ち
個人的に価格以外のところで気になるのは「バッテリー持ち」。画像編集を行ったりデータを Wi-Fi でやり取りをワンストップで行える点は便利そうな一方で「デジカメスマホ」にありがちなバッテリー消費激しいカメラとならないかは懸念。
スペックを見るとバッテリーは 3190mAh とのことで、仮に Android OS をそのまま搭載していた場合、スマートフォンでもやや心細い容量となる(ちなみにα7シリーズは1020mAh)。
同梱品を確認するとカメラとバッテリーが別々に記述されているのでバッテリー交換はできそうだが、機能を限定しないと丸一日持たせることは難しそう。
まあ USB Type-C で充電はできるので、実際に使ってみればそこまで気にはならないのかもしれないが、「アナタもきっと欲しくなる。Android搭載『LUMIX CM10』の開封レビューと作例を紹介」でレビューした Android 搭載デジカメ『LUMIX CM10『は 2600mAh でバッテリー持ちが不評だったことを考えると、ちょっと気になるなあという感じ。
気になる価格、サブカメラとしてちょっと欲しい
もちろん気になるのが価格。フルサイズのコンデジ市場は各社こぞって高級路線なので、それと同じくらいに標準を合わせてくると思う。
■いわゆるフルサイズコンデジの価格
- SONY Cyber-shot RX1M2:オープン価格(実売33万6,310円ほど)
- Leica Q Typ116:60万4,800円
海外製という点と、ツァイスのブランド、そして Lightoroom CC のライセンスとか新しいセンサーや構造を考えると、さすがに50万前後なんじゃないかな~と予想。
40万円とかだったらすぐ買っちゃうかもしれない。
まとめ
こんな感じツァイスのフルサイズコンデジを紹介してみた。よさそうなカメラである反面、バッテリー持ちや OS による操作性、価格などが気になるところだが、「これ欲しい」で買えるようなカメラではないことは間違いないはず。
スペックや現時点で出ている情報はまだプロトタイプベースのものではあるので、今後の情報に期待したいところだ。
ソース:https://www.zeiss.com/corporate/int/newsroom/press-releases.html?id=photoevent-2018