できる限り荷物を軽く、そしてコンパクトにまとめる。
ここ最近、モバイルバッテリーやケーブル類など、持ち歩くためのPCやスマホの充電アクセサリーの見直しをしている。この分野の製品は日進月歩で進化しており、2~3年も経てばより軽く、そして使いやすくなっているからだ。
今回紹介するのは、MacBook Pro の重たい充電器の代わりに持ち歩く、窒化ガリウム(GaN)技術を採用した充電用ACアダプタ『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』。小型ながら最大61Wでの出力ができるアダプターだ。かなり良かったのでレビューしよう。
■『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』のココが良い
- 最大61WでMacBook Pro の充電が可能
- パワフルなのに純正ACアダプタの半分のサイズ
- 白くてシンプルな筐体
■『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』のココが残念
- あまり馴染みがないメーカーなので故障や完成度が未知数
- 筐体に光沢感があり作りがちょっと甘い
- 4,600円とやや高い
『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』について。あと買った理由とか
こちらが『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』。わずか105gと超軽量ながら 61W の出力が可能な USB Type-C ポートを搭載するACアダプターだ。価格は4,600円ほど。
窒化ガリウム(GaN)という技術を採用しており、13インチ MacBook Pro に付属する ACアダプタと同程度の出力ができるのにも関わらず、サイズは半分程度で、重さも105gという点が良いと感じ購入した。
サイズ | 約49 x 49 x 30 mm |
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重さ | 約105g |
入力 | AC 100V-240V 50/60Hz 1.5A |
出力 | DC 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A, 20.3V/3A, 61W(最大) |
同梱物 | 取扱説明書(日本語付き)、18ヶ月間安心保証+12か月(製品登録後) 、カスタマーサポート |
よく耳にする『窒化ガリウム(GaN)』とは何か?
最近の充電器でよく耳にする『窒化ガリウム』は、ほとんどが「『窒化ガリウム(GaN)のパワー半導体』を用いた技術」のことを指す。これまでは青色LEDやステルス戦闘機のレーダーなどで利用されてきたが、最近になって充電器にも応用され始めて話題になっている。
「窒化ガリウムは何がすごいの? 」を簡単に説明しよう。これまで充電器を含め半導体の多くには「シリコン」が用いられていた(半導体メーカーが密集していた「シリコンバレー」の由来でもある)。しかし大きな電圧を流す際に発熱しやすく電力損失が大きいというデメリットがあった。一方の窒化ガリウム半導体は、シリコンに比べて電子の伝導率が高く(シリコンの1000倍とされる)、電力変換の効率が良い。放熱の仕組みや電力変換器がより小型化できるため、窒化ガリウムは「次世代の技術」として謳われている。
窒化ガリウムを謳う製品のメリットは上記のとおりでその分小型化できる点だが、設計が難しく現時点ではほかの充電器よりも高価というデメリットもある。
僕が『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』買った理由
僕は外出先でガッツリ作業がしたいときには、いつも15インチ MacBook Pro を持っていく。スペックのわりには軽量なPCではあるが、ケースや充電器なども持っていくとなると、それだけでかなりの荷物になってしまう。
とくに充電用のACアダプタ(87W)は約300gとかなり重たい。どうせ 15インチ MacBook Pro はフル充電で出掛けるし、外出先の電源で急速充電が必要なわけでもないので、より軽くてコンパクトな 61W の RAVPower の窒化ガリウム充電器でも必要十分だと考えた。
ちなみに自宅にいるときにはディスプレイから直接充電しているのだけれど、その出力はフル充電時で60Wほどなので、最大61Wのこの充電器でも十分だと判断した(ただし公式にはサポートしていないようなので注意)。
小さくてもパワフル。『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』レビュー
こちらが『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』の本体。iPad に付属する AC よりも一回り大きいくらいのサイズ感で、改めて驚いた。これは本当にすごい。
ただ充電器本体は光沢感があり、ロゴがかなり目立つ点はマイナス。また USB Type-C ポートが若干曲がっており、作りの甘さは感じるところだ。まあ実用性が高ければそこまで気にならないレベルではある。
窒化ガリウムすごい……! サイズ感について
手元にあった充電用ACとRAVPower の急速充電器を比較してみたところ。出力的には右から2番目にくるはずだが、29W出力の12インチ MacBook の充電用ACよりも若干小さいことが分かる。
これまで持ち歩いていたアップル純正の 87W出力に対応した MacBook Pro の ACアダプタと比較したところ。出力が違うので単純にサイズ比較するのも変な話ではあるが、サイズ感がかなり違うことが分かる。
重さも純正AC(87Wのやつ)が294gに対し、RAVPower の充電器はわずか105g。200g近い減量に成功した。これはスマートフォン1台分に相当する。
ただ厚みはそれなりにあるので、収納するケースによっては気になるかも。それでも気軽に持ち歩けるサイズ感ではあるので、この厚みは個人的に気にならない。
サイズは半分以下で、重さは 1/3 ほど。実際15インチ MacBook Pro で使うとどうなの? という点に関しては後述する。
USB Type-Aポートを搭載する『RAVPower USB-C急速充電器』と比較
実はRAVPowerの急速充電器を注文する前に、間違えて同メーカーの『RAVPower USB-C急速充電器』を注文してしまっていた。どちらも出力は同じで、違いは USB Type-A ポートの有無だけ。僕はこのポートは必要ないので買い直していた。
デザイン性は後者の方が高いと感じるが、サイズ差は歴然。重さも50g近く変わってくるので買い直している。
RAVPower 61W USB-C 急速充電器を 15インチ MacBook Pro で使った感想
僕がこの RAVPower 充電器を購入した理由は「15インチ MacBook Pro 用の充電ACを持ち歩くのが嫌だから」なので、実際に 15インチ MacBook Pro でも使用してみた。
公式にはサポート対象外だが、結論から言えば充電は可能だった(そのために買いたい人は自己判断でどうぞ)。
本体が70%程度で給電を開始したところ、出力が純正よりも低いため「充電できません」との文字。出力は60Wだ。ただ10分ほどするとその表示も消えて、順調に充電できているようす。使い方にもよると思うが、普通に作業する程度であれば2分に1%ほど充電されているもよう。
例えば15インチ MacBook Pro をフル充電の状態で、1時間のミーティングをこなし、その後カフェに入って1時間ほど充電しながら作業をしているうちに満充電になるというイメージだ。
この辺は長期間使ってみないことには判断が難しいところだが、今のところは問題なく使えているようす。できるだけ少ない時間で満充電をしたいという用途でなければ、61W でも問題ないと解釈している。
もちろん MacBook Pro だけじゃなく、その他 USB Type-C で充電できる端末に応用可能。これは従来の ACアダプタでも充電はできるけれど、Bluetooth スピーカーから 15インチ MacBook Pro までを充電できると考えると、かなり汎用性が高い。
実際に『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』を持ち歩いて使ってみる
実際に持ち歩くセットはこんな感じ。これまで15インチ MacBook Pro の充電器は、大きすぎて革製のガジェットポーチに収納できなかったのだけれど、RAVPower急速充電器ならこのポーチにもすんなり収まってくれる。これはかなり荷物の省スペース化に役立っている。
▷「あってよかった」が詰まってる。トバログのガジェットポーチの中身
また個人的に嬉しいと感じたのは、スターバックスコーヒーの充電可能な席に座って作業するとき。15インチ用のACだと大きすぎて今にも取れそうだったが、RAVPower急速充電器であればそれなりに安定感がある。
まとめ:これは本当に買い
こんな感じで『RAVPower 61W USB-C 急速充電器』を紹介してみた。今回窒化ガリウム技術を採用した充電器を買うのは初めてだったが、これだけ軽く、しかもコンパクトにできる技術はすごいと改めて感じる。
12インチ MacBook や MacBook Air 、13インチ MacBook Pro ユーザーはもちろん、(自己判断で)15インチ MacBook Pro ユーザーでも使える小型のACアダプタ。
4,600円とやや迷うくらいの価格ではあるが、気になる人は購入してみてほしい。