Leica M10 を手にして以来、12mm から 135mm まで幅広い焦点距離のレンズを数本使ってきたのだけれど、メインで持ち歩くのは 35mm の Summciron(ズミクロン)だった。理由は初めて手にしたライカレンズだということもあったが、スマホカメラのように気軽になんでも写真に収めることができるし、立体感がある写真になりやすいのはやはりこのレンズだと感じたから。
Leica M10 の距離計とぴたりと合う点や、ブライトフレームがレンジファインダーいっぱいに広がる点も気に入っている。
満足しているとはいえ……。そろそろ 50mm レンズも手に入れたい!
35mm の焦点距離でも使い勝手は悪くないのだけれど、レンズ沼とはよくいったもので、慣れてくると 50mm のレンズが欲しいと感じてくるから不思議だ。理由は「50mm 程度の焦点距離に慣れている」「35mmだとちょっと広すぎる」と感じることが多々あるから。
ただし 35mm から 50mm への買い替えというわけではない。50mm よりも広く写したいなんてこともあると思うので、35mm も引き続き併用していこうと思っているから、現在のレンズラインナップに足すことになる予定。
これまで使ってきたレンズと欲しいレンズについて簡単に書いていこうと思う。
今使っているレンズとこれまで使ったMマウントレンズ
12mm:ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II(借りてた)- 21mm:COLOR SKOPAR 21mm F4P
- 35mm:SUMMICRON-M 35mm f/2 ASPH.
40mm:NOKTON classic 40mm F1.4(35mmと被るので売却)75mm:Heliar classic 75mm f1.8(135mm買ったので売却)- 135mm:135mm f/2.8 Elmarit-M III
借りて数ヶ月使ったレンズもあるけれど、現在は 21mm / 35mm / 135mm というラインナップに落ち着いている。僕が実際に撮影した写真は以下のカテゴリから読めるので、ぜひどうぞ(ただし機材ブログではないので Lightroom で加工しているけど)。
どんなレンズが欲しいのか
最終的にはライカレンズ(それこそ Summicron のオールドとか、Summilux)は欲しいなあと思ってはいるものの、やっぱりフォクトレンダーやツァイスのレンズはかなり気になる。
過去の記事でもちょっとだけ紹介しているフォクトレンダーの『Voigtländer HELIAR classic 75mm F1.8』の絵作りはかなり好みだったし、そもそもソニーα7シリーズで使っていたレンズはずっと『SEL55F18Z 』だった。また、ちょっとだけ借りて使っていたマニュアルフォーカスの Loxia の雰囲気も好きだった。
またフォクトレンダーのレンズはこれまでもいくつか使ってきたけれど、まだツァイスはMマウントレンズを使ったことがない。そうした理由からもかなり気になっているという感じ。
【フォトヨドバシによる作例】
▷Voigtländer HELIAR classic 75mm F1.8|PHOTO YODOBASHI
▷SONY SEL55F18Z Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA|PHOTO YODOBASHI
▷Carl Zeiss Loxia 2/50|PHOTO YODOBASHI
検討している 50mm 標準レンズ
- Planar T* 50mm F2 ZM
- C Sonnar T* 1.5/50 ZM
- NOKTON 50mm F1.1 VM
- NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VM
現在検討中のレンズはこんな感じ。要点としては「シルバークロームの Leica M10 に合わせたいからできれば鏡筒がシルバー」「軽くてコンパクト」「スナップがメインなのでそこまで大口径レンズじゃなくても良い」という感じ。
これまでは開放で背景が消し飛ぶような写真が良いと思っていたのだが、Leica M10 でシャッターを切ると「背景もしっかり残しつつ、だけどピント面がはっきりと浮き出る」ような写真に仕上がることが多く、この雰囲気がくせになる。35mm の F2.0 でもそれなりにこの写りを楽しめているので、そこまで大きな口径ではなくても良いかなあという感じ(もちろんあって困るものではないけどこれを優先する必要ななさそう)。
下記では簡単に比較した際に思った感想を書いている。作例に関してはマップカメラとフォトヨドバシのサイトでチェックしてみてほしい。
Planar T* 50mm F2 ZM|(カールツァイス)
個人的に1番気になっているレンズ。価格も新品で6万円台と安価で、しかもつや消しのシルバー鏡筒がシルバークロームによく似合う。また重さも210g と軽量な点も、普段の持ち歩きに使いやすそうだ。
実際にマップカメラで試写した感じだと、ピント面がシャープでコントラストが高い感じで、好みの質感に仕上がってくれる印象。あとはピントリングが非常になめらかでピント合わせがすごくスムーズな点も嬉しい。
▷Planar T* 50mm F2 ZM|PHOTO YODOBASHI
▷Leica M3とCarl Zeiss Planar 50mm F2 ZMで能登の風景を撮る|ワタナベさんの記事
C Sonnar T* 1.5/50 ZM|Carl Zeiss(カールツァイス)
こちらもカールツァイスから。F1.5 と Planar よりも口径が大きいレンズで、1932年に製造された Sonnar 5cm F1.5 の後継機的な存在だそうだ。価格は8万5,000程度とこちらも手が出しやすく、しかも250gと軽い。シルバー鏡筒な点もいいなあと思う。
実際に試写したわけではないけれど、作例を見る感じだとクセを感じるレンズなので、フィルムカメラやモノクロームとの相性は良さそうだけれど、Mデジタルだとどう写るかがちょっと不安要素。それが味として楽しいのだと思うが、まずは Planar かなという感じ。
▷C Sonnar T* 1.5/50 ZM|PHOTO YODOBASHI
NOKTON 50mm F1.1 VM|Voigtlander (フォクトレンダー)
ノクチルックスに迫るのではないかと言わんばかりの開放 F1.1 大口径レンズ。最初に50mmレンズの検討をした際にはやはりこの NOKTON が気になったのだけれど、重さが 420g とちょっと肩にくる感じがありそうだし、そこまで開放で撮影するわけではないので、今回は見送り。
▷NOKTON 50mm F1.1 VM|PHOTO YODOBASHI
NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VM|Voigtlander (フォクトレンダー)
Planar と同じくらい迷ったレンズで、こちらもフォクトレンダー。実際にこちらも試写してみて、色の雰囲気は正直 Planar よりも好みの感じ。開放だとボケ味は大きいものの、ピント面のシャープさは Planar の方がきれいだとも感じる。寒色寄りに仕上がりやすいレンズとのことで、M10 との相性は良さそうだけれど、これはかなり好みの問題だ。
シルバーの鏡筒はラインナップにあるものの、砂時計のような形状があまり好みではないのと、シルバーは真鍮製で293g とやや重めな点が気になった。
▷NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VM|PHOTO YODOBASHI
▷NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VM|マップカメラ
まとめ
久しぶりに「どのレンズを買うか悩む」的な記事を書いてみた。50mm となると各社ラインナップが豊富で、かなりの迷いどころ。ただ実際の用途と色と質感の好み、価格にデザインと要素を分解していくと、個人的には Planar が良いかなあという感じ。
ただレンズには正解はなく、同じ焦点距離でもレンズによっても性質がまったく異なってくるので、一通り試さなくてはアガリを見つけることはできない。焦らずじっくりと探していきたい。
↓Leica M10 と一緒に世界各国を巡ったり、レンズを買った話はこちらから読めます。