つい1ヶ月ほど前、『ライカかライカ以外か――。憧れの Leica M10、買いました。』という記事を書いた。実際に購入したのは8月の終わり頃だったのだけれど、なんとなく Leica M10 をレビューするのはちょっと気が引けていた。

それからまだ1ヶ月足らずだが、毎日首からさげて出かけて、旅行にも持って行って、気づいたら1万回以上シャッターを切っている。写真を撮るのがこんなに楽しいカメラに出会うのが初めてだった し、わくわく感はもちろん「レンジファインダー機である Leica M10 をはやく道具として使いこなしたい」という思いがあったのも手伝った。

なんとなくではあるが、そろそろレビューできるくらいには使いこなせるようになってきた気がするので、「Leica M10 を買った理由」とか「レンズ構成のはなし」とかにも触れながらレビューしてみようと思う。

 

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ライカのレンジファインダーカメラ『Leica M10』について


Leica M10 は、ドイツの光学機器メーカーであるライカ社が2017年2月に発売したデジタルレンジファインダーカメラ。 35mmフルサイズ相当のCMOSセンサーを搭載するデジタルカメラで、有効画素数2,400万画素を搭載する。感度は ISO100~50000 と、クラシックな見た目ながらカメラとしての性能は高い。

カラーはブラッククロームと、僕が愛用しているシルバークロームの2色展開。限定版の Zagato モデルやライツパークエディションなどを含めると数種類存在するが、基本的にはこの2色のみ。価格は定価で税込みで95万400円(レンズ別)。おいそれと手が出る金額ではない高価なカメラだ。

シャッター速度や ISO感度などはオートモードが存在するが、基本的にはマニュアル操作が前提となるカメラ。肝心のフォーカスや絞りなど撮影にダイレクトに影響する操作系はマニュアルのみ。レンジファインダーという構造上、ファインダーを覗き込んでも撮れる絵がそのまま見られるわけではないので、普段カメラを触らない人にとってはかなり難しい。「良い写真を撮るための性能は最新型だが使い勝手はレガシー」という、デジタル世代の僕から見ると時代の流れに逆らったかのような、奇妙なカメラである。

 

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とはいえ数十年間変わらない外観、そして使用感は、これまでフィルム時代から使い続けていた人にとっては馴染みのある仕様であるはず。

多くのカメラメーカーが当時とまったく異なる操作系に進化しているなか、M型の真鍮製のボディや操作系は、フィルムカメラを含めてもほとんど変わらないというのは、長く使い続ければ手に馴染むカメラはずなので、 “相棒” という表現が合うカメラだと思う(僕にとってレンジファインダーは Leica M10 が初めてだけれど)。

 

トバログが Leica M10 を購入した理由


なんでそんなに気難しいカメラを手にしようと思ったのか。まあ理由なんてあってないようなものだけれど、一言でいうと「一目惚れした」から。

もともと『ライカ』は知っていたのだけれど、軽自動車が変えるような価格帯のカメラだし、中国人観光客がよく身に着けていたことから「ブランドのカメラ」という印象が強かった。そんな存在だったのは確かで、転機は『気づいたら憧れのライカを手にしていた。』でも書いたようにコンデジのライカを購入してからだった。

この色味にハマり、新宿のマップカメラで Leica M10 の実機を覗き込んだら最後。この1年くらいはずっと Leica M10 に片思いをしていたように思う。それからライカ関連の書籍を読み漁ったり、何回もシャッターを切って試写した結果、コンデジライカや APS-C ミラーレス一眼の Leica T(一旦下取りに出しているけど最高のカメラなので買いなおす予定)を経て、「平成最後の夏だし買おう」みたいな風潮に押されて Leica M10 の購入に至った。

こういうのは遅かれ早かれ買うわけだし、悩んでいる時間で記事を書いたり写真を撮りに出かけたほうが良いに決まっている。ということで、新品をマップカメラの48回払いで購入した。

 

Leica M10-P じゃなくて Leica M10 を選んだ理由


「そろそろ Leica M10-P が発売されるよ! 」といううわさもあったので、実は Leica M10-P が発表となってから、実際に Leica M10-P を触ってから M10 を購入している。

この2種を比較してみると、違いといえば「シャッター音が小さくなった」「タッチパネルが搭載となった」「デザインが控えめになった」という点があると思うが、撮れる写真は変わらない。

ライカが動いた。最新機種『Leica M10-P』は何が変わったのか

 

個人的にはロゴが前面にあったほうがクールだと思うし、Leica M10 の甲高いシャッター音も好きなので、僕は Leica M10 を購入した。価格的なところで考えても、Leica M10-P が税込みでだいたい105万円なのに対し、Leica M10 は95万円。マップカメラで下取りに出すと更に値引きが5万円分あったので、15万円の差があることになる。

“最新モデル” という響きはクールだが、機能的にもデザイン的にも Leica M10 の方が好みだと感じたので、僕は Leica M10 を選んだ。まあこの辺は良し悪しではなく好みの問題だと思うので、どうせ100万円を出すのなら気になる方に手を出したい。

 

ライカのレンジファインダーカメラ『Leica M10』筐体レビュー


かなり前置きが長くなってしまったが、そろそろ Leica M10 のレビューをしたい。まずは筐体から。Leica M10 は筐体に真鍮を用いており、手に収まりの良いサイズ感ながら、ボディだけでも 660gと、ずしりとした重量感がある。他社のカメラが樹脂製だったりアルミ製で軽量化を図っていることを考えると、真鍮を筐体に用いるというのはかなり特殊だろう。

長く使い込んでいくと黄金のように真鍮の地金が浮かび上がってくるのも、こなれた道具感が出てきて格好良いな、と感じる。エイジングが楽しめるカメラだ。

 


デジタルライカ、横から見るか下から見るか。ミニマルデザインが好きな僕にとっては、黒い貼り革のある正面よりも、上から俯瞰した眺めが好きだ。実際自機を眺めるときは上からだし。レンズをシルバーで合わせれば Leica T に匹敵するほどのミニマルさがある。

Leica M10 は、従来のデジタルライカよりも薄くなり、フィルムライカ並みになっているそうだ。Leica M(Typ240)が 42mm だったのに対して、Leica M10 は 38.5mm。この改善がフィルムからのファンにとってはたまらないとのこと。比べてみると、確かにグリップ感は違う。

 

基本的には物理ダイヤルで操作するクラシックなスタイルなので、ISO感度やシャッタースピード、絞り値、距離(ピント合わせ)などのダイヤルが備わっている。

物理ボタンはゲームコントローラーのように手に馴染んでくるので、フルマニュアルでも慣れてくると素早く操作が可能だ。

 


ISO感度はこのようにカチっとノブを引き上げて調整する。これはフィルム時代の巻き戻しノブの名残りのようなデザインで、ネックストラップなどが当たっても勝手に ISO感度が変わらないように配慮されているそうだ。

 

ライカのロゴ。好き嫌いはあると思うけれど、僕はこの佇まいが好きだなあ。初めてみたときに「コカ・コーラかな? 」と思ったこともあるけれど。

 


ちなみにホットシューカバーは、純正だと黒いプラスチック製(画像上)。よりシルバークロームの統一感をもたせるために、Leica T 用のホットシューカバーを別途購入して装着している。

シルバークロームの憂鬱。Leica M10 のホットシューカバーを Leica T 用の金属製に交換、見た目をミニマルに

 

フィルムライカはここをぱかりと開けてフィルムを装填していたが、デジタルライカだとバッテリーや SDカードスロットがある。こういった細かいところもクール。

Leica M10 は防滴防塵仕様となっているため、水の侵入を防ぐためにシーリングが施されている。まあレンズ側もそうでなければ雨天時には使いづらい気もするが、高価な本体なだけに水濡れなどで故障する確率が減るのは嬉しいかも。

 

バッテリーの持ちについて

バッテリーはけっこう減りが速く、液晶ディスプレイ部分をオフにして使っても 3~500枚程度しか撮影できない(前モデルは1000枚と謳う)。感覚的には午前中からフォトウォークを始めると午後には半分くらいになっている感じなので、旅などに持っていくのならスペアのバッテリーは必須だ。

 

Leica M10の予備のバッテリーは必須。互換バッテリーはないので純正購入レビュー

 

レンジファインダーについて

望遠鏡みたいな構造

記事の冒頭から「レンジファインダー」というワードを連発しているが、簡単にちょっとご紹介。レンジファインダーカメラとは、光学視差式の距離計が組み込まれたファインダーを搭載するカメラのこと。

一般的な一眼レフカメラは、レンズの中を通った光をファインダーで覗いて撮影するが、レンジファインダーカメラは、ガラス板のファインダー越しに見える二重像を合致させてピントを合わせる点が特徴。

一眼レフと比較したすると、筐体やレンズを小型にできるほか、カメラの設定関係なく、目で見ている景色をそのまま被写体として捉えることができる点がメリット。

一方でレンズを通した景色がファインダーで見えるわけではないので、パッと見で撮れる絵が分からなかったり、中望遠以降のレンズだと画角が狭すぎてイメージが掴めないというデメリットもある。近年ではミラーレスカメラも登場し、サイズ的な側面でのレンジファインダーのメリットも薄くなっており、一部を除き、多くのカメラメーカーは一眼レフ構造、もしくはミラーレス(構造的には Leica M10 もそうなんだけれど)に移り変わっている印象だ。

でも、レンジファインダーでイメージどおりに撮影できると最高に嬉しい。

 

Leica M10 のレンジファインダー。中央の小さい枠内の二重像でピントを合わせる。四隅の枠は画角。どんなレンズ、どんな環境でもこの見ている絵に変化はない。

ミラーレス一眼のファインダー(EVF)。超小型の液晶ディスプレイで、レンズを通った光を見ているので撮れる絵がダイレクトに分かる

 


とはいえ Leica M10 はフィルムカメラとは異なり液晶ディスプレイ(電子ビューファインダー)を搭載するハイブリッド型。撮った画像が確認できるだけでなく、通常の一眼レフカメラのようにレンズを通した絵が見れるので、超広角レンズや 135mm などの望遠レンズでも割と問題なく撮影できる。

 

Leica M10と合わせるレンズは 35mm と 50mm で迷う。僕は『Summicron f2/35mm ASPH. 』を選びました


「どうせ Leica M10 を買うのならば、レンズもライカが良い!」ということで、初めてライカを購入する人は本体の価格だけでなく、レンズの構成、価格に悩まされることとなる。

「F1.4 で明るい SUMMICLUX(ズミルックス)か、F2 で手頃でコンパクトな SUMMICRON(ズミクロン)か」。またどちらのレンズを買うにしても「画角は 35mm か、50mmか」というふうに、最初の1本はものすごく迷う。そしてそれぞれに世代があり、値段もまちまちだ。

 

結論から言うと僕は『SUMMICRON-M 35mm f/2 ASPH.  (最新モデルの1つ前)』を選んだ。まず明るさでいうと、ズミルックスと比べると安価であることが大きい。シルバー鏡筒でレンズの場合、世代によっても変わるが僕が購入したレンズは新品で40~45万円ほどで、中古ならば30万円前後。ASPH. のズミルックスの場合、新品は70万円近く、中古でも50~60万円くらいと、Leica M10 と同時に買うにはハードルが高い。

50年以上前に発売となった初代や2世代目は安価で購入できるが、僕は 6bit が付いている比較的新しいモデルを購入。フォーカスはマニュアルだが Exif 情報などが取得できるのは便利だ。最新のズミクロンは軽いのだけれど真鍮ではなくアルミ製ということで、1つ前のモデルを選んでいる。

そして画角。僕はこれまで 50mm の標準レンズ級の画角を使っていたのだけれど、「レンジファインダーを広々と使いたい」「ライカといえば 35mm みたいな風潮」「これ1本で幅広いシーンで使いたい」ということで 35mm を購入した。これについてはだいぶ迷って、レンジファインダーカメラを所有する友人に聞き歩いた結果的に 35mm にしたという感じ。満足はしているが、背景をぼかすスナップを撮りたいなら 50mm でも良かったかなあとも思っている。

この辺については別途「35mm と 50mm で迷ったはなし」として記事にまとめてみたい。

 

Leica M10 で撮った写真の作例


カメラの記事で一番気になるのが、やっぱり「作例」だと思う。最近は検索すると SEO 狙いの表面的な情報だけを意識した記事ばかりが上位に上がっていることが多いが、僕は Leica M10 持ってる! ということでいくつか作例を。

なお作例は基本的に Leica M10 で撮影した RAW データを jpeg に変換してアップしている。ものによっては露出を調整しているが、基本的には撮って出し。

 

Leica M10 と『SUMMICRON-M 35mm f/2 ASPH.』 で撮った作例

基本的に Leica M10 に合わせるレンズは、やっぱり『SUMMICRON-M 35mm f/2 ASPH.』が多い。35mm という画角に慣れたいというのもあるし、何よりコンパクトなのでどこにでも持ち歩きやすいという点も大きい。iPhone で写真撮るくらいの感覚で持ち歩いているセット。

そして個人的に好きなのが木々のグリーン系統の発色。ソニーの α7 で撮ると青寄りの色になるのだけれど、Leica M10 で撮ると黄色よりの色になりやすい。これ好きだなあ。あと晴天で撮った写真は、どことなくノスタルジックな雰囲気になるのも好き。

ただ気になるのは、Leica M10 の jpeg は室内だとちょっと黄色い感じになりがち。RAW で見るとそんなことはないのだけれど、室内で撮る場合はホワイトバランスをちょっといじったほうが良いかも。

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Leica M10 と『Voigtländer(フォクトレンダー) ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II』で撮った作例

広角レンズも使ってみたい! と思い、『monograph』にレンズを借りて Leica M10 で使ってみた。かなり広角で撮影できるが、周辺減光は激しく、ややマゼンタかぶり(周辺が紫色になる減少)になるが、ダイナミックで迫力のある絵になる。

Leica M10 は従来のモデルと比較して、広角レンズ使用時のマゼンタかぶりが軽減されているという。この辺は実際に撮り比べてみなければ分からない点ではあるが、思っていたほどマゼンタは出ていないようす。

オールドレンズも楽しめるなあ。

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Leica M10 と『Voigtländer(フォクトレンダー)heliar classic 75mm f1.8』 で撮った作例

こちらは中望遠レンズ『Voigtländer(フォクトレンダー) heliar classic 75mm f1.8』で撮影した作例。本当は 90mm のズミクロンが気になっていたのだけれど、ヘリアーはなんと新品でも5万6,000円ほど。「35mm よりもっと寄りたい」というシーンはけっこう多く(とくにスナップ)、購入してみた。

絞り開放はややピント面が滲む感はあるが、ポートレート撮影だと逆に肌が綺麗に見えるという思わぬ利点も。ブログで使う分にはほとんど困らないし、F2.8 程度まで絞ればカリッとするのでそれなりに写る。良いレンズ。

 

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――

今回撮影した写真以外にも、「カメラとさんぽ」という連載で Leica M10 で撮影した作例を随時アップしている。「もっと作例見たい」という人はぜひチェックしてみてほしい。

 

平日の朝、思い立って根府川~熱海へ。Leica M10 とズミクロンさんぽ

東京から銀座、築地の日常を空気感ごと切り取る|Leica M10 と東京さんぽ

週末、東京を一望できるスカイデッキで非日常を。|Leica M10 と六本木さんぽ

 

 

まとめ

こんな感じでライカのレンジファインダーカメラ『Leica M10』の紹介をしてみた。まだ使い始めて1ヶ月半ほどだが、毎日持ち歩いてはレンジファインダー越しのわたしの世界を楽しんでいる。

最近僕の周りでも「Leica がほしい」という人が増えてきている印象。「実際どうなの? なにがいいの?」と聞かれることも多いので、今回「買った理由」とか「レンズを迷ったはなし」などをまとめて紹介してみた。

他の Leica M10 に関する記事は『僕とLeica M10』というので随時更新しているのでぜひチェックしてみてほしい。

 

 

 

Leica M10 はどこで買うのがおすすめか


最後に。

具体的に Leica M10 の購入を検討し始めたら気になるのが「どこで買うのがおすすめか」という点なはず。すぐに現金やクレジットカードで一括で買うのであれば、個人的にはライカストアの店頭で購入したい気持ちもあるが、分割で購入した僕はマップカメラで購入した。

色々と調べたのだけれど、マップカメラで購入するメリットとして「48回払いまで金利手数料が無料」「下取りでさらに5万円引き(僕の購入当時)」「メーカー保証だけでなくマップカメラ独自の保証もしっかりしている」の3点がある。

Leica M10 は高級なカメラだし、意外と故障しやすいといったレビューも見かけるので、どうせ買うなら新品で保証がしっかりしているところで買いたい。さらに手元にあるカメラを売却し、下取りで安く購入するのならマップカメラがおすすめだ。

 

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