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平日の朝、思い立って根府川~熱海へ。Leica M10 とズミクロンさんぽ

平日の朝、思い立って根府川~熱海へ。Leica M10 とズミクロンさんぽ


――平日の朝、時間を贅沢に使ってみようと熱海へ。

もう三年ほど前のことだろうか。鈍行で静岡まで行ったとき、熱海の前後で海が綺麗に見える駅があったのを覚えていた。

そこは普段は降りるような開けた駅ではないのだけれど、ただただ駅から見える海が一望できて、その美しい景色に圧倒されたことがある。「いつか降りてみよう」と思っていたが、都内からは片道2時間近くかかるような場所なので、そう簡単には行動に移すことができなかった。

「根府川(ねぶかわ)駅」は、東海道本線では珍しい無人駅。しかし毎年元日になると、駅から見える初日の出を一目見ようと、多くの人が訪れることで有名だそうだ。

 

新宿から海の見える根府川駅へ

 

目の前には綺麗な海が広がるのだけれど、この日はちょっとくもり空。全体的に白い海は、きっと快晴だったらもっと青く見えたのだろうなと思いながら、駅構内をうろうろしてみる。

 

新宿駅からここまで約1時間半。あんなに忙しなく多くの人が行き交う駅とはうって変わって、ここには静かで落ち着いている。人の出入りもほとんどなく、根府川駅のノスタルジックな雰囲気は、この数時間でタイムスリップでもしてしまったかのような。

 

少し足を伸ばして熱海へ

根府川から小田原まで戻ってお昼を食べようと思ったのだが、思いのほか熱海まで近いということに気づき、そのまま熱海に足を伸ばすことに。

熱海は温泉地として栄え、昔は新婚旅行で訪れたり、大規模な社員旅行などでよく訪れたようだが、バブル崩壊の煽りを受けて現在はやや寂れた雰囲気を感じる。

ただ観光には力を入れているようで、最近はよく SNS でも見かけることが多くなり、大学生のグループも多く見かける。鈍行でも2時間ほどで来られる温泉地で、熱海城など見どころも多い土地だ。

 

熱海といったらこの商店街。土産物屋やカフェなどを中心に、買い物スポットはほとんどここに揃う。屋根に覆われたアーケード街なので、昼間でもちょっと薄暗い。

平日の昼間にも関わらず、外国人や大学生を中心にたくさんの人がこの商店街を行き交う。

 

どこか哀愁漂うこの街は、ファインダーを覗いてみるとノスタルジックで心が落ち着く。遠い記憶で、三世代で旅行に行ったときと同じような感覚で、まるで自分が子どもの頃に戻ったような……。

 

寂れた雰囲気の街を抜けると、川が流れている。海からの波が逆流して押し寄せている。この辺はきっと汽水なのだろう。

 

海が好きだ

この日は9月の前半。まだまだ真夏日が続く暑い日だったので、海水浴を楽しむ人も少なくない。

もう少し晴れていたら最高なのだろうけど、どうしても天候には勝てないなあ。晴れていたら彩度を上げて夏らしさを演出するのだけれど、曇天なのだから仕方がない、露出を上げてハイキー気味に撮ってみる。

 

ちょっとビーチを離れると、クルーザーが停泊してあるマリーナを横目に散歩道が伸びている。散歩をする老夫婦、家族と電話している外国人観光客、そしてただ海を眺め続ける女性。

人それぞれにドラマがあるのだなあとしみじみ。

 

「ちょっとブログ書きたいよね」で通じるのが、ブロガー同士で写真を撮りに行く醍醐味だ。事前にチェックしておいたお洒落な古民家カフェに立ち寄ってみる。

ちなみに今回の旅のお供は『TOKIORI』というブログを書く佐田 真人氏。

 

こうしたカフェに入ると、つい抽象的な絵が撮りたくなる。写真としてそこまで意味はないのだけれど。おかげで注文したアイスコーヒーの写真は撮り逃してしまった。

 

 

今日のカメラ:Leica M10(Summicron 35mm ASPH.)

今回のさんぽでは、Leica M10 に、ライカの 35mm レンズ「SUMMICRON-M f2/35mm ASPH.」を合わせている。

ライカ特有の艶やかな味を感じる写りはそのままに、 豊かな階調でハイキー、ロウキーどちらでも潰れずに粘りのある絵に仕上がる点が心強い。

デジタルカメラが向かう方向性とはやや異なり、フィルムカメラのように一枚一枚、息を飲み込みながらシャッターを切るカメラなので、”写真を撮る” ことが好きな人にとってはたまらない。

今回の写真では「Agfa Vista 100」と「FUJI FP-100c」のフィルムシミュレーターで編集をしているため、実際の色味とはやや異なる。撮って出しは以下の記事をどうぞ。

 

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