とある仕事の帰り道。この日は昼過ぎには表参道で仕事が終わったので、ちょっと散歩がてら明治神宮に足を運んでみた。
まだ寒暖差のある不安定な梅雨の終わり。曇天の今日は、半袖シャツだとちょっとだけ肌寒い。ひんやりと涼しい木陰の参道を、カメラを持って歩いている。
【今日のカメラとレンズ】
- Leica M10
- レンズ:カールツァイス Planar T* 50mm F2 ZM
カメラを持って明治神宮へ
観光地としても有名な明治神宮は、平日だというのに人が多い。参拝者のほとんどは外国人で、日本人はちらほらと学生がいる程度のようだった。英語に中国語、スペイン語とさまざまな言語が交わる。
そういえば僕が大学生だった頃、海外の大学から2週間ほど日本に留学生が訪れる研修のようなプログラムがあった。僕はボランティアで、よく彼らを明治神宮に連れてきたものだ。東京は人気だけれど、どこまで行ってもやっぱり大都市で、それは台北でもメルボルンでも味わえる。彼らの想像する “日本的” を気軽に味わえるのが、ここ明治神宮だった。
広い参道を歩いていると見落としがちだけれど、ところどころに初夏を感じる。幼虫が齧った葉が、幼虫自身の細い糸でぶら下げられていたり、切り株から木の芽が出ている。
巨大な樹木が連なっているため、大昔からあるように感じる明治神宮。しかし意外にも歴史は浅く、大正以前は荒れ地だった。大正以降に植林が進み、約100年をかけて現在のような姿になっている。無機質な高層ビルが連なる東京で、明治神宮と代々木公園は巨大な都会のオアシスだ。
拝殿前の広場は、静かな森の中とは打って変わって記念撮影をする観光客で賑わう。昼過ぎで眠たいのか、長椅子に座ってぼーっと休んでいる人も少なくない。
そうそう、こういうところに来て毎回思うのだが、外国人(とくにヨーロピアン)が持っているカメラは、ニコンやキヤノンのズームが効くコンパクトデジタルカメラであることが多いように思う。逆に Leica やフィルムカメラなど「撮影する所作」を楽しむようなカメラを首からさげているのは、僕を含めほとんどがアジア人だ。
近代的なビルが続々と並び続ける街に住むアジア人と、数百年間情景の変わらない街に住むヨーロピアン。モノに対する考え方は、住んでいる環境に影響していると思う。
30分ほど歩いて疲れたので、境内のカフェで一休み。平日だからか疎らで、鳥のさえずりだけが聴こえてくる静かな環境だ。
そういえば、会社員からフリーランスとして独立して1年が経った。会社員時代は「独立して時間に自由ができたら、あちこちをぶらぶらしながら仕事したい」と思ったものだが、実際は自宅での作業がほとんど。
最近は家に引きこもってばかりで、カメラを持って出掛けてはいなかった。久しぶりにカメラを首からぶら下げて、ファインダー越しに世界を覗くのも、良い気晴らしになる。
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今日のカメラとレンズ
- カメラ:Leica M10
- レンズ:カールツァイス Planar T* 50mm F2 ZM
Planar 50mm が使いやすく、最近はずっとこの組み合わせで持ち歩いている。レンズが軽く、ピントリングも軽やかで使っていて気持ちの良い組み合わせだ。
▷レンジファインダー越しのわたしの世界。『Leica M10』のレビュー
▷初夏を感じる標準レンズ。『Planar T* 50mm F2 ZM』を購入したので作例など