もっとカジュアルに VLOG が撮りたくて。
これまで VLOG(なんでブログはカタカナなのに VLOG はアルファベットなんだい? ) を撮る際はソニーの ZV-1 を片手に撮影していた。動画用カメラとしてはコンパクトなので気軽に撮影するには便利なのだけど、やっぱりもう少し広角が欲しいのと(ZV-1は24mm〜)、あとは手振れ補正がイマイチだったという点、そしていつでもポケットに入れておきたいという点から。
ちょっと前に DJI Pocket 2 が発売となり、実際に店頭で触れてみるとかなり良さそう。レビューを見ていてもけっこうきれいに撮れそうだし、トバログくらいのゆるい VLOG ならこれでいいやと購入。実際に使ってみた感想を紹介していこう。
↓iPhone や ZV-1 との比較や色味補正、LUT、音質などのレビューは動画で詳しく行っている。
DJI Pocket 2 について
こちらが今回僕が購入した DJI Pocket 2 だ。わずか117gながら物理的な3軸ジンバルを搭載する小型の動画用カメラで、気軽にポケットから取り出して VLOG の撮影を開始できる点が魅力的。
iPhone 12 Pro Max と同じ 1/1.7型センサーを搭載し、有効画素数は64 MPとなり最大8倍デジタルズームに対応する。単体の価格は 4万9,500円で、操作スティックや広角レンズ、ワイヤレスマイクなどが同梱されたCreatorコンボは6万4,900円。僕はあとで「うわーこれ買えばよかった! 」と悩むのも嫌なのでCreatorコンボを購入。
前モデル『Osmo Pocket』との違い
- センサーサイズが1/2.3型→1/1.7型へ大型化
- 有効画素数が1200万画素→6400万画素
- レンズが26mm相当→20mm相当と広角に
- 最大8倍のデジタルズームを搭載
- 4K60P撮影やFHD240fpsに対応
- HDR動画撮影に対応
外観こそ前モデルの DJI Osmo Pocket を踏襲しているものの、2世代目となり中身はかなり刷新されている印象。まずセンサーが大型化したことで、暗所での撮影に強くなり、室内や暗い場所での撮影にもある程度耐えられるようになった(最大ISO感度が3200→6400に)。
またレンズが 35mm判換算で26mm→20mmと広角になったことで、自撮りをする際でもより広い絵で撮影できる点も嬉しい。なおクリエイターコンボに同梱される広角レンズを用いれば、15mm相当と超広角になる点もgood。
最大有効画素数が1200万画素から6400万画素へと大幅にアップしたことで、最大8倍のデジタルズームができるように。また1080pの動画撮影時には画質に劣化がないと謳う4倍ロスレスズームにも対応する。
そのほかにもマイクの高音質化やHDR撮影への対応など細かい機能性が改善されている印象。なお重さは116gから117gへと微増しているものの、誤差レベルなので気にならないはずだ。
さっそくCreatorコンボを開封!
DJI Pocket 2 の箱はこんな感じ。本当にジンバル搭載のカメラがこの中に入っているのか……? と疑いたくなるほど軽量小型だ。僕はビックカメラで購入したのだけど、そのままバックパックに入れて持ち帰ってきた。
動画撮影時に開封してしまっているが、開けるとケースに収納された本体がお目見え。縦幅はスマホサイズだし、重さもスマホ以下な点が本当にすごい。ポケットに入れて持ち歩けそうだ。
筐体は前モデルとほぼ同じ外観で、若干大きくはなっているものの一見すると違いはほとんど分からない。これでセンサーサイズが一回り大きくなっているのだから驚きだ。起動してみると簡単なキャリブレーション? をするような動作を見せる。
Creatorコンボ(クリエイターコンボ)の同梱物
■同梱物(単体、Creatorコンボ共通)
- DJI Pocket 2 本体
- DJI Pocket 2 ミニ操作スティック
- DJI Pocket 2 カバー
- DJI Pocket 2 三脚マウント
- DJI リストストラップ
- DJI ステッカーセット
- スマートフォンアダプター(Lightning)
- スマートフォンアダプター(USB C)
- 電源ケーブル(単体版のみ)
■Creatorコンボにのみ同梱するモノ
- DJI USB二股充電ケーブル(USB A → C)
- DJI ワイヤレスマイク トランスミッター
- DJI ワイヤレスマイク ウィンドスクリーン
- DJI Pocket 2 Do-It-Allハンドル
- DJI Pocket 2 広角レンズ
- DJI Pocket 2 マイクロ三脚
Creatorコンボの同梱物はこんな感じ。特筆すべきアイテムとしてはやはり「DJI ワイヤレスマイク トランスミッター」と「Do-It-Allハンドル」、あとは「広角レンズ」あたり。
DJI ワイヤレスマイク トランスミッター
DJI ワイヤレスマイク トランスミッターはいわゆるワイヤレスマイク。本体が近くになくても、また騒がしい場所での VLOG でも自分の声をクリアに聞き取ることができる。ただし全指向性なのでピンマイクのように自分の音だけを拾うのは難しいが、3.5mmのアナログ入力ができるため、例えばピンマイクなど別途マイクを装着することで指向性を変えて収録ができる点も魅力だ。
前に「これさえあれば良い。YouTube撮影に便利なワイヤレスマイク『RØDE Wireless GO』レビュー」で紹介したワイヤレスマイクが同梱されているイメージ。
Do-It-Allハンドル
この『DJI Pocket 2 Do-It-Allハンドル』は DJI Pocket 2 をより持ちやすくするだけでなく、内臓スピーカーで撮影した動画を音声付きで確認できる。
また上記したワイヤレス トランスミッターのレシーバーとなるほか、スマホと Wi-Fi で接続し、DJI Mimoアプリを起動することで DJI Pocket 2 を操作できる。
広角レンズ
また Creatorコンボには広角レンズも同梱しており、マグネットでレンズ部分にカチっと装着することで焦点距離を 20mm から 15mm まで広げることができる。VLOG を撮影していると「もう少し広角で撮りたい! 」というシーンも少なくないが、これがあることで物理的に広角も押さえられる点が魅力だ。
20mm(広角レンズなし) 15mm(広角レンズあり)
また逆に望遠が欲しいときには、フルHDの場合ほぼ劣化させずに4倍(80mm)、4Kの場合は2倍(40mm)のズームも可能(最大8倍までいけたはず)。
上記したアクセサリーを含め、すべてケースにぴたりと収まる点も DJI Pocket 2 の良いところ。これだけアクセサリーが細かいと紛失しそうだが、この辺はきっちり痒い所に手が届く。
実際に使ってみた
ここまで長々と機能や付属品について紹介したが、肝心なのは実際の使い心地。ソニーの ZV-1 や iPhone との映像比較はぜひ上の YouTube を見てほしいところだが、ブログでも簡単に触れておこう。
さすがは物理ジンバル、手振れや揺れに強い
僕が DJI Pocket 2 の購入を決めた大きな理由は「物理ジンバルを搭載し手振れに強いから」。これは購入前から知ってはいたが、予想よりも遥かにブレていない。
例えば ZV-1 や iPhone は全力疾走をするとかなりブレた映像になってしまうが、DJI Pocket 2 はまるでドローンで撮影したかのような映像に仕上がる。疾走感やリアルな雰囲気にはなりづらいが、手振れしたくないシーンでは DJI Pocket 2 は強いと感じた。
ただ友人がバイクに載せて VLOG を撮影したところ、アクションカムと比べて手振れが目立ったと話していたため、もしかすると激しい揺れは物理的にも補正が難しいのかもしれない。ただし手持ちならまったく問題はない。
逆光耐性はそこまで強くないかも
これも実際に触ってみて感じたのだけど、DJI Pocket 2 は逆光耐性はそこまでなさそうだ。この辺は iPhone の AI が優秀なのでそちらに軍配が上がった。また ZV-1 もツァイスレンズのコーティングが優れているためか、フレアなども発生せずきれいに撮れている。
また余談だが色のノリや明るさについても、個人的には全体的にちょっと暗いと感じた。まあこの辺は編集時に色を弄れると思うのでそこまで気にしていない。
内蔵マイクもかなり優秀
今回とくに驚いたのは内蔵マイクのクオリティ。撮影は海で行っており風が強く悪条件だったが、ウィンドジャマー(もふもふのアレ)を装着していないのにも関わらず、ほとんど風切り音が入らずにクリアな音で声が撮れた。
また ZV-1 や iPhone にはない指向性の切り替えも行うことができ、例えば全方向だけでなく前後、前方のみなどシーンによっても切り替えられる点も嬉しい。
また上記したように Creatorコンボに同梱されているワイヤレス トランスミッターを組み合わせれば、30m ほど離れた場所からでもきれいな音が録れる点もすごい。ポケットに入るサイズ感ながら、VLOG の域を超える勢いだ。
暗所はそれなりだけど iPhone 12 mini よりは目立たない
暗所に関しても、意外とそれなりに撮れる印象。上は実際に暖色系の間接照明だけの僕の部屋で撮影したもの。夜の飲食店をイメージした。
この辺はセンサーサイズが関わってくるため 1型センサーを搭載する ZV-1 のほうがきれいに撮れそうだが、1/1.7型センサーを搭載する DJI Pocket 2 もかなり健闘している。一番センサーが小さい iPhone 12 mini も AI のおかげかかなりきれいだが、この水準で撮影できればまあ問題はなさそうだ。
撮って出しは iPhoneが優秀だけど色を乗せればシネマティック(cinematic)もそれなりにいける
VLOGにこだわりたい人なら、外せないのはやっぱりカラグレだ。YouTube動画では D-CINE という Log のような形式で撮影したものも編集しているが、ここでは標準色で試している。
それでも意外ときれいに色補正ができるので、人気のティールアンドオレンジのようなカラーにも加工できる点も魅力。
まとめ:とりあえずVLOGはこれさえあればいい
こんな感じで DJI Pocket 2 について紹介してみた。あれこれ書いてみたが、実際に使ってみると、やはり衣類のポケットに入るサイズ感というのが一番嬉しい。普通のカメラと違って撮りたい瞬間にすぐ回せるし、アクセサリー類も一緒に持ち運べるから使う日はポケット、使わない日でもカバンの中に忍ばせられる。
難点としてはディスプレイが小さく操作性はあまり良くない。また撮影中のピントの位置を知ることは難しく、基本的には画角を見る程度だ。YouTuberのように自撮りをしながら商品レビューには向かないカメラだが、カジュアルにVLOGを撮るのに持ってこいのカメラだと感じた。この辺はまた使い込んでからレビューしていきたい。