真っ白なHHKBは好きですか?
『それでも僕は3万円のキーボードを毎日持ち歩く』でも書いたとおり、社会人になってからのほとんどの時間を、この HHKB とともに過ごしている。語りはじめたら止まらないので今回は我慢するが、とにかく”道具”として完成されているキーボードだ。
そんなHHKBシリーズのフラッグシップモデル『Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S(以下HHKB Professional HYBRID Type-S』に、真っ白な『雪』モデルが登場(1250個の数量限定)。アイボリー寄りだった『ホワイト』とは一線を画する白で、白いガジェットが好きな人にとっては最高の選択肢となりそうだ。
実はトバログ、HHKBが好きすぎて発信するあまり「HHKB エバンジェリスト」に任命いただいている。今回はモニターとして1台お送りいただいたので、そちらを使って紹介していこう。
真っ白なHHKB『HHKB Professional HYBRID Type-S 雪』
こちらが白ガジェット好き待望の『HHKB Professional HYBRID Type-S雪』。筐体自体は本当に真っ白で、ぱっと見ではこれがHHKBだと分からないほど。まるで漂白でもしたのかと思うほどに白く、白いガジェット好きは唸ること間違いなし。
この『雪』は今年で25周年を迎えたHHKBの記念に発表となった数量限定のモデルで、英字配列と日本語配列がそれぞれ1250台のみの販売。価格は3万6,850円だ。すでにアマゾンや公式ストアで注文可能だ。
今回『雪』モデルの発売に踏み切った理由をPFUに尋ねたところ、「HHKBはプログラマーの理想のキーボードを実現した製品になります。25周年という節目の年はやはりユーザー視点のモデルがいいと判断し、SNSなどでユーザーの要望が強かった雪モデルを開発いたしました。」との回答をいただいた。
ベースモデルの『HHKB Professional HYBRID Type-S(2019年発売)』にはすでに『ホワイト』があるが、実際の色はアイボリー系。最近ではゲーミング系デバイスも白系の人気があり、仮に HHKB の白を選んだとしても、HHKBだけ浮いてしまう。ブラック系はすでに『墨』がラインナップにあることを考えると、『雪』の発売は必然だったのかもしれない。なお『雪』の名称は、真っ黒なモデルとしてラインナップにある『墨』との対比として名付けている。
また『雪』モデルの無刻印キーも英字配列、日本語配列(HHKB初!)ともに、300個限定で同時発売されている。日本語配列をルーターでガリガリと削って無刻印化した僕にとって、日本語配列がラインナップにあるのは嬉しい……!
▷キーボードはファッションだ!『HHKB BT』日本語配列モデルを無刻印に
実際に筐体をみていく
あらためてこちらが『雪』モデル。一口に白といっても暖色系や寒色系などがあり、メーカーとしては筐体の白色選びにはこだわりがあるそうで、冷たい色になりすぎず、温かみを感じられるように工夫しているそうだ。
白いガジェット好きとしては「真のホワイト」がラインナップにあるのは嬉しいが、約3万5,000円という価格を考えると、ちょっと安っぽい雰囲気である気もする(わがままである)。この辺は白いガジェットづくりの難しいところなのかも。
白系ガジェットに高級感を加えるには?
ちょっと安っぽく見えてしまう大きな理由としては、やはり刻印が黒く、そして大きいからだと思う。個人的に「雪」を謳うのであればライトグレーや白系の刻印を施すのがベストだとは思うが、印刷方式やロット数などの事情で難しかったのかもしれない(HHKBの別モデルやRealforceのキートップオプションもすべてこの色)。
例えば『Realforce for Mac』のキーキャップはおそらく同じものだが、刻印サイズや位置が異なるだけでまとまりを感じる。これをやってしまうとHHKBではなくなってしまうから難しいところだが、例えば刻印をライトグレーやちょっと違う白にするだけでもかなり印象は異なったかも。
この辺は感覚の話で万人にとって当てはまるところではないかもしれない。まあそんな人のために無刻印キーという選択肢があるわけで、気になる人は無刻印化すればいい話。とにかく『雪』モデルを実現してくれたPFUに感謝。
トップにロゴを印字しないこだわり
個人的に嬉しいのは「従来モデルにあったキー上部のロゴや刻印がない」点。意図をPFUに尋ねると「HHKBのシンボリックな配列で国内では十分ブランドとして認知されていると考え、思い切ってロゴを削除し、真っ白というコンセプトに合うよう設計しました。」とのこと。
これはミニマルで白いガジェットが大好きな僕にとっては最高に嬉しい配慮だ。ロゴが邪魔というわけではないが、ユーザーとしてできるだけ目立たないほうが好ましい(ファッションが好きな人がロゴTなどを避けるのに近い感覚かも)。
すでに上記で無刻印化した状態の写真を載せているが、せっかくなので無刻印化していくようすも記事に書いておこう。
『雪』モデルを無刻印化していく!
追記:無刻印キーに関してはすでに売り切れてしまったもよう。再販を待ちたい
雪モデルの場合、無刻印化するには限定300個の別売りキートップを購入する必要がある(英字:4,510円、日本語4,950円)。なお日本語の無刻印キーが発売となったのは今回が初めて。
余談だが広報さんによると、これには「トバログを含め、白好きがキーを輸入して使っているのを知ってたから」とのこと。とくに日本語配列は「キーボードはファッションだ!『HHKB BT』日本語配列モデルを無刻印に」でも紹介したとおり、僕はキーを物理的にキーを削って使っていた。公式にラインナップがあるのはものすごく嬉しい……。
これは……すっごく良い。
刻印ありの状態をみると若干の野暮ったさを感じたのだが、あらためて無刻印化するとミニマルでスタイリッシュだ。素手で触れるのさえ躊躇するほどの外観に仕上がり、これはものすごく満足度が高い。とくに今モデルはロゴ刻印も省略されているため、すべてが白で統一感がある。
僕は普段から白いガジェットに目がないので、ほかの白いガジェットたちと並べて使う瞬間が最高に気持ちが良い。なんてミニマルなのだろうか。
もちろんHHKBユーザーにとってはおなじみの「尊師スタイル」も真っ白。最近はベゼルが白いMacBookのうわさも散見されるが、そうなるとこの『雪』モデルはぴったりだろう。
まとめ:実際に使ってみた印象
ちょうど日本語配列モデルから英字配列モデルへの買い替えを検討していたタイミングだったので、今回はPFUさんから『雪』の発売を聞いたときは、興奮して思わず「キタ!」と叫んでしまった。
また今回初めて HHKB の英字配列を選んだが、これは息を呑むほどに合理的に作り上げられたプロダクトだと感じる。たとえば矢印キー。このキーが独立していないのは既知のとおりで、英字配列版はEnterの下部にあるFnキーとの複合キーだ。日本語配列に慣れているとこの違いに戸惑うが、慣れてくると「ホームポジションをまったく動かさずに矢印キー操作ができる合理的設計」ということが分かる。
そしてDeleteキーが本来の位置から1段下がっており、これまたホームポジションから手を動かさずに押せるような設計だ(本来は右手首をちょっとだけ動かす必要がある)。日本語配列に慣れていると、このキー配列の違いに戸惑うのだが、慣れるとこれ以外使えない。プログラマーが愛するキーボードたる所以が、英字配列を使うことで初めて分かった気がした。
今回の『雪』モデルは数量限定だが、もし売れ行きが好調であればラインナップに加わるかもしれない。気になる人は今後のためにもぜひすぐに購入を検討してほしい。
▷HHKB Professional HYBRID Type-S 雪 (英語配列)
▷HHKB Professional HYBRID Type-S 雪 (日本語配列)