12インチMacBook を今年はじめのセールで購入してからほぼ1年が経った。MacBook をメイン端末としてブログなどのプライベートはもちろん仕事でも使用している。
記事執筆時点で同じモデルを見てみると 8万〜9万前後が相場。安くなってきたこのモデルが気になっている人も多いと思うので、僕が実際に1年間使ってみた感想や良いところや残念なところをレビューをしていきたい。
12インチ MacBook(2015年モデル)の良いところと残念なところ
僕が購入したのは 2015年モデルの最低スペック(Core M 1.1GHz)の MacBook。当時は最新のスペックだったので、中古でも13 ~ 14万円程度だった。地元に帰った際に中古かつ新年のセールということでかなり安く購入できたので購入。
結論から言うと、薄くて軽いので機動性が高くどこへでも気軽に持ち出せる。スペック的には負荷の大きい作業をいくつも並行して行わなければ、まぁ使えると感じる。
ちなみに MacBook には本物の木でできた木目シールを貼っている(関連記事:【MacBook】本物の樹を加工してスキンシールに!ブログのロゴも刻印)。
僕の主な 12インチ MacBook の用途
僕は 12インチ MacBook をメイン端末としてブログや仕事で使用。仕事といってもテキストベースでライトなものが多いし、ブログも基本的にはそこまで重い作業はしない。
具体的には
- Chrome でブラウジング
- ウェブ上の WordPress でブログ執筆
- Lightroom で画像の現像(1度に20枚程度)
- パワーポイントやエクセル、ワードで仕事の資料作成
- エバーノートで録音しながらテキストメモ
- Illustrator でバナー作成
- アクションカムなどで撮影したフルHD動画の編集
といったところ。これらの用途をふまえたうえで良いところと残念なところを紹介。
12インチ MacBook の良いところ(仕事におけるメリット)
- とにかく軽くて薄いのでどこへでも持ち歩ける
- 1kg以下と MacBook Air よりも軽いサイズ感ながら Retina ディスプレイを搭載していて見やすい
- Officeソフトだったりブラウジング、たまに写真の編集などの作業は動作に問題なし(人にも寄ると思うが)
- Illustrator や Photoshop での画像編集やバナー作成も割りとサクサク動作する(ただし枚数が多かったりデータが大きいと難しい)
- やはり Mac。デザインも洗練されていてクール
12インチ MacBook の残念だったところ(仕事におけるデメリット)
- SDカードスロットがない
- USB Type-C ポートが1つしかないので仕事で使うには別途数種類アダプタが必要(結果ごちゃつく)
- キーボードの打鍵感には慣れるが疲れる
- Illustrator や Photoshop を立ち上げつつブラウザを立ち上げて別の作業などはちょっと動作がカクつく
- Chrome はタブを10個以上立ち上げると途端に重くなる
12インチ MacBook(2015年モデル)を仕事とブログで1年間ガッツリ使った感想
ベンチマークテストは既に各媒体で紹介されているので、今回は僕が 12インチ MacBook(2015年モデル)を仕事とブログで1年間ガッツリ使った「消費者の生の声」を紹介。
普通の人なら MacBook(1.1GHz Core M モデル)でもスペック的に通常使用はほぼ問題なし
僕が購入して使ってみたところ Core M 1.1GHz のモデルでも、Office ソフトをいじったりブラウジングなどのテキスト作業メインの人にとっては「言うほど動作重いかな?結構快適だけど。」と感じると思う。
実際僕も仕事で使う分には Excel でデータの入力をしたり、Word で文書作成をしたり PowerPoint で資料を作ったりなど。これらをそれぞれちょっとウェブで情報を調べながら使いたいといった用途では全く問題ない。
ただ、Chrome をブラウザとして使っている場合には注意が必要。Chrome はメモリ容量をギリギリまで食い尽くす性質があり、タブを10個程度開きながら Office ソフトで作業をするとなると動作が重くなってくる(例えばクリックの反映が2~3秒後とか)。この辺はタブを閉じればサクサクに復活するのでそこまで問題だとは感じていない。
あとは、当たり前だが動画編集には向かない。1本の動画に文字を入れたり(アクションカムで撮った動画の)速度を変えたりという作業は問題ないが、フルHD の動画を数十本組み合わせて編集して1本の動画をつくるといった作業にかなり時間がかかった。9.7 インチ iPad Proの方が快適に編集できるので、僕は基本的に iPad で動画編集をしている。
ブロガー的なところはたまに厳しい
ブロガー的なところになるが、そんなにタブを開いていなくても Chrome でウェブ上のワードプレスを開いて作業をしているともたつく時がある。画像や文字が多い記事(トバログなら『【2016ベストバイ】トバログが本当に買って良かったガジェットモノ14』とか)だと書いている際にもたつくことも。
これはスペック的なところの限界だと思うので、画像を多く使って文量が多い記事がメインの人は MacBook Pro を買ったほうが幸せになれそうだ。
あとは画像の編集について。「ミラーレス一眼で撮った RAW を Lightroom で10枚以上現像」しつつ「画像を用いて Illustrator でバナーの作成」なんて作業はちょっと重たく感じる。かなりの枚数の RAW 形式の写真を頻繁に現像するという人にはちょっと厳しいかも。RAW ってなに?って人なら 12インチ MacBook でも大丈夫。
仕事で使ううえでネックとなる MacBook の拡張性
12インチ MacBook は拡張性が乏しく、物理的なポートが USB Type-C の1つのみ。最近だと MacBook Pro 2016年モデルもこの規格のポートを搭載するので、これから爆発的に普及することは予測できるが、まだまだ良い感じのアダプタがなかったりして仕事だと面倒。
仕事だとプロジェクターに投影するために HDMI ポートや VGA ポートが必要だったりする。それらのポートに対応したアダプタを持ち歩く必要があるし、データのやり取りなんかだと USB Type-A(いわゆる普通の USB)端子を多用するので、そのアダプタも必要。
画像を取り込むためのSDカードリーダー/ライターも必要だし、実際には12インチ MacBook の他に別途ポーチを持ち歩く必要がある。単体なら軽くてスマートそうな MacBook だが、このポーチを忘れたらほとんど仕事にならないのが MacBook の恐ろしいところでもある。
アダプタを忘れても管理職ならこの辺は部下に任せれば良いかもしれないが、率先してプロジェクターに資料を映し出す必要のある僕ら下っ端は致命傷。晴れて窓際への栄転が決定する。
【過去に紹介したアダプタの記事】
・12インチ MacBook に写真を移行!USB Type-C対応SDカードリーダーレビュー
・USB Type-Cで充電しながらHDMI&USB接続。純正Multiportの半額
・新型MacBook Proに必須!USB Type-C とLightning / micro USBを接続するケーブル。iPhone とのやり取りにも
・USB Type-C 向けの USB3.0 ハブ&有線LANポートレビュー
12インチ MacBook のバッテリーはまあ使える。モバイルバッテリーで延命できるのは◎
12インチ MacBook は、僕の普段の使い方だとだいたい 4 ~ 5 時間程度は持つ。朝に満充電の状態から昼過ぎくらいまでは充電せずに使用可能。ちょっとカフェに行って3時間程度作業をするのであれば問題はないが、1日電源のない場所で作業をするのは難しい印象。
12インチ MacBook のバッテリーライフは公称9時間。2016年に発売された新型モデルでは1時間増えて公称10時間。ただ、基本的に公称というのは「リッター30km走るよ!」という宣伝広告と同じようなもので、実際はそこまで持たないのが現実だ。
12インチ MacBook はモバイルバッテリーでの延命が可能
ただ、 MacBookの魅力はモバイルバッテリーから給電し延命できるというところ。電圧的な問題で、使用しながらの充電こそ難しいものの、給電は可能。モバイルバッテリーに繋いだ状態ならじわじわとバッテリーの減りが遅くなるので数時間延命できる。ちなみに MacBook を閉じた状態なら充電も可能。
12インチ MacBook キーボードは慣れる。でも長時間のタイピングは疲れる
12インチ MacBook は、キーボードストロークがほとんどない特殊なパンタグラフキーボード。これまでの MacBook のキーボードとは違うものなので最初は打ちづらいと感じるが、案外慣れる。
打鍵感は悪くなく、カタカタと打った時の感触も僕は割りと好きだ。とはいえ長時間のタイピングは MacBook のキーボードでは疲れるので(明らかに指や手首に負担がかかってる感じがする)、自宅ではメインで Apple Wireless Keyboard を使っている。
プレゼン資料の作成や調べ物などを長時間するのは MacBook で問題ないが、ブログや文字起こしなど長時間のタイピングが必要なシーンでは、やはり従来の キーボードの方が快適だと感じる。
12インチ MacBook を使う最大のメリットは機動性。Mac OS 搭載の PC で最も軽い
スペックや作業の快適さは、当たり前だが MacBook Pro Retina に軍配が上がる。それでも僕が12インチ MacBook を使い続けている最大のメリットは持ち運びやすさ。
12インチ MacBook の重さは約920g と Mac OS を搭載するラップトップ PC のなかで最も軽い。バッグなどに入れて持ち歩く際には数百グラムではそこまで重さが変わる感じはしないものの、やはり手に持ってちょっと移動というときなんかには「軽いな〜」と感じる。
僕は基本的に家では椅子に座ったりソファにもたれたり寝っ転がりながらブログを書く。実はまだ MacBook Pro Retina も手放してはいないのだが、軽さや持ち歩きやすいという理由から 12インチ MacBook ばかりを使っている。
またサイズ的にも小さく、A4サイズのファイルが入るようなカバンであれば難なく収納できる。『モレスキンのクラシックリポーターバッグを1年弱使った感想。MacBook を持ってちょっと作業するときに便利』で紹介したショルダーにも収まるのは魅力的。
地味に嬉しい!12インチ MacBook はあまり熱くならない
MacBook Pro Retina はパームレスト(トラックパッドの両脇)や、底面が熱くなって結構不快だった。12インチ MacBook に買い換えて地味に嬉しい点が、ほとんど熱くならないこと。
そりゃコンピューターなのでほんのり熱は持つが、膝の上に乗せて作業する際に暑いとは感じないし、パームレストが熱を持って手汗が滲むということもほとんどない。個人的にはこれらの点がかなり嬉しかった。
MacBook はこんな人にオススメできる
1年間12インチ MacBook を使ってみた感想をつらつらと書き出してみたが、僕の視点からこの端末をオススメできるのは
- 普段使いの PC が MacBook Air でもストレスを感じない人
- 仕事がテキストベース(営業や広報など)の人
- Adobe のソフトをそんなに使わない人(使ってもイラレやフォトショでライトな感じ)
- たまに Office ソフトを使うくらいの文系学生
- テキストベースなノマドワーカー
- アフィリエイター
- 2台目を考えているすべての人
な人たち。「いままで PC を持ってなかったけど Mac 欲しくなってきた。なにが良いかな?」という人にはこれを薦めておけば、まぁ問題ないはず(もちろん用途に依るが)。
まとめ
こんな感じで12インチ MacBook を1年使った感想を紹介してみた。『12インチ MacBook から MacBook Pro 2016 への買い換えを悩む。』という記事でも書いたが、最近は自分の作業の効率や速度が上がってきており、若干 1.1GHz Core M では快適な作業が厳しいと感じ始めている。
とは言え、僕の用途がちょっと特殊な方向性に向かっているので、基本的に多くの人にとっては軽いし快適に使える良い端末だと思う。発売当初は「このスペックで16万!?」という印象だったが、最近はかなり中古相場も落ちてきたので買いやすい。まずは購入してから考えても良さそうだ。