Leica(ライカ)というカメラに憧れを抱く人は、カメラが好きな人なら少なくないはずだ。もちろん僕もその一人で、『気づいたら憧れのライカを手にしていた。』という記事を書いたように、ライカを手に入れてからというもの、すっかりとライカにハマってしまった。
ただ、ライカのカメラは非常に高価。本体が100万円なら、レンズも50万円くらいする。もちろん低価格帯のコンデジなんかラインナップをしているけれど、それでもその他のカメラと比べると、たしかに割高であることは確かだ。
さすがにレンズ込みで150万円もするようなカメラを「じゃあ買おう」と買えるほどの余力もない。
ただ、APS-C ミラーレス一眼の Leica T なら、レンズを合わせても10万円で手に入れることができる。しかもちゃんと「ライカっぽい」艷やかで質感を感じる仕上がりになることは、あまり知られていない。なので今回は「10万円で揃うライカ」の組み合わせと作例を紹介しておきたい。
10万円で本体とレンズが揃う Leica T
僕が普段使っているのは上画像の組み合わせで、Leica T とフォクトレンダー NOKTON classic だ。APS-C センサー搭載で、画角は35mm判換算で 60mm の単焦点。F1.4 なのでそれなりにボケるスナップ向けの組み合わせだ。
Leica T の金額に幅はあるものの、中古で約5万円~7万円ほど。僕は5万円ちょっとで買った。そしてレンズはコシナの『フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4』で、価格は中古で3~4万円ほどで手に入る。
わずか10万円ちょっとで、ライカの APS-C ミラーレスを手に入れられるのだから、これほどお得な買い物はなかなかないはず。しかも、フォクトレンダーのレンズはオールドレンズ的な雰囲気を醸し出すので、どことなく Leica M シリーズで撮った写真のように立体感を感じることができる。
ライカの APS-C ミラーレス『Leica T』について
Leica T は、2014年にライカが発表した APS-C ミラーレス。アルミ削り出しのユニボディで、全面タッチパネル搭載のディスプレイ。ダイヤルが2つ搭載されているだけという、至極ミニマルなカメラだ。
コンデジではないライカを手に入れたいと思い、今年の2月くらいに購入した。普段はカバンの中に忍ばせて、写ルンですのように気軽に持ち歩いている。
発売から4年ほど経過しているが、センサーのサイズも大きいのでブログに使う写真や SNS にアップするくらいなら十分に使うことができる。
▷ミニマルなデザインが好き。ライカのミラーレス一眼「Leica T」を買いました
レンズはコシナの『フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4』
そしてこちらが僕の購入したMマウント対応のフルサイズマニュアルレンズ、コシナの『フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4(以下、ノクトン)』。APS-C なので換算 60mm とやや癖のある画角だが、F1.4と大口径で、描写が美しくしっとりとした雰囲気となるため気に入っている。
NOKTON(ノクトン)とはヨーロッパ地方の古い言葉で「夜」を意味する単語で、フォクトレンダーのレンズでは F1.5 以下の大口径レンズに名付けられる。開放すれば夜でも明るく撮れるという意味だと捉えている。
価格も定価で4万円程度、中古なら3万円~3万5,000円ほどで手に入れることができるため、非常にリーズナブル。
▷どこか寂しく、艶やか。ライカと合わせる『フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4』レビュー
マウントアダプタは AliExpress で3000円のモノ
ここで発生するのがマウントの問題。Leica T のマウントは TLマウントという、ライカの APS-C カメラ専用に作られたマウントを用いている。対してフォクトレンダーのノクトンは Mマウント。となると、Leica T でこのレンズを使うためには、マウントアダプタが必須となる。
意外かもしれないが、このマウントアダプタは、純正品だと恐ろしく高い。定価だと約4万円ほどなので、レンズが購入できてしまう。日本のアマゾンで売られているサードパーティ製のマウントアダプタでも1万2,000円ほどとかなり高額だ。
ちょっと高いなあと思っていたところ、サードパーティ製のマウントアダプタが中国の EC サイト「AliExpress」で3,000円ほどで売られていた。注文してから2週間以上掛かるが、実際に使ってみても普通に使えているので、サードパーティ製を買うくらいなら AliExpress で買った方が安価だ。
10万円のライカで撮った写真の作例
ここまで揃えると、Leica T の本体がだいたい5万円〜で6万円で、レンズが3万〜3万5,000円ほど。アダプタが3,000円ほどなので、「10万円でデジタルのライカを手に入れることができる」ということになる。じゃあその10万円のライカでどんな写真が撮れるのかをちょっとだけご紹介。
完全に色やボケ感まで同じというわけではないが、どことなくMマウントレンズ(ズミクロンとか)を使ったときのような雰囲気がでているのではないかと思う。Leica T の仕様上、やや無機質な色合いになってはいるが、この立体的で艷のある質感は、Leica M シリーズを彷彿とさせる。
『渋く艶やかなノスタルジー。フォクトレンダーと歩く中野さんぽ』で紹介している写真の一例。こちらも立体感を保ちながら情緒ある雰囲気を感じることができる。ちょっと色味はいじっているが、この価格帯でこれだけの絵が撮れるのは嬉しいところ。
同じくらいの価格で 35mm F3.5 のズマロンも
レンズはフォクトレンダーなんだから「ライカじゃないだろ」と怒られてしまうかもしれないが、実はライカのレンズ『Summaron(ズマロン)35mm / F3.5 』も中古なら4万円くらいで購入できる。
5~70年前のレンズであり、癖があると言われるが、ライカのレンズであることに変わりはないはずだ。僕は実際にこのレンズを試したことはないのでなんとも言えないが、35mm判換算で50mm F3.5 で本体もレンズもライカというのは、ライカを使いたい人ならば嬉しいかもしれない。
まとめ
こんな感じで憧れのライカを10万円で揃えることができるという記事を書いてみた。「ライカは高くて手が届かないよ」という人も多いのだけれど、M型にこだわらなければ、APS-C ミラーレス一眼が手に入る。
ただ、遅かれ早かれ「やっぱ M型ライカだよな」と思い始めてくるのだけれど、まずライカのカメラを使ってみたいという人は、こういう組み合わせも面白いよ、ということで、記事として紹介してみた。参考になれば幸いだ。
▷ミニマルなデザインが好き。ライカのミラーレス一眼「Leica T」を買いました
▷どこか寂しく、艶やか。ライカと合わせる『フォクトレンダー NOKTON classic 40mm F1.4』レビュー