財布の小型化と利便性、どこで折り合いをつけるか――。
ミニマリストというわけではないけれど、ここ数年間は、「薄く、小さく」を追い求めつつも自分のスタイルにマッチした財布を探し続けている。
最近、友人が経営する drip(ドリップ)が、老舗の革製品メーカープレリーとコラボして『PRESSo(プレッソ)』という財布を作り、現在クラウドファンディング中だ。僕も出資をしているのだけれど、ちょっとだけ早く手元に届いたのでレビューしておきたい。
■PRESSo のココが良い!
- 薄くて小型ながら小銭や鍵などが収納できて機能的
- カードが3~5枚入る収納力
- デザインはもちろん革の質感も良い
■PRESSo のココが残念
- 薄さを求めているため革が薄くやや華奢な印象
- 使い始めはちょっと堅い
- 折り目の箇所が多いため折り目部分の耐久性は心配(メンテナンス必須)
ミニマルだけれど機能的な僕ら世代の財布『PRESSo(プレッソ)』
こちらが PRESSo(プレッソ)。名刺入れサイズながら収納力もある小型の財布だ。実際に1ヶ月ほど使っているので、細かい傷が表面に付いているが、これも味になってきた。
僕が選んだカラーは秋から冬の季節にぴったりの「モカ」。他にもより濃い茶色の「アメリカーノ」や黒革を用いた「ブラック」など、drip社が作るPRESSo という財布のネーミングだけに、カラー展開もコーヒーを意識している。
クラウドファンディング期間中の価格は9,000円コースが全色売り切れ、10000円コースがいくつか残っているという感じ。残り3日間で支援者はすでに627名で、目標達成率は2000%に達している。
この PRESSo が面白いのは、企画から実際に製品化するにあたり、10~30代前半と比較的新しい世代(Z世代~ミレニアル世代)がメインとなって作り上げているというところ。実際に「革」にまつわるイベントを開いたり、「どんな革製品が欲しいか」などを議論しながら、「僕たちの世代が本当に欲しい財布」のイメージを作り上げてきた(もちろん僕も参加している)。
これまでもクラウドファンディングや「薄い財布」など、電子決済の普及など時代の流れに伴ってさまざまな財布が登場しているが、PRESSo はターゲット層が明確で、小型化と利便性の両立を図っている点が気に入って出資。クラウドファンディングのバックとして ZINE を発行したり、写真もお洒落だったりと、この世界観も好き。
ポケットは最小限
実際に PRESSo を手に持ったサイズはこんな感じ。お札は3つ折り(ちょっと面倒だけど慣れる)にするため、サイズはカードよりも一回り大きいくらいとなっている。
カード入れは3箇所、札を挟むところと、小銭や鍵などが収納できるポケットが1箇所備わっている。
薄くて小さめの名刺入れみたい
構造はやや複雑だが、素材の革は極力薄いモノを用いているため、何も入れていない状態でも厚さ7mmと薄くなる。本牛革を極限まで薄く梳き、最薄部はなんと 0.8mm。日本の職人が一枚一枚手がけているという。
実際に1ヶ月ほど使ってから撮影したので細かいキズが付いてしまっているが、内側はこんな感じ。薄くなっている牛革を丁寧に縫製されていて、職人の技が光っている。
ただ構造上折り目が多いため、どうしても折り目部分は変色してしまっている。ここは定期的にケアしてあげないとひび割れしてしまうので、大切に扱いたい。
ポケット部分には小銭などが飛び出さないように蓋が備わっている。実際に使うときにはこのように開くことで小銭や鍵、SIMピンなどを出し入れすることが可能だ。
トバログの財布の中身を PRESSoに引っ越ししてみる
僕が普段、財布に入れて持ち歩いているのはこんな感じ。『GANZO のシンブライドルマネークリップ。経年変化とミニマル化する財布の中身』でも書いているが、大学時代から徐々に財布の中身を断捨離していたので、持ち歩くモノはけっこう少ない。
- クレジットカード(海外保険と月額系の決済、大きい買い物用)
- デビットカード(普段遣いで現金と同じように使っている)
- 免許証
- 緊急用の名刺
- 自宅の鍵
- SIMピン
- 現金
保険証やポイントカードなど、必要であればで「『あってよかった』が詰まってる。トバログのガジェットポーチの中身」紹介しているガジェットポーチに収納している。
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実際にこれらを収納するとこんな感じ。中央のバーを左右に動かすと入れる前の状態(左)と入れた後の状態(右)を比較できる。使い始めはカードの収納部分がやや狭いが、使っているうちに出し入れしやすくなってくる。
お札をすばやく、綺麗に3つ折りにする際のコツ
ミニマルな財布の多くが、最小面積を折り曲げられないクレジットカードにサイズをあわせることが多く、紙幣は3つ折りにして収納することが多い。
これってけっこう面倒(とくにレジで後ろが並んでいるときとか焦る)なのだけれど、このように数枚を同時に折り曲げれば簡単だし、5~6枚なら綺麗に折りたたむことができる。
お札を簡単に揃えて
お札を挟むクリップ部分合わせて曲げて
はみ出さないように綺麗に折り曲げれば綺麗に収納できる。
財布をケアして “育てる” という楽しみ方
僕らが革の財布を愛する理由の一つとして、「自分で革をケアして育てることができる」という点がある。PRESSo はオイルを染み込ませた「熟成レザー」を用いている。
そのためヌメ革ほどオイルを染み込ませる必要はないものの、定期的にブラシをかけて滲み出るオイルをなじませたり、クリーニングをしてあげると、より長持ちする。
財布を空っぽにして、定期的にブラッシングする時間は、まさに “育てる” という表現がぴったり。こうしたメンテナンスの楽しみは革製品ならではだろう。
週に1回程度は軽く表面をサッとブラッシングして、3ヶ月に1回くらいは縫製部分や折り曲げる部分にオイルを染み込ませると、長く使えるはずだ。
まとめ
こんな感じで実際に PRESSo の紹介と、実際に1ヶ月間使った感想をまとめてみた。財布は1年くらい使ってみてやっと自分に馴染んでくる気がするが、今のところはかなり快適に使うことができている。
とくにカードは手の角度を変えずに、サッと横から取り出すことができるため、かなりシームレス。お札を折り曲げるのも、記事中で紹介した方法であればかなりラクになるので、通常サイズの財布と比較しても遜色ない使い勝手を実現していると感じる。
「基本は電子決済やクレジットカード、必要ならば現金」という人にはぜひおすすめしたい財布だと感じた。
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