白いデスクにアクセントが欲しいと思い、前から気になっていた〈Louis Poulsen〉の《Panthella Portable Metal》のオレンジを買ってみた。買ってよかったどうかはしばらく経たないとわからないものだけど、現時点ではとても良い買い物をしたと思う。
Panthella Portable Metal Orange
Louis Poulsen
¥38,500
やわらかいきのこ型のフォルムと、オレンジ色の発色が目を引くテーブルランプ。デンマーク出身のデザイナーVerner Panton 氏が1971年に発表したパンテラの見た目はそのまま、バッテリーで部屋中どこにでも置けるポータブル仕様になっている。
僕はあまり詳しくないのだけど、どうやらオリジナルのパンテラ誕生から50周年の記念モデルらしい。新宿のコンランショップで買ったのだけど、入荷は10個程度だったそうで、オレンジ色のランプを探していた僕にとってはラッキーなタイミングで手に入れられた。
パンテラポータブルには乳白色アクリルでぼんやりと部屋を明るく照らすタイプと、メタルシェードで下方向だけを照らす2タイプがある。僕が購入したオレンジはメタルシェード。白い天板に反射して間接照明のようにデスクまわりを照らしてくれるので、近くにおいていても眩しくない点が嬉しい。
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もともと僕のデスクにはオレンジ色の壁紙を表示した Echo Show 5 をアクセントにしていたのだけど、Blenderにハマっていくうちにちょっと良い家具(家電?)が欲しくなり、歴史ある照明のなかでも比較的手に入れやすいPanthella Portableを選んでみた。
価格は3万8,500円。正直なところ機能性に対してこの価格はちょっと高いと思うが、ものづくりに携わったり、Blenderでモデリングしたりするうちに、オリジナルや意匠に対価を支払う意味が分かってきた。アイデアを形にしてくれたことに対する感謝の気持ち、なぜ人に愛されるプロダクトなのか知りたい気持ちから、自分の部屋にも置きたくなってくる。
さっそくデスクに置いてみると、これがものすごく良い。みかんのような有機的な色と形のパンテラが、無機質な白いガジェットだらけのデスクを中和して良いバランスを保っている。逆にこれまでデスクを白とグレーで統一してこなかったらパンテラが目立たないわけだし、そういった意味でもこのデスクはパンテラを待っていたのかもしれないとすら思えてくる。
あまりモノとして原色系のアイテムは選んでこない人生だったのだけど、思い切ってこれまでとは全く違う性質のアイテムを選ぶのも面白いなと感じた。
夜になると、昼間の鮮やかさとはまた違った印象となる。寝る前にちょっとPCを触りたいとき、デスクライトだと眩しすぎる。そんなときにパンテラはちょうど良いのかもしれない。ただし下部のみを照らすので、本を重ねて高さを出したほうが実用性は高くなる気がする。
ポータブルを選んだ理由。デスクライト的に使うのならもう一回り大きい《Panthella Mini Table》が良さそうだったのだけど、なにかの雑誌で「強い色を取り入れるのなら動かせるモノを選ぶと良い」と書かれていたインタビューを思い出し、気軽に動かせるバッテリー駆動のポータブルにした。
ケーブルレスなのでどこにでも置ける点は意外と面白く、たとえば動画撮影の際などは背景の本棚やシェルフに置くことで、構図に少し違った印象を与えてくれる(はず)。これからの季節は外でも過ごしやすくなるので、このあいだ紹介した《Beosound A1》とバルコニーで使うのも悪くないかもしれない。
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18歳で大学生になり、一人暮らしをはじめてから約10年。これまでは「足りないモノを買い揃える」を意識してきたが、最近では生活に足りないモノがほとんどなくなり、より生活を良くしたい、好きなモノと暮らしたいと思うようになっている。
パンテラポータブルはバッテリー内蔵でLEDも自分で交換できため「一生物! 」というには大げさだとは思うけれど、僕が白いデスクを使い続けるかぎり、これからもデスクを彩ってくれるはずだ。