グーグル謹製の Android 端末 “Nexus 6P” を毎日使って2週間が経過した。ファーストインプレッション的な記事は『Nexus 6P 届きました。開封と数日間触ってみた感想』でも書いたが、今回は2週間程度使用したので、もう少し掘り下げてレビューしていきたい。
Nexus 6P のスペック
まずはスペックをおさらい。スペック自体は各社 Android のフラッグシップ機と比べても遜色ないレベル。WQHD の高解像度有機EL を搭載しており、ディスプレイが美しいほか、カメラもセンサーが大きめで綺麗な絵が撮れる。
[table id=10 /]なおSIMフリーモデルの価格は 32GB版で74,800円、64GB版で80,800円となっている。気になる128GB版は未だに日本で購入することはできない。
Nexus 6P の良い点悪い点
Nexus 6P の良い点
・ディスプレイが高精細で美しい
・カメラの性能が高い
・サクサク動作する
・急速充電で充電が早い
Nexus 6P の悪い点
・ちょっと重い
・やや尿液晶寄り
・価格が高い
Nexus 6P レビュー
Nexus 6P の外観
外観は好みの分かれるポイントだと思うが、僕は割りと好印象。発売以前は Nexus 6P のカメラ部分が大きく出っ張っていると思っていて、勝手に粉洗剤のスプーンをイメージしていたが、実物を見てみるとそこまで出っ張っているわけではなかった。
外装は主にアルミニウムが使用されており、金属質でクールな印象。またディスプレイサイズの割には筐体の幅が狭いので持った時に持ちにくいとは感じなかった。
iPhone を意識しているのか、カラー展開はフロストホワイト以外は iPhone とほぼ同系色。
ただ iPhone はアルミニウムに各色の色が練りこまれているのに対して、Nexus 6P は地のアルミニウムに各色の塗料が散布されている模様。通常使用では特に気にはならないが、落としたりして凹ませてしまった際はそこだけ変色してしまうこともあるそうなので注意が必要。
ディスプレイ面は全色黒。より画面に没頭できるようにということなのか、コスト削減のためかは不明だが、個人的にはフロストホワイトくらいはシルバーでも良かったのではないかと感じる。
ディスプレイ
まずはスマホを使う上で重要なポイントとなるディスプレイから。Nexus 6P は、”6″ と冠しているもののディスプレイサイズは 5.7インチ。僕は特にサイズは気にならないが、タブレット兼用として使うにはちょっと小さいかもしれない。
細かい時を読む際にも WQHD(2560 x 1440)と高精細ディスプレイを搭載しているので、顔を近づければヤフー PC 版のトップも読めないことはない。ただ僕が以前から使用している Xperia Z Ultra と比べると見づらい印象はある。
次に発色。発色の良さや黒色のキレなどを見ると流石は有機ELディスプレイと称賛したいところ。ただ若干尿液晶気味な印象も否めない。
(左:Xperia Z3 Compact、右:Nexus 6P)
上画像は僕が以前使用していた Xperia Z3 Compact を nexus 6P を真っ白な画像で比較したところ。Xperia Z3 Compact が青みがかった液晶ディスプレイを搭載しているので余計尿液晶に見えるということもあるが、Nexus 6P は黄色がかっていることが分かる。
有機EL端末ということで、長く使い続けた際の劣化が気になるところ。ただ Nexus 6P 自体は高精細で、写真や動画などの発色も良く満足している。
“Gorilla Glass 4” の性能ってどうなの?
Nexus 6P では、コーニング社の “Gorilla Glass 4” を採用している。最強と謳われた “Gorilla Glass 3” の2倍もの強度を誇るとされる Gorilla Glass 4 。実際に落下テストなどは行っていないが、2週間家の鍵と同じポケットに入れて持ち運んでみたところ、うっすらとかすり傷が数カ所についていた。
カメラ性能
Nexus 6P は 1230万画素のリアカメラと、800万画素のフロントカメラを搭載している。画素数だけ見ると他にも高画素数の端末はいくらでもあるが、撮れる絵の美しさはスマートフォンの中でもトップクラスだと感じる。
その理由はセンサーの大きさ。センサーはソニーの1.55μmピクセルのセンサーを採用しており、筐体サイズがほぼ同じである iPhone 6s Plus のセンサーサイズが 1.22μ mピクセルと、「良く撮れる」の代表各である iPhone のカメラよりもセンサーは大きい。
これにより、よりボケやすく暗所にも強くなっているというわけ。
こちらは実際に Nexus 6P とソニーのミラーレス NEX-5R にシグマの単焦点レンズを装着して撮った写真を比べてみたところ。どちらも設定はオート。
スマートフォンながらボケも良い感じ。本当にコンデジ顔負けな写真が撮影できる。
センサーが大きいので暗所にも強い。40w の LEDライトのみの明かりで上の映像を撮ってみたところ。
なお Nexus 6P のカメラについては『Nexus 6P のカメラ性能は?夜景や料理など作例をアップしてみる。』で詳しく書いている。
パフォーマンス
Nexus 6P は、クアルコム社の最新プロセッサ Snapdragon 810 搭載で RAM も 3GB とスペック的にも各社のフラッグシップ機クラス。パフォーマンスはもちろん文句なし。
何をするにもサクサクで、今のところ引っかかったり遅延は全くない。この辺はさすがグーグル謹製端末といったところ。これまでは Xperia Z3 Compact を使ってきたが、もう普段使いでは戻れないと感じるほどサックサク。
Antutu のアプリでテストしてみた結果。ミドルレンジモデルとは言え、1世代前の端末から 2倍近い高パフォーマンスを実現。3Dに関しては圧倒的な差をつけている。
RAM の使用率を見てみると、常に2GBギリギリくらいまで使用している。Xperia Z3 Compact は RAM が 2GB だったので、この差は大きい。
店頭で触ってみた限りだと、カメラの起動などに関して iPhone 6s よりもスピーディだが、Xperia Z5 と比べるとほぼ変わらなかった。僕は Xperia Z5 を所有したことがないので詳しいレビューはできないが、現状はそこまで動作は変わらない模様。
ただ Xperia Z シリーズは、OSアップデートで大きくパフォーマンスが変わるので、ここは Nexus 6P の強みだと感じている。過去の端末だが詳しくは『重い!Xperia Z3 Compact も Android 5.0.2 Lollipop には耐えられない。対策など』や『Xperia Z Ultra は『Lollipop』へアップデートするな!Android 5.0 は不具合多発の地雷』をどうぞ。
指紋センサー
Nexus 6P/5X のウリが指紋認証の感度と速度。Nexus 6P で2週間ほど指紋認証を使用してみたが、もう指紋認証以外のロック解除はしたくないと思えるほど高感度&速度だった。
僕は以前 iPhone 5s を使用していたので、指紋認証でのロック解除は初めてではない。しかし風呂あがりや寒くて指が乾燥している時などは認証できず、結局解除コードを入力していた。
そういった理由からあまり良いイメージのない指紋認証だが、Nexus 6P を購入してそのイメージは変わった。以前『【WiFi】鬼怒川温泉の足湯カフェ「エスポ」。絶景を望みながら足湯でブログ!』でも書いたように温泉に行ったが、風呂あがり1番で指紋認証をしても認識されたのには驚いた。
バッテリーライフ
Nexus 6P は 3480mAh のバッテリー容量だが、僕が普通に使ってみた感じではバッテリーの持ちは(最近の端末としては)普通。朝から持ち歩いて、時々電話や SNS をしたり、地図や乗換案内アプリを起動する程度の使い方であれば、余裕で1日は持つ印象。
上画像は Battery Mix(バッテリー監視アプリ)のデータを取ったもの。ソーシャルゲームや動画を観たりすれば、もちろんその分短くなるとは思うが、僕の使い方では特にバッテリーが持たないとは感じない。
ただ万が一充電するのを忘れた場合などは、充電端子が USB Type-C とその辺のコンビニではまだまだ買えるようなものではないので困ってしまう。『『Anker USB-C to 3.0 ケーブル』レビュー。急速充電並みの速度で Nexus 6P を充電可能』でも書いたように、持ち運び用に一本ケーブルを持っておくと便利かもしれない。
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スピーカー
Nexus 6P の音質については至って普通。本体のスピーカーは上下に備えられており、 Nexus 6P を横向きに持つとステレオ再生できるようになっている。Youtube の動画を再生したり、本体を横向きに持って遊ぶようなゲームであれば臨場感のある音質を楽しめるはず。
イヤホン
これはもちろん個人の好みだが、若干篭りがちながら低音が強めな印象を受けた。Nexus 6P は外部メモリが挿せず、本体容量にも限りがあるのでそもそも本気で音楽を楽しみたい人には向いていない端末だと感じる。
とは言え、Play Music でストリーミング再生で音楽をライトに楽しむ人にとっては十分だろう。Xperia シリーズが奏でるような高解像度な音質には満たないものの、そこそこ良い音質で低音が強めが好きな人にとっては嬉しい端末だと思う。
まとめ
色々と各項目に分けてレビューしてみたが、総合的にみて Nexus 6P は”買い”な端末だと思う。特にこれと言って突出した機能はないが、普段使いでは全くストレスを感じさせない優等生的な端末。
また各社の課題でもある OS アップデートも Nexus 6P であれば全く無問題だし、最新の OS を最高のパフォーマンスで使用できるのも魅力。
ちなみにワイモバイルなら月額4,000円以下で運用が可能。最新の OS Android 7.1 Nougat にも対応予定と公式にアナウンスしているのでチェックしてみると良さそうだ。
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