トバログのコト 注:この記事はアフィリエイト広告を含みます

お金や仕事や食生活。海外半移住して分かったメリットとデメリット|トバログの半移住

お金や仕事や食生活。海外半移住して分かったメリットとデメリット|トバログの半移住


ちょっと前から連載していた『トバログの半移住』。2月から始まり、約1ヶ月間オーストラリアに滞在していたり、ちょっと台湾に行ったりと過ごしている。「アイデアは移動距離に比例する」とは誰かが言った言葉だけれど、4月時点ですでに昨年の総移動距離は超えていて、そろそろアイデアが沸々と湧き上がっても良い頃だ。

さて、これまでは旅行記や日記的な視点から更新をしていたのだけれど、やっぱり読者が気になるのは「で、実際のところ海外生活はどうなの? 」というところ。せっかくの半移住生活を日記だけで終わらせてしまうのも良いのだが、後に続く人の参考になればと「海外半移住のメリットとデメリット」をざっくりと記しておこう。

 

 

一旦、海外移住を体験してみる。トバログの半移住の目的と定義

ゆったりとした時間と海。悠々自適なオーストラリアのケアンズライフ|トバログの半移住トップ画
『トバログの半移住』については『トバログの半移住。2019年は半分くらい海外に行ってきます
』を読んでもらえれば目的や定義が分かるとは思うのだけれど、一応簡単にここでも紹介しておこう。

■トバログの半移住の定義

  • 半分日本で半分海外のどこか
  • 都内に借りている拠点はそのまま
  • 住むことを前提に拠点を設けて現地人のように生活

トバログ半移住の定義についてはこんな感じ。海外移住というほど長期でもないけれど、でも移住を視野に入れてその国へ旅するため、敢えて半移住と定義している。

まだ「どんなところに住みたいか」が明確にあるわけではないので、結婚をしてまだ子どもがいないこの段階で、あちこち行ってみてフィットする場所を今のうちから探してみようということから、気になる数カ国をピックアップして数週間〜1ヶ月単位で住んでみるという感じ。

かつ海外生活はわりと大変(よくも悪くも慣れるまで)なので、ひとまず都内にある賃貸物件は借りっぱなしだ。家賃がダブルでかかるのは厳しいけれど、敷礼や仲介手数料など考えると気軽に拠点を動かしにくいため。

 

■半移住の目的

  • 果たして海外拠点でも日本の仕事ができるのか
  • 憧れの海外生活に耐えられるのか
  • カルチャーや考え方など広い視野で生きてみたい

これでまとまっているのかは微妙なところだけれど、目的はこんな感じ。

まずは「海外に拠点を置いても仕事はできるのか」という点を探る目的があった。僕の場合はブログを軸として執筆業など複数の仕事をしているため、ある程度日本にいる仕事仲間との連携も必要になってくる。時差やリモートでもコミュニケーションは可能なのかを確かめたかった。

また「長期的な海外生活に耐えられるか」という点。僕たち日本人は食文化やカルチャーが特殊だし、海外生活をしている日本人もそこまで多くない。そのためチャイナタウンのような場所もほぼない(ハワイとか台湾は別だと思うけど)ので、これに適応できるかどうかを知っておきたいという感じ。

そして一番の目的は「海外移住によって視野を広げたい」という点。目的としては漠然としているけれど、これからの時代、(とくにウェブで事業をするなら)ほぼ確実にこの視点は必要だと考えているから。海外からのトレンドが数ヶ月〜数年経って日本でも流行しているわけ(セルフィー、タピオカ、TikTok とかキリがないけど)だし、フリーランスでも会社員でも、海外のカルチャーや考え方を自分に取り入れるのは、絶対にプラスになるはず。

――

実際に1ヶ月間のオーストラリア半移住をやってみた。まだ1カ国目なので目的を達成しているかは微妙なところだが、ここからは僕が実際に感じた海外半移住のメリットデメリット的なところを紹介しておこう。

 

トバログが感じた半移住生活のメリットとデメリット:仕事編

海外半移住のメリット:仕事編

  • 自分の生活を比較的長期の視野で物事を捉えることができる
  • リフレッシュできるので新しいコトを始めたくなる
  • 意外と国内の仕事には困らない

自分の生活を比較的長期の視野で物事を捉えることができる

まずは仕事について。正直なところ現地の仕事をしたわけではないので具体的なところではないのだけれど……。とにかく良かった点としては「これまでの国内生活を俯瞰しつつ長期的に何が本当にしたいのか」を見直すきっかけとなったこと。

日本国内で仕事をしていると、メールのやり取りや「あれしなきゃ」とぽんぽんタスクが湧いてくるのだけれど、海外にいると私生活で慣れるのに忙しいためか、そこまで仕事について考える余裕がない。また Twitter のタイムラインや Facebook の友人の投稿も、(文字通り)どこか遠い国の話のようなので、なんとなく焦りもないし、お金についても割とどうでもよくなる(人によると思うけど)。

日本にいながら漠然と「あれやりたい」と思っていたコトに手をつけたり、考えたりするのには良い時間が過ごせた。

リフレッシュできるので新しいコトを始めたくなる

タスクに追われない状況だと自分のコトだけに集中できるようになり、長期的に何がしたかったのか……が見えやすくなった。僕の場合、具体的にはオーストラリアで  monomag.tokyo のコンセプトを考えたり、取材をしたりと新しいコトができたのは嬉しい。

意外と国内の仕事(ルーチンワーク)には困らない

あとは意外と国内の人とのやり取りもスムーズだという点。すでに走っているプロジェクトや仕事なんかは、メッセージや Skype などで割となんとかなる。海外から国内向けの新しい仕事を取りに行くのは自分から動く必要はあるが、過渡期を超えた仕事をあらかじめ作っておけば問題ない。

――

まとめると「目の前のコトに忙殺されつつ焦って作業」から一旦抜け出し、心身ともに「リラックスと私生活に忙しくなれば『新しいアイデア』が浮かぶし、やりたいコトに対するフットワークが軽くなる」という感じだ。

 

海外半移住のデメリット:仕事編

  • 目の前の作業に集中しづらい
  • 日本にいないコトで取り逃す仕事も多々ある

目の前の作業に集中しづらい

もちろんデメリットもたくさんある。「日々のタスク」や「焦り」を感じにくくなったというのは前述したけれど、逆にそれが仇となって、作業効率は落ちた気はするし、やっぱり1ヶ月くらいの海外だと、作業を放り出して遊びに出掛けたくもなる。

人生としてはこの流れは最高だし、長期的には良いのだけれど、目の前の仕事の効率としてはちょっと微妙かも。やるべきコトはあまり抱え込みすぎずに1ヶ月を過ごした方が良さそうだと感じる。

また「転職の合間に海外半移住、でもお金も必要だからその期間だけフリーで仕事も受けつつ海外」と考える人もいると思うが、仕事効率か海外でリラックスのどちらかは犠牲になる(とくに一瞬フリーで仕事を受けるためにはキャッチアップも必要なので想像よりも忙しい)。

集中して作業をする必要のあるタイミングは、国内の拠点で落ち着いていた方が良さそうだと感じた。

日本にいないコトで取り逃す仕事も多々ある

また海外に住んでみると「あっ、けっこうチャンス逃しているなあ〜」と思う局面も意外に多かった。例えば「トバさんって今海外でしたっけ? ちょっと仕事の相談を……」という話なんかでも「あ、じゃあ日本に帰ってきたタイミングで! 」という流れになりがちだし、いざ日本に帰ってくるとその話自体がなかったコトになっているパターンも少なくない。

東京にいなければ参加できない飲み会やイベントもあるし、「日本に帰ってきたタイミングでご飯でも……」という流れは、誰かとコミュニケーションをとる度にあった。

まあ仕事について、長期的には現地で受けられれば問題はないのだけれど、割と仕事を取る段階からフルリモートというのは、まだまだハードルは高いし、人は予想以上にリモートではなく対面が安心するのだと感じた。

 

トバログが感じた半移住生活のメリットとデメリット:生活と人生編

海外半移住のメリット:生活と人生編

  • 新しい世界が広がっているので楽しい
  • あるものだけで生活できる(要るモノ要らないモノの整理がしやすい)
  • これからの生き方、拠点を長期で考えられる

新しい世界が広がっているので楽しい


仕事については上記の感じだけれど、ここからは私生活について。まず私生活において、海外半移住良いところはなんといっても「毎日がワクワクの連続で楽しい」という点。

とくに僕が訪れていたオーストラリアのサンシャインコーストは、日本でいう茅ヶ崎のような感じで、都会すぎず田舎すぎずという良い感じの街。ビーチが有名で、サーファーやスケーターなどが集まることでも有名だ。

気温は25度から30度前後と暖かいのに湿度は低く、毎日晴れていて本当に過ごしやすかった。また新しい場所を毎日開拓したり、お気に入りのレストランを探したり、朝からプールで泳いだりと飽きずに毎日を過ごしていた。

人とのコミュニケーションも楽しく、バーにいけば店員のお兄さんと世間話をしたり、とにかく全員がご近所さんと思うくらい気軽に話す(話さない方が気まずいと感じる)。英語にも抵抗が薄くなったし、毎日が本当に楽しくリラックスできた。

 

お酒のんだり
部屋でまったりしたり
あるいて1分の海で泳いだり

あるものだけで生活できる(要るモノ要らないモノの整理がしやすい)


そしてスーツケースの中のモノだけで生活をするので「自分に本当に必要なモノ」と「そうでないモノ」をしっかりと考えられるようにもなる。例えばこれは持ってきたけど使わないから要らないとか、あれは持ってくればよかった! など。

限られた荷物だけで生活していると、この辺が分かりやすくなるので、自宅にある要らないモノを断捨離するきっかけとなった。

日本では持ち家ではなく賃貸暮らしをしているため、できるだけモノは少ない方が(狭くて良いので)家賃も安く住むし、身軽になるので短期間で拠点を転々とできるメリットがある(例えばこの海外半移住のように)。最近では ADDressOYO LIFE など賃貸のサブスクリプションモデルも登場し、よりコンパクトで必要最低限のモノだけを持っていた方が、(とくに僕のような生活スタイルと仕事なら)得をする。

最終的に手元に残しておく必要のあるモノを見極められるのは、個人的に良い点だと感じた。

これからの生き方、拠点を長期で考えられる


グローバル化やテクノロジーによって爆速でトレンドやカルチャーが移り変わるこのご時世。選択肢が増え、これまで難しかったさまざまな生き方のハードルが顕著に下がっているため、これからは「どんな生き方するのがベストなのか」ではなく「自分の理想の生き方をするために何を選択するのがベストか」というトップダウン的な視点の人が楽しめる時代になる。

そのためには「都内で生きるか、地方に移住するか、それとも海外か」など「自分の理想の生き方」をある程度は把握しておきたいところ。そんなときに海外半移住は、可能性を模索するという点でかなりアリ。

例えば「オーストラリアのサンシャインコーストで都内にいるようにバリバリ働くのは難しいけど、人間らしい生活ができる」とか「子どもを育てるなら実家の近い東北が良いなあ」とか、「いつかは長野の山奥でセルフビルドした小屋で楽しく暮らしたい」とか。無数にある選択肢の中から、実際に試して実行するためのハードルは意外と高くない(出世を狙うのでなければ休職、転職のタイミングもアリ)。

オーストラリアへは、時期や航空会社を問わなければ片道1人2万円くらいで行けるわけだし、Airbnb を使えばホテル暮らしよりも安く生活ができる。僕の中での理想は「海外で悠々自適に暮らす」だったので、この半移住生活はかなりイメージがわきやすかった。

 

海外半移住のデメリット:生活と人生編

  • やっぱり食生活は難しい
  • 言語やカルチャーなどひやひやする場面も多い
  • 日本人らしい生き方をするとかさむ生活費

日本米に納豆に。やっぱり海外での食生活は難しい

上記では「私生活メリット」を紹介したけれど、もちろんデメリットも数多い。実際に生活してみて一番感じたのは食文化の違いだ。冒頭で「日本のカルチャーや食文化はかなり特殊」と書いたが、これは予想以上に大きい。

例えばオーストラリアには日本のようなジャポニカ種の米が普通のスーパーには売っていなかった。そもそもアジア人が少ない地域だからかもしれないが、あるのはジャスミン米と辛ラーメンくらい。

「腹減ったから牛丼食べよ」「夜食におにぎり」のように、国内での日常に溶け込む食生活がまるっきり変わって、「友人とお洒落ランチ♪」のような食事ばかりになってしまうのだ。

もちろんハワイや台湾、タイといった日本人が多く住む街であれば(多少高くとも)選択肢はあるが、欧州文化の食スタイルの国に住むのなら、主食がじゃがいもかパンになる覚悟は必要だと感じた。

言語やカルチャーなどひやひやする場面も多い

半移住はまだマシだと思うけれど、移住するとなるとせめて英語くらいは向こうでの生活に困らないレベルまで引き上げる必要を感じた。例えば病院での会話だったり、行政の書類、電話などなど。

例えば僕がオーストラリアで空港に着いて、いざレンタカーを借りようとしたら、まずレンタカー会社までのバスを手配するところからスタートした。ナビダイヤルで繋いで、オペレーターに現在地や個人情報を英語で伝える。迎車が来たらレンタカー会社で保険や契約書を英語で交わしていざ乗りこむ……という感じ。

簡単に「日常会話レベル」というけれど、どこまでを日常とするかによって必要な語学レベルはかなり変わるなあと感じた瞬間だった。またメニューや標識も日本語はほぼ見当たらないので、世界は思っているよりも日本だけを優遇していないし、日本人であっても英語くらいは……というのがよく分かる。

あとは人種差別の話。海外の人にとっては、日本人もほかのアジア人も違いが分からない。そのため(日本でもあると思うけど)冷ややかな態度を取られることも多いとも感じる(オーストラリアは比較的アジア人差別が少ないと思うが)。「どこから来たの?」に対して「日本!」と返すと、基本的に誰もが笑顔になり優しく接してくれることが多い印象だった。ただし日本人同士だとマウンティングしてこようとする人が多いのが面白い。

日本人らしい生き方をするとかさむ生活費

これは食事やガジェット、生活費など。基本的には「なんだかんだ日本が一番安い」と感じる。台湾ですら納豆は3パックで300円くらいだし、オーストラリアのアジアマーケットでは冷凍2パック400円くらいだったりするし、ガジェットも日本のアマゾン(に売る業者)がかなり頑張っている。

「生活費が安い」といわれるアジア圏でも、鳥貴族や一休、HUBみたいな価格で飲める場所はあまりないうえに、ビアバーなんていくと、日本よりも高かったりする。もちろん現地向けの屋台とかは安いのだけれど、「今流行りの○○」とか、外国人もよく行く店は総じて高い。逆に日本はどんなジャンルのランチでも1,000円あれば美味しく食べられるし、1人5,000円以内で美味しいディナーも食べられる。幸せ。

実際にオーストラリアの1ヶ月程度でかかった生活費は、30日間の家賃20万円弱を含めて2人で40~50万円程度。これには週3~4回の外食や日用品も含むし、食費に関してはおそらく東京での倍以上はかかっている。

現地人とまったく同じ生活スタイルで食生活もまるごと変えるなら現地の方が安いけれど、日本人が日本人っぽい感じで生活するのは、当たり前だけれど日本が一番安いと感じた。

まとめ:長期スパンで何かを考えるのであれば、海外半移住は一つのきっかけとなるかもしれない


こんな感じでざっと半移住の体験談を綴ってみた。実際に半移住をしてみて感じたのは「人生観だったり長期的な仕事のアイデア」などを醸成するのであれば、一旦半移住をするのは本当にアリ。使い古された言葉かもしれないが、日本的な価値観や、普段当たり前だと思っていたことに対して、改めて向かい合うことができる。

また、仕事ではなく生きることに忙しくなるので、人生の長期的なビジョンを見つめ直すきっかけとしてもかなりおすすめ。とくにリモートでも仕事を受けられる仕事に従事している人や、アイデアや知見が求められるクリエイティブな仕事で飯を食っている人ならば、ぜひ一回は試してみてほしい。

 

トバログの半移住』バックナンバーを読む

 

↓賛否あるけど僕が学生時代から海外半移住をぼんやり考えるきっかけとなった本↓